第三編 債権/第二章 契約/第一節 総則/第二款 契約の効力
民法 第537条(第三者のためにする契約)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 第三者の権利の発生時期:第三者の権利が発生するのは契約成立時か受益の意思表示時かで判断する。
- 第三者の権利発生後の解除への承諾:受益の意思表示があった後の解除には第三者の承諾が必要かどうかで判断する。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第537条(第三者のためにする契約)
契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。
②前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。
③第一項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。
この条文の〇×問題(2問)
第三者の権利の発生時期
第三者のために給付をする旨の契約が成立した場合、その契約の成立の時点で第三者に給付を請求する権利が発生し、第三者がその利益を受ける旨の意思表示をするかどうかは権利の発生時期を左右しない。
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正解 ×
誤り。第三者のためにする契約では、第三者に給付請求権が発生するのは契約の成立時ではなく、その第三者が債務者に対して契約の利益を享受する意思を表示した時である。受益の意思表示がされるまでは権利は発生せず、当事者が第三者の権利を変更・消滅させる余地が残る。
学習ポイント:第三者の権利が発生するのは契約成立時か受益の意思表示時かで判断する。
第537条1項・3項、関連:第538条1項
第三者の権利発生後の解除への承諾
第三者のために給付をする旨の契約において、第三者がその利益を享受する旨の意思表示をした後に債務者がその第三者への債務を履行しない場合、契約の相手方は第三者の承諾を得なければ契約を解除することができない。
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正解 ○
正しい。第三者の権利が受益の意思表示によって発生した後は、債務者が履行しない場合でも契約の相手方は第三者の承諾を得なければ解除できない。発生した第三者の権利を消滅させる行為への制限であり、契約当事者が自由に解除できるという理解は誤りである。
学習ポイント:受益の意思表示があった後の解除には第三者の承諾が必要かどうかで判断する。
関連:第538条2項・第537条3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和4年度 問17ア
AとBが、Cを受益者とする第三者のためにする契約を締結した場合には、その契約の成立時にCが現に存在しないとしても、そのことを理由にその効力は妨げられない。
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正しい
正しい。第三者のためにする契約は、成立時に第三者が現に存在しない又は特定していない場合でも効力を妨げられない(537条2項)。
司法書士令和4年度 問17ウ
AとBが、Bの所有する建物の所有権をCに移転する旨のCを受益者とする第三者のためにする契約を締結したときは、当該建物の所有権は、Cの受益の意思表示をした時期にかかわらず、その契約の成立時に、Cに移転する。
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誤り
誤り。第三者の権利は、その第三者が契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する(537条3項)。契約成立時ではない。
解説で第537条を参照している問
問題で確認する
第537条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。