第三編 債権/第一章 総則/第三節 多数当事者の債権及び債務/第四款 連帯債務
民法 第443条(通知を怠った連帯債務者の求償の制限)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 無通知弁済に対する対抗の範囲:無通知弁済への対抗は、債権者に対抗できた事由を自己の負担部分の限度で主張できる制度。
- 通知懈怠と善意の二重弁済者の保護:免責の未通知に乗じた二重弁済では、善意の後の弁済者が自己の弁済を有効とみなせる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第443条(通知を怠った連帯債務者の求償の制限)
他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者に対抗したときは、その連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
②弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た連帯債務者が、他の連帯債務者があることを知りながらその免責を得たことを他の連帯債務者に通知することを怠ったため、他の連帯債務者が善意で弁済その他自己の財産をもって免責を得るための行為をしたときは、当該他の連帯債務者は、その免責を得るための行為を有効であったものとみなすことができる。
この条文の〇×問題(2問)
無通知弁済に対する対抗の範囲
連帯債務者の一人が、他に連帯債務者がいることを知りながら、共同の免責を得ることを事前に他の連帯債務者に通知しないで債務全額を弁済した場合において、他の連帯債務者が債権者に対して消滅時効の抗弁を有していたときは、その連帯債務者は弁済した者からの求償に対し、債務の全額についてその抗弁をもって拒むことができる。
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正解 ×
誤り。この場合、他の連帯債務者は債権者に対抗することができた事由をもって弁済した者に対抗できるが、それが認められるのは自己の負担部分についてだけである。負担部分を超える額まで時効消滅を主張して求償を拒むことはできない。
学習ポイント:無通知弁済への対抗は、債権者に対抗できた事由を自己の負担部分の限度で主張できる制度。
第443条1項
通知懈怠と善意の二重弁済者の保護
連帯債務者の一人が、他に連帯債務者がいることを知りながら共同の免責を得たことを知らせなかったため、他の連帯債務者が既に弁済があったことを知らないまま債権者に弁済したときは、その他の連帯債務者は、自己の行った弁済を有効なものとして扱うことができる。
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正解 ○
正しい。弁済した者が他の連帯債務者の存在を知りながら免責の通知を怠ったために、他の連帯債務者が善意で弁済等の免責行為をしたときは、その者は自己の弁済を有効であったものとみなすことができる。これにより、先に弁済した者が債権者への返還を追う側に回る。
学習ポイント:免責の未通知に乗じた二重弁済では、善意の後の弁済者が自己の弁済を有効とみなせる。
第443条2項、関連:第463条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和7年 問32肢1
Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をすることを怠った場合において、すでに弁済により共同の免責を得ていたBがAに事後の通知をしていなかったときは、Aは、Bに対して自己の免責行為を有効であるとみなすことができる。
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妥当でない
弁済等の免責行為前の通知を怠った連帯債務者の免責行為は、他の連帯債務者が債権者に対抗し得た事由がある限度で無効とみなされる(民法443条2項)。Bが先に免責を得て通知していなかっただけではAの免責行為を有効とみなせない。
行政書士令和7年 問32肢2
Aが、Cに400万円を弁済するのに先立ち、Bに事前の通知をしないで弁済をし、共同の免責を得た場合において、Bは、Cに対して200万円の反対債権を有していたときは、自己の負担部分の200万円について、Aの求償に対して相殺をもって対抗できる。
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正しい
正しい。Aが共同の免責を得る前にBへ通知しなかった場合、BはCに対抗できた事由を自己の負担部分についてAに対抗できる。Bの相殺による対抗も含まれる(民法443条1項)。
解説で第443条を参照している問
問題で確認する
第443条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。