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司法書士試験・再受験に向けた成績の振り返り

令和8年度 司法書士試験の得点分析
成績から見直す次年度の学習課題

成績通知を見て「あと何点だったか」を確かめたら、その不足がどの合格条件に関わるのかも確認しておきましょう。総合点までの距離が同じでも、午後の基準点に届かなかった人と、三つの基準点を超えて総合点だけ足りなかった人では、復習の出発点が変わります。

この記事では、法務省の令和8年度公表資料を使い、成績の内訳から次の練習を考えます。実際の成績が届くまでは択一の自己採点を仮の値として扱い、記述の予想点で結論を出さず、通知後に更新してください。

公開・更新:2026年10月2日/数値の確認:同日。公式公表値・当サイトの計算・学習上の提案を区別して掲載しています。

1. 合否を分ける四つの条件

令和8年度の筆記合格には、午前84点、午後75点、記述70点のすべてを満たし、さらに合計258点以上を取る必要があります。総合点が258点を超えていても、いずれかの区分で基準点を下回れば不合格です。

令和8年度の筆記合格条件(公式公表値)
確認する区分満点必要な点数
午前択一105点84点以上
午後択一105点75点以上
記述式140点70点以上
総合点350点258点以上

出典:法務省「筆記試験の合格点等について」。

択一の合計点が同じでも、結果は変わる

例えば、午前84点・午後75点と、午前90点・午後69点は、どちらも択一合計159点です。しかし、後者は午後の基準点を6点下回っています。午前の余裕で午後の不足を埋めることはできません。まず午前と午後を分けて確認する理由はここにあります。

また、択一の基準点を満たさなかった場合、公表された記述の得点分布と自分の答案を比べても、実際の記述得点は分かりません。「記述が良ければ合格していた」と仮定するより、どちらの択一区分が未達だったかを記録します。

2. 成績の不足を区分別に整理する

成績通知の点数を、次の四つの欄に当てはめてください。一つの「苦手タイプ」に分類する必要はありません。午前と午後の両方が不足している場合など、該当する欄をすべて残します。

成績通知を読むための確認表
確認項目不足の求め方次に確認する記録
午前の基準点84点 − 午前得点
0以下なら到達
科目別・論点別の誤答
午後の基準点75点 − 午後得点
0以下なら到達
誤答と時間切れの問題
記述の基準点70点 − 記述得点
得点不明なら未判定
答案の記載漏れ・処理手順
総合合格点258点 − 3区分の合計
全得点が判明してから計算
各区分の余裕と再現性

択一は1問3点なので、不足6点は得点上では2問分です。ただし、誤答を二つ覚え直せば次回も6点伸びるとは限りません。論点の理解が足りなかったのか、知っていたのに読み違えたのかで、必要な練習が違うからです。

記述は総合点への上乗せと、基準点の確保を分けて考えます。仮に午前96点・午後93点・記述69点なら合計258点ですが、記述が基準点未達です。一方、午前90点・午後81点・記述80点なら各基準点は満たすものの、合計251点で総合点が7点不足します。いずれも架空の成績例です。

3. 自分の択一得点から必要な記述得点を考える

午前84点以上・午後75点以上を満たしたうえで、記述に必要な点数は「258点 − 択一合計点」と「記述基準点70点」の大きい方です。午前・午後のどちらかが未達なら、この計算で合格可能と判断することはできません。

必要な記述得点 = max(70, 258 − 午前得点 − 午後得点)

択一得点の内訳から計算した例(当サイト計算・仮例)
午前得点午後得点必要な記述得点その場合の総合点
84点75点99点258点
90点81点87点258点
96点84点78点258点
96点93点70点259点

最後の例では、総合点だけなら記述69点で258点になります。しかし基準点が70点なので、必要なのは70点で、合計は259点です。「総合点まであと何点か」だけを見ていると、この1点を見落とします。

択一を1問正解すると、記述に要求される総合点上の不足は3点減ります。ただし、記述70点の条件は残ります。これは配点の換算であり、「択一1問と記述3点のどちらが簡単に伸ばせるか」を示すものではありません。

4. 得点分布から分かること

公式の記述式得点別員数表は2,502人を対象とし、70点以上の累計は1,295人、比率は51.8%です。これは記述の基準点に到達した割合で、受験者全体の合格率とは分母も条件も違います。

