第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付/第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続/第一節 組織変更の手続/第一款 株式会社の手続
会社法 第779条(債権者の異議)
この条の要点
- 債権者保護手続の公告・催告:各別催告は官報+新聞・電子公告の二重公告で省略可。公告方法に着目。
- 異議債権者への措置の選択:異議債権者には弁済・担保・信託の選択肢。害するおそれがなければ不要。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第779条(債権者の異議)
組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができる。
②組織変更をする株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第三号の期間は、一箇月を下ることができない。
一 組織変更をする旨
二 組織変更をする株式会社の計算書類(第四百三十五条第二項に規定する計算書類をいう。以下この章において同じ。)に関する事項として法務省令で定めるもの
三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
③前項の規定にかかわらず、組織変更をする株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。
④債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該組織変更について承認をしたものとみなす。
⑤債権者が第二項第三号の期間内に異議を述べたときは、組織変更をする株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
この条文の〇×問題(2問)
債権者保護手続の公告・催告
株式会社が組織変更をする場合、知れている債権者への各別の催告が原則必要だが、公告を官報のほか定款で定める日刊新聞紙又は電子公告による方法でもするときは、各別の催告を要しない。
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正解 ○
正しい。組織変更の債権者保護手続は官報公告+知れた債権者への各別催告が原則だが、官報のほか定款で定める日刊新聞紙への掲載又は電子公告の方法で公告するときは各別催告を要しない。異議期間は1箇月を下ることができない。
学習ポイント:各別催告は官報+新聞・電子公告の二重公告で省略可。公告方法に着目。
第779条2項・3項・第939条1項
異議債権者への措置の選択
組織変更について異議を述べた債権者に対しては、株式会社は必ず弁済をしなければならず、相当の担保の提供や弁済を目的とする信託の利用は認められない。
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正解 ×
誤り。異議を述べた債権者への措置は、弁済・相当の担保の提供・弁済を受けさせる目的の信託のいずれかでよく弁済に限られない。さらに組織変更をしても当該債権者を害するおそれがないときは、これらの措置自体が不要である。
学習ポイント:異議債権者には弁済・担保・信託の選択肢。害するおそれがなければ不要。
第779条5項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和8年度 問34オ
組織変更をする株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、組織変更について異議を述べることができない。
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誤り
誤り。組織変更では債権者保護手続が定められており、債権者は異議を述べることができる(779条準用の799条等)。
司法書士令和4年度 問69イ
合名会社が組織変更をした場合において、債権者保護手続に係る公告を官報のほか定款の定めに従って時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙によってしたときは、組織変更後の株式会社についてする登記の申請書には、知れている債権者に対して各別の催告をしたことを証する書面を添付することを要しない。
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誤り
誤り。官報のほか日刊新聞紙による公告で各別の催告を省略できるのは合同会社であり(会社法781条2項準用779条3項)、合名会社の組織変更では各別の催告を証する書面の添付を要する(商登107条1項6号)。
司法書士平成29年度 問34肢2
組織変更をする合同会社は、債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨等の公告を、官報のほか、定款の定めに従い、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法又は電子公告の方法によりするときであっても、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。
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誤り
誤り。債権者異議の公告を官報のほか新聞又は電子公告の方法によりする場合は、知れている債権者への各別の催告を要しない(会社法781条2項による779条3項の準用)。
司法書士平成25年度 問33ウ
組織変更をする合名会社の債権者は、当該合名会社に対し、当該組織変更について異議を述べることができる。
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正しい
正しい。組織変更をする持分会社の債権者は、当該持分会社に対して組織変更について異議を述べることができる(会社法781条2項・779条1項)。
問題で確認する
第779条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。