第二編 罪/第五章 公務の執行を妨害する罪
刑法 第96条の2(強制執行妨害目的財産損壊等)
この条の要点
- 強制執行妨害目的犯の既遂時期:強制執行妨害は目的犯。免れる結果の発生は既遂の要件ではない。
- 仮装譲受の相手方の処罰:譲受人の処罰は『情を知って』取得した場合に限定される。
条文原文
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第96条の2(強制執行妨害目的財産損壊等)
強制執行を妨害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第三号に規定する譲渡又は権利の設定の相手方となった者も、同様とする。
一 強制執行を受け、若しくは受けるべき財産を隠匿し、損壊し、若しくはその譲渡を仮装し、又は債務の負担を仮装する行為
二 強制執行を受け、又は受けるべき財産について、その現状を改変して、価格を減損し、又は強制執行の費用を増大させる行為
三 金銭執行を受けるべき財産について、無償その他の不利益な条件で、譲渡をし、又は権利の設定をする行為
この条文の〇×問題(2問)
強制執行妨害目的犯の既遂時期
強制執行を受けるおそれのある状態のもとで、強制執行を妨害する目的で債務の負担を仮装した場合、現実に強制執行を免れなくても、強制執行妨害目的財産損壊等の罪が成立する。
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正解 ○
正しい。強制執行を妨害する目的で、強制執行を受け又は受けるべき財産を隠匿・損壊し、その譲渡を仮装し、又は債務の負担を仮装した者は処罰される(96条の2第1号)。実際に強制執行を免れる結果は要しない目的犯である。もっとも、財産が強制執行を受け又は受けるべき状態にあることが前提であり、どのような状況でも成立するわけではない。
学習ポイント:強制執行妨害は目的犯。免れる結果の発生は既遂の要件ではない。
第96条の2
仮装譲受の相手方の処罰
債務者から財産を無償で譲り受けた第三者は、その情を知らなくても、強制執行妨害の罪として処罰される。
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正解 ×
誤り。強制執行を妨害する目的で、金銭執行を受けるべき財産について無償その他の不利益な条件で譲渡をし又は権利の設定をする行為(96条の2第3号)について、その相手方が処罰されるのは、情を知って譲渡又は権利の設定の相手方となった場合に限られる(同条後段)。情を知らない相手方は処罰されない。
学習ポイント:譲受人の処罰は『情を知って』取得した場合に限定される。
第96条の2後段・3号
問題で確認する
第96条の2の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。