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第五編 相続/第八章 配偶者の居住の権利/第一節 配偶者居住権

民法 第1032条(配偶者による使用及び収益)

分野:配偶者居住権・遺留分・特別寄与

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 中マンション管理士重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 譲渡禁止と承諾による第三者使用の区別:権利の譲渡は不可だが、第三者への使用収益は所有者の承諾があればできる。
  • 義務違反による消滅の催告要件:違反を理由に消滅させるには、相当期間を定めた是正催告と期間内の是正なしが必要。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第1032条(配偶者による使用及び収益)

配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。

②配偶者居住権は、譲渡することができない。

③配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。

④配偶者が第一項又は前項の規定に違反した場合において、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。

この条文の〇×問題(2問)

譲渡禁止と承諾による第三者使用の区別

配偶者居住権を取得した配偶者は、その権利自体を第三者に譲渡することはできないが、居住建物の所有者の承諾を得れば、第三者に居住建物を使用または収益させることができる。

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正解 ○

正しい。配偶者居住権は一身専属的な権利として譲渡が禁じられているが、改築・増築や第三者への使用・収益は権利の移転ではなく、所有者の承諾があれば可能とされる。譲渡の禁止と承諾付きの利用許可は別の規律である。

学習ポイント:権利の譲渡は不可だが、第三者への使用収益は所有者の承諾があればできる。

第1032条2項・3項

義務違反による消滅の催告要件

配偶者が用法遵守義務や第三者への使用収益に関する承諾義務に違反した場合、居住建物の所有者は、催告などの手続を経ることなく、直ちに意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができる。

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正解 ×

誤り。配偶者の規定違反を理由に所有者が配偶者居住権を消滅させるには、相当の期間を定めて是正の催告をし、その期間内に是正がされないことが要件とされる。違反だけでは足りず、催告の手続を省略することはできない。

学習ポイント:違反を理由に消滅させるには、相当期間を定めた是正催告と期間内の是正なしが必要。

第1032条1項・3項・4項、関連:第1038条3項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和7年度 問22ウ

配偶者居住権を取得したBは、甲建物を使用する必要がなくなったときは、甲建物の所有者の承諾を得ることなく、甲建物を第三者に賃貸して賃料収入を得ることができる。

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誤り

誤り。配偶者居住権者が建物を第三者に賃貸するには所有者の承諾が必要である(1032条3項——使用収益の範囲の制限)。

司法書士令和7年度 問22エ

配偶者居住権を取得したBは、甲建物のうち従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することはできない。

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誤り

誤り。配偶者居住権は居住建物の全部についての使用権であり、従前居住の用に供していなかった部分も居住の用に供することができる(1032条1項ただし書)。

司法書士令和4年度 問23イ

配偶者居住権は、居住建物の所有者の承諾を得た場合であっても、譲渡することができない。

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正しい

正しい。配偶者居住権は譲渡することができない(1032条2項)。所有者の承諾があっても同様である。

宅建令和5年 問7肢2

Bが高齢となり、バリアフリーのマンションに転居するための資金が必要になった場合、Bは、Cの承諾を得ずに甲建物を第三者Dに賃貸することができる。

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誤り

誤り。配偶者居住権は第三者への賃貸に所有者Cの承諾が必要(民法1032条3項)。

宅建令和3年10月 問4肢2

Bは、配偶者居住権の存続期間内であれば、居住している建物の所有者の承諾を得ることなく、第三者に当該建物を賃貸することができる。

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誤り

誤り。配偶者は建物所有者の承諾を得なければ第三者に賃貸できない(民法1032条3項)。

問題で確認する

第1032条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。