第五編 相続/第七章 遺言/第四節 遺言の執行
民法 第1013条(遺言の執行の妨害行為の禁止)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 妨害行為の無効と善意第三者への対抗:相続人の妨害行為は無効だが、善意の第三者には無効を対抗できない。
- 相続人の債権者の権利行使の可否:妨害禁止と無効の効果は相続人自身の行為に限られ、債権者の権利行使は妨げない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第1013条(遺言の執行の妨害行為の禁止)
遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
②前項の規定に違反してした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
③前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。
この条文の〇×問題(2問)
妨害行為の無効と善意第三者への対抗
遺言執行者がいる場合に相続人が遺言の執行を妨げるべき行為として相続財産を第三者に売却したとき、その行為は無効となるが、売却の相手方が善意であったときは、この無効をもってその第三者に対抗することができない。
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正解 ○
正しい。遺言執行者がある場合、相続人による相続財産の処分その他遺言の執行を妨げる行為は無効とされるが、取引の安全を図るため、善意の第三者にはこの無効を対抗できないとされる。違反行為が無効でありながら対抗問題として処理される点がこの規定の核心である。
学習ポイント:相続人の妨害行為は無効だが、善意の第三者には無効を対抗できない。
第1013条1項・2項
相続人の債権者の権利行使の可否
遺言執行者がある場合には、相続人自身による相続財産の処分だけでなく、相続人の債権者が相続財産について差押えなどの権利を行使することも妨げられる。
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正解 ×
誤り。遺言の執行を妨げる行為の禁止と違反行為の無効の定めは、相続人の債権者(相続債権者を含む)が相続財産についてその権利を行使することを妨げないと明定されている。債権者による差押え等の権利行使は引き続き可能であり、禁止の効果が及ぶのは相続人自身の行為に限られる。
学習ポイント:妨害禁止と無効の効果は相続人自身の行為に限られ、債権者の権利行使は妨げない。
第1013条3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問23ウ
特定の不動産の遺贈があった場合において、遺言執行者がいるにもかかわらず、遺贈の相手方でない相続人が当該不動産を第三者に売却し、かつ、当該第三者において遺言執行者がいることを知っていたときは、当該売却行為は無効となる。
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正しい
正しい。遺言執行者がある場合、相続人は相続財産の処分その他遺言の執行を妨げる行為ができず、これに反する行為は無効となる。遺言執行者の存在を知る第三者への売却も無効である(1013条)。
解説で第1013条を参照している問
問題で確認する
第1013条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。