第二編 株式会社/第一章 設立/第八節 発起人等の責任等
会社法 第53条(発起人等の損害賠償責任)
この条の要点
- 設立任務懈怠の賠償責任:設立の任務懈怠は会社への損害賠償責任を生じさせる。
- 第三者責任の成立要件:53条2項の第三者責任は悪意・重過失が要件。民法の不法行為責任とは別。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第53条(発起人等の損害賠償責任)
発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
②発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
この条文の〇×問題(2問)
設立任務懈怠の賠償責任
設立手続において任務を怠った発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、成立した株式会社に対して、任務懈怠によって会社に生じた損害の賠償責任を負う。
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正解 ○
正しい。発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。設立の任務懈怠による会社への損害賠償責任である。
学習ポイント:設立の任務懈怠は会社への損害賠償責任を生じさせる。
第53条1項
第三者責任の成立要件
発起人又は設立時取締役が職務執行の際に過失により第三者に損害を与えた場合、その過失が重大なものでなくても、発起人等は会社法53条2項に基づいて、被害を受けた第三者に対して損害賠償責任を負う。
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正解 ×
誤り。発起人、設立時取締役又は設立時監査役が会社法53条2項に基づいて第三者に生じた損害を賠償する責任を負うのは、その職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときに限られる。軽過失では同項の責任は生じない。もっとも、第三者の権利を直接侵害した場合に民法709条の不法行為責任が成立するかは、別に検討される。
学習ポイント:53条2項の第三者責任は悪意・重過失が要件。民法の不法行為責任とは別。
第53条2項、関連:民法709条
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和3年 問37肢3
発起人、設立時取締役または設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
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正しい
発起人等が設立の任務を怠ったときは会社に対し損害賠償責任を負う(会社法53条)。
行政書士令和3年 問37肢4
発起人、設立時取締役または設立時監査役がその職務を行うについて過失があったときは、当該発起人、設立時取締役または設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
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誤り
第三者への賠償責任は『過失』ではなく悪意または重大な過失が要件(会社法53条2項)。誤り。
行政書士平成30年 問37ウ
発起人、設立時取締役または設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負い、この責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
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設立についての任務懈怠の損害賠償責任は総株主の同意がなければ免除できない(53条)。正しい。
行政書士平成30年 問37エ
発起人、設立時取締役または設立時監査役がその職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役または設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
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悪意または重大な過失による第三者への損害賠償責任(53条2項)。正しい。
司法書士令和6年度 問27オ
発起人が株式会社の設立についてその任務を怠ったことによって当該株式会社に損害を生じさせた場合であっても、当該株式会社の設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該発起人は、当該株式会社に対し、損害を賠償する責任を負わない。
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誤り
誤り。発起人の任務懈怠による損害賠償責任(53条)は、設立無効判決が確定した後も免れない。設立無効の訴えは将来に向かってのみ効力を有する(839条)。
解説で第53条を参照している問
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第53条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。