第二編 物権/第三章 所有権/第一節 所有権の限界/第二款 相隣関係
民法 第216条(水流に関する工作物の修繕等)
この条の要点
- 損害のおそれ段階での修繕・予防請求:損害の「おそれ」がある段階でも、工作物の修繕・障害除去・予防工事を相手方に請求できる。
- 請求権型の救済と自力工事の不可:工作物の破壊・閉塞への対抗は「相手にさせる」請求権であり、自力での立入り工事は別条の限定場面にのみ認められる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第216条(水流に関する工作物の修繕等)
他の土地に貯水、排水又は引水のために設けられた工作物の破壊又は閉塞により、自己の土地に損害が及び、又は及ぶおそれがある場合には、その土地の所有者は、当該他の土地の所有者に、工作物の修繕若しくは障害の除去をさせ、又は必要があるときは予防工事をさせることができる。
この条文の〇×問題(2問)
損害のおそれ段階での修繕・予防請求
隣地に設けられた貯水用の工作物が破壊し、自己の土地に損害が及ぶおそれがある場合、まだ現実の損害が発生していなくても、土地の所有者は隣地の所有者に対して工作物の修繕や必要な予防工事を求めることができる。
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正解 ○
正しい。他の土地に貯水・排水・引水のために設けられた工作物の破壊・閉塞により自己の土地に損害が及び、又は及ぶおそれがある場合、その土地の所有者は他の土地の所有者に修繕・障害の除去・予防工事をさせることができる。損害の現実的な発生は要件ではなく、おそれの段階で請求できる。
学習ポイント:損害の「おそれ」がある段階でも、工作物の修繕・障害除去・予防工事を相手方に請求できる。
第216条
請求権型の救済と自力工事の不可
隣地の排水用工作物の閉塞によって自己の土地に損害が及ぶおそれがある場合、土地の所有者は隣地の所有者の承諾を得なくても、自ら隣地に立ち入って当該工作物の障害を除去することができる。
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正解 ×
誤り。この規定が認めるのは、他の土地の所有者に工作物の修繕・障害の除去・予防工事をさせること、すなわち相手方に工事を求める請求権であり、自己が隣地に入って直接工事をする権利ではない。天災により低地で水流が閉塞した場合に高地の所有者が自己の費用で障害除去工事をできるのは別条の限定された制度である。
学習ポイント:工作物の破壊・閉塞への対抗は「相手にさせる」請求権であり、自力での立入り工事は別条の限定場面にのみ認められる。
第216条、関連:第215条
根拠・関連条文
問題で確認する
第216条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。