第二章 抗告訴訟/第一節 取消訴訟
行政事件訴訟法 第33条
この条の要点
- 取消判決の拘束力と再度の処分義務:却下・棄却の取消後は判決の趣旨に従い再度の処分・裁決が義務。
- 拘束力の及ぶ主体:取消判決の拘束力は処分庁だけでなく関係行政庁にも及ぶ。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第33条
処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する。
②申請を却下し若しくは棄却した処分又は審査請求を却下し若しくは棄却した裁決が判決により取り消されたときは、その処分又は裁決をした行政庁は、判決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分又は審査請求に対する裁決をしなければならない。
③前項の規定は、申請に基づいてした処分又は審査請求を認容した裁決が判決により手続に違法があることを理由として取り消された場合に準用する。
④第一項の規定は、執行停止の決定に準用する。
この条文の〇×問題(2問)
取消判決の拘束力と再度の処分義務
許認可の申請を退けた処分が判決で取り消された場合、当該行政庁は判決の趣旨に沿って、あらためてその申請への処分を行う義務を負う。
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正解 ○
正しい。申請を却下・棄却した処分や審査請求を却下・棄却した裁決が取消されたとき、行政庁は判決の趣旨に従い改めて処分・裁決をする義務を負う。取消判決の拘束力の中でも、消極的な不作為に終わらせない積極的な作為義務としての側面が核心である。
学習ポイント:却下・棄却の取消後は判決の趣旨に従い再度の処分・裁決が義務。
第33条2項
拘束力の及ぶ主体
取消判決の拘束力は、その事件について処分又は裁決をした行政庁のみに及び、他の関係行政庁には及ばない。
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正解 ×
誤り。取消判決は、その事件について処分・裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する。拘束力の及ぶ主体を原処分庁だけに狭めた命題は誤りである。判決の効力が関係する行政庁全般に及ぶ点を確認する。なお執行停止の決定にも拘束力の規定が準用される。
学習ポイント:取消判決の拘束力は処分庁だけでなく関係行政庁にも及ぶ。
第33条1項・4項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和6年 問16ウ
行訴法は、判決の拘束力について、「処分または裁決を取り消す判決は、その事件について、処分または裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する。」と定めているのに対し、行審法は、裁決の拘束力について、「裁決は、関係行政庁を拘束する。」と定めている。
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妥当である
妥当である。行訴法33条1項は取消判決が関係行政庁を拘束すると定め、行審法52条1項も「裁決は、関係行政庁を拘束する。」と定めている。
行政書士令和6年 問18オ
処分を取り消す判決は、その事件について処分をした行政庁その他の関係行政庁を拘束すると規定されているが、この規定は、取消訴訟以外の抗告訴訟には準用されない。
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取消判決の拘束力規定(行訴33条1項)は義務付け・差止め等他の抗告訴訟にも準用されている(行訴38条)。誤り。
行政書士平成23年 問18肢4
実質的当事者訴訟における原告勝訴の判決は、その事件について、被告だけでなく、関係行政機関をも拘束する。
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正しい
実質的当事者訴訟の原告勝訴判決は関係行政機関をも拘束する(行訴41条1項・33条1項)。正しい。
解説で第33条を参照している問
問題で確認する
第33条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。