所有権の分野(第206条〜第264条の14)は、所有権の内容と限界、隣り合う土地の利用を調整する相隣関係(209条〜238条)、無主物先占・遺失物・付合などの所有権の取得(239条〜248条)、共有(249条〜264条)、2021年改正で新設された所有者不明土地・建物の管理制度(264条の2以下)からなります。
試験で最も問われるのは共有です。共有物の扱いは行為の種類で決め方が変わり、変更(形状又は効用の著しい変更を伴うもの)は共有者全員の同意、管理は持分の価格の過半数、保存は各共有者が単独で行えます。2021年改正により、軽微な変更は管理として過半数で決められるようになり、所在が分からない共有者がいる場合に裁判所の決定で変更・管理を進める仕組みや、その持分を取得・譲渡する仕組みも設けられました。共有物の分割は、各共有者がいつでも請求でき、5年以内の不分割特約が認められます。
相隣関係では、他の土地に囲まれて公道に通じない土地の通行権、境界付近の工事のための隣地使用、越境した竹木の枝の切取りが頻出です。枝は原則として竹木の所有者に切らせますが、催告しても切らないときなどは土地の所有者が自ら切り取れるようになりました。