第二章 申請に対する処分
行政手続法 第7条(申請に対する審査、応答)
この条の要点
- 形式不適合申請への対応
- 補正機会の保障の有無:補正なしで直ちに拒否しても条文上は許される。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第7条(申請に対する審査、応答)
行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、申請書の記載事項に不備がないこと、申請書に必要な書類が添付されていること、申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに、申請をした者(以下「申請者」という。)に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。
条文の要点
申請に対する応答とは、申請が到達した後に行政庁が遅滞なく審査を開始し、形式不適合の申請に補正要求又は拒否で応える義務です(7条)。
申請の放置を防ぎ、形式要件を欠く申請には補正の機会か拒否の決着のいずれかを速やかに求めます。補正は拒否の前提ではなく、二者は選択的な関係にあります。
申請に対する応答の選択肢
形式要件に適合しない申請への対応は『相当の期間を定めて補正を求め、又は拒否』の二者択一です。補正を求めず直ちに拒否しても条文上妨げられません。補正を求める場合には相当の期間を定める必要があります。
| 項 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 本文前段 | 要件 | 申請が事務所に到達したときは遅滞なく審査を開始する |
| 本文後段 | 効果 | 形式要件に適合しない申請には、相当期間を定めた補正の要求か許認可等の拒否のいずれかを速やかに行う |
具体例
Aは法律に基づく営業許可を行政庁Bに申請しましたが、必要書類を添付していません。Bに申請が到達しました。
Bは遅滞なく審査を始め、相当の期間を定めて補正を求めるか、又は速やかに許可を拒否するかをしなければなりません。
反例(結論が変わる)
同じ申請で、必要書類がすべて添付され、その他の形式上の要件にも不備がない場合に変えます。
Bは遅滞なく審査を開始しますが、形式不適合を理由とする補正要求・拒否の義務は生じません。許可の実体要件を満たすかは別に審査します。
関連条との違い
過去問で誤りとされた肢の型
- 行政書士平成24年 問11肢5
形式不備があれば補正を求めなければならず直ちに拒否できないという誤り。補正か拒否かは選択的で、直ちに拒否しても妨げられない
- 行政書士令和4年 問11肢2
形式要件に適合しない申請を理由に拒否できないという誤り。形式不適合は拒否の理由になりうる
- 行政書士令和7年 問13肢5
補正を求めることなく許認可等を拒否してはならないという誤り。補正なしの拒否は条文上許される
ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。
法令版: 2026年7月24日施行版
この条文の〇×問題(2問)
形式不適合申請への対応
申請書への必要書類の添付漏れなど法令上の形式要件に適合しない申請があった場合、行政庁は、申請者に対し相当の期間を定めて補正を求め、又はその申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。
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正解 ○
正しい。申請が事務所に到達したとき行政庁は遅滞なく審査を開始する義務を負い、形式要件に適合しない申請については、相当の期間を定めた補正の要求と許認可等の拒否のいずれかを速やかに行わなければならない。いずれか一方の措置で足りる。
学習ポイント:形式不適合の申請は補正要求か拒否の二者択一。
第7条
補正機会の保障の有無
形式上の要件に適合しない申請について行政庁