資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付/第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続/第二節 吸収合併等の手続/第二款 吸収合併存続会社、吸収分割承継会社及び株式交換完全親会社の手続/第一目 株式会社の手続

会社法 第799条(債権者の異議)

分野:組織再編の手続

出題試験:行政書士司法書士

この条の要点

  • 存続側債権者の異議権:合併では存続会社の債権者も異議可。消滅側だけの手続ではない。
  • 株式交換での存続側異議の制限:株式交換で対価が親会社株式のみ、かつ新株予約権付社債の承継がなければ親会社債権者は異議不可。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第799条(債権者の異議)

次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める債権者は、存続株式会社等に対し、吸収合併等について異議を述べることができる。

一 吸収合併をする場合吸収合併存続株式会社の債権者

二 吸収分割をする場合吸収分割承継株式会社の債権者

三 株式交換をする場合において、株式交換完全子会社の株主に対して交付する金銭等が株式交換完全親株式会社の株式その他これに準ずるものとして法務省令で定めるもののみである場合以外の場合又は第七百六十八条第一項第四号ハに規定する場合株式交換完全親株式会社の債権者

②前項の規定により存続株式会社等の債権者が異議を述べることができる場合には、存続株式会社等は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第四号の期間は、一箇月を下ることができない。

一 吸収合併等をする旨

二 消滅会社等の商号及び住所

三 存続株式会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの

四 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

③前項の規定にかかわらず、存続株式会社等が同項の規定による公告を、官報のほか、第九百三十九条第一項の規定による定款の定めに従い、同項第二号又は第三号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。

④債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該吸収合併等について承認をしたものとみなす。

⑤債権者が第二項第四号の期間内に異議を述べたときは、存続株式会社等は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該吸収合併等をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

この条文の〇×問題(2問)

存続側債権者の異議権

吸収合併において異議を述べることができるのは消滅会社の債権者だけであり、吸収合併存続株式会社の債権者は合併について異議を述べることができない。

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正解 ×

誤り。吸収合併では吸収合併存続株式会社の債権者も異議を述べることができる。債権者保護手続は消滅会社側だけでなく存続会社側でも必要であり、官報公告と知れた債権者への各別催告を要する(二重公告の場合は催告省略可)。

学習ポイント:合併では存続会社の債権者も異議可。消滅側だけの手続ではない。

第799条1項1号

株式交換での存続側異議の制限

株式交換で、完全子会社の株主に交付する対価が完全親株式会社の株式のみであり、新株予約権付社債の債務の承継もない場合には、完全親会社の債権者は株式交換について異議を述べることができない。

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正解 ○

正しい。株式交換で完全親株式会社の債権者が異議を述べられるのは、完全子会社の株主に交付する金銭等が完全親会社の株式その他これに準ずるもの(法務省令)のみである場合以外の場合、又は完全子会社の新株予約権付社債の債務を承継する場合(768条1項4号ハ)である(799条1項3号)。対価が株式のみで社債の承継もなければ異議は述べられない。

学習ポイント:株式交換で対価が親会社株式のみ、かつ新株予約権付社債の承継がなければ親会社債権者は異議不可。

第799条1項3号、関連:第768条1項4号ハ

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和7年度 問34ウ

吸収分割承継株式会社の債権者は、当該吸収分割承継株式会社に対し、吸収分割について異議を述べることができない。

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誤り

誤り。吸収分割承継株式会社の債権者は吸収分割について異議を述べることができる(799条1項2号——承継会社側でも債権者保護手続が必要な場合がある)。

司法書士令和7年度 問69ウ

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正しい

正しい。株式交換完全親会社で債権者保護手続が必要となるのは、株式交換完全子会社の株主に交付する対価が株式交換完全親会社の株式その他これに準ずるもののみである場合以外の場合と、株式交換完全子会社の新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者に株式交換完全親会社の新株予約権を交付し社債に係る債務を承継する場合(会社法768条1項4号ハ)であり(799条1項3号)、これらの場合に債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する。

司法書士平成25年度 問33エ

A株式会社とその発行済株式の全部を有するB株式会社とが吸収合併をする場合には、吸収合併存続会社がB株式会社であるときでも、B株式会社の債権者は、B株式会社に対し、当該吸収合併について異議を述べることができる。

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正しい

正しい。吸収合併存続会社の債権者は吸収合併について異議を述べることができ(会社法799条1項1号)、消滅会社の発行済株式の全部を存続会社が保有する場合でも異なるところはない。

問題で確認する

第799条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。