第二編 株式会社/第二章 株式/第四節の二 特別支配株主の株式等売渡請求
会社法 第179条の3(対象会社の承認)
この条の要点
- 売渡請求に対する対象会社の承認:売渡請求は対象会社の承認が前提。取締役会設置会社では取締役会決議。
- 新株予約権売渡請求のみの承認可否:新株予約権売渡請求の単独承認は不可。株式売渡請求と一体の扱い。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第179条の3(対象会社の承認)
特別支配株主は、株式売渡請求(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡請求及び新株予約権売渡請求。以下「株式等売渡請求」という。)をしようとするときは、対象会社に対し、その旨及び前条第一項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければならない。
②対象会社は、特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をしようとするときは、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。
③取締役会設置会社が第一項の承認をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。
④対象会社は、第一項の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。
この条文の〇×問題(2問)
売渡請求に対する対象会社の承認
特別支配株主が株式売渡請求をしようとするときは、対象会社に請求の内容を通知してその承認を受けなければならず、取締役会設置会社では取締役会の決議によって承認の可否が決定される。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。株式等売渡請求には対象会社の承認が必要であり、取締役会設置会社では承認の可否は取締役会の決議による。対象会社の承認なしに特別支配株主が一方的に請求できるわけではない。この「売渡請求に対する対象会社の承認」を正確に理解していれば迷わず判断できる。
学習ポイント:売渡請求は対象会社の承認が前提。取締役会設置会社では取締役会決議。
第179条の3第1項・3項
新株予約権売渡請求のみの承認可否
対象会社は、特別支配株主から株式売渡請求と併せて新株予約権売渡請求の承認を求められた場合、株式売渡請求を承認せずに新株予約権売渡請求のみを承認することができる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。対象会社は、株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされる場合に、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。株式売渡請求を承認しないのに新株予約権だけを承認することは許されない。この命題は「新株予約権売渡請求のみの承認可否」の取り違えを誘うひっかけである。
学習ポイント:新株予約権売渡請求の単独承認は不可。株式売渡請求と一体の扱い。
第179条の3第2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和4年 問38肢2
株式売渡請求をしようとする特別支配株主は、株式売渡請求に係る株式を発行している対象会社に対し、株式売渡請求をする旨および対価として交付する金銭の額や売渡株式を取得する日等の一定の事項について通知し、当該対象会社の株主総会の承認を受けなければならない。
正誤と理由を見る
誤り
株式売渡請求は対象会社への通知・承認が必要で、『株主総会の承認』ではなく取締役会(または取締役)の承認を受ける(会社法179条の3)。誤り。
解説で第179条の3を参照している問
問題で確認する
第179条の3の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。