筆記合格者は、法務省の15受験地の合格者番号一覧を当サイトで集計すると726人でした。午前・午後の双方を受験した14,960人に対する割合は、726 ÷ 14,960 × 100 ≒ 4.85%です。人数は公式一覧の掲載件数、割合はその件数からの当サイト計算であり、最終合格者数・最終合格率ではありません。

記述70点以上の1,295人と筆記合格者726人の差は569人です(当サイト集計・計算)。記述基準点への到達と筆記合格は同じ人数になりません。ただし、公表表に個人別の得点の組合せはないため、この差から個人ごとの不合格原因までは特定しません。自分の成績では、基準点と総合点の両方を確認する必要があります。

出典:記述式得点別員数表、筆記合格者受験番号一覧、受験者数・択一基準点。合格者一覧の受験地別掲載件数は本記事末尾に示します。

順位は、個人の合格確率ではない

記述の順位割合は、公表された記述式得点別員数表の対象2,502人の中での位置です。記述で同じ点数を取った人にも択一得点の違いがあります。公表された分布だけでは、「択一が基準点ちょうどで実際に合格した人数」や、自分が来年合格する確率までは分かりません。

今年の不足点を、そのまま次年度の目標にしない

記述140点・総合350点の3年度比較(公式値と当サイト計算)
年度午前午後記述総合合格点基準点合計からの上乗せ
令和8年度84点75点70点258点29点
令和7年度78点72点70点255点35点
令和6年度78点72点83点267点34点

今年の上乗せは29点ですが、令和7年度は35点、令和6年度は34点でした。同じ満点でも基準点と合格点は変わります。来年も今年と同じ条件になるとは限らず、「今回の差分が埋まれば十分」と固定しないことが大切です。少数年の比較から制度変更の効果や試験全体の難易度を断定することも避けます。

出典:法務省の令和7年度の合格点等・令和6年度の合格点等。長期の推移は合格点・合格率の推移で確認できます。

5. 失点原因から次の練習を選ぶ

ここからは学習上の提案です。点数は不足の場所を示しますが、原因までは示しません。答案や誤答記録を見て、次の四つに整理します。同じ問題に複数の原因があっても構いません。

失点原因と次に試す練習
原因記録で確認すること練習の例
知識不足根拠や例外を説明できたか誤った肢の根拠と例外を確認し、時間を空けて再回答
判断ミス否定表現・時点・当事者を読み違えたか判断を分ける語を指摘し、正誤の理由を短く説明
時間不足未回答数と、時間を使った問題を記録できるか時間を測って通し演習し、見直しや保留の順序を検証
記述の処理・記載事実の拾い漏れ、順序、答案の記載漏れがあるか解答例との相違を分類し、同種の答案を時間内に再作成

例えば午後が6点不足していても、知識が曖昧な問題が多ければ論点の復習が必要です。時間切れで未回答が多ければ、知識の追加に加えて処理順序も検証します。記述も得点だけで不得意と決めず、解答例との相違から改善できる作業を探します。

振り返りメモの記入例(架空の成績)
成績不足条件失点原因の仮説次に行う練習
午前90・午後81・記述80点
総合251点
各基準点は到達
総合点が7点不足
午後の読み違いと、記述の記載漏れを答案で確認午後の誤答理由を説明し直す。記述は答案完成後の確認手順を決めて再演習

このメモでは、原因を最初から確定させず、次の演習で確かめる仮説として残します。複数回の記録で改善が見られるか、同じミスが残るかを見てから、練習量や配分を調整してください。一度の本試験や模試の点数だけで、得意科目も苦手科目も固定しないようにします。

自分の成績と演習履歴を使う場合は司法書士の学習課題診断で、科目・分野別の課題と次の練習を整理できます。

択一の振り返りには司法書士の過去問、誤った論点の整理には科目・分野別の出題傾向を使えます。条文の根拠は民法や会社法で確認できます。記述については、使用している教材の解答例と自分の答案を対応させ、書き直しまで行いましょう。

出典・集計方法

掲載件数:東京163、横浜67、さいたま61、千葉50、静岡18、大阪93、京都29、神戸27、名古屋69、広島22、福岡55、那覇7、仙台31、札幌21、高松13。合計726人。記述基準点到達者との差は1,295 − 726 = 569人。割合は表示桁数で四捨五入しています。

本記事の数値は公式資料で確認し、成績診断・復習課題の整理は当サイトで構成しています。

筆記合格と最終合格は別の段階です。口述試験は2026年10月13日、最終合格発表は11月5日16時予定です。最新情報は司法書士の解答速報・筆記結果と公式発表を確認してください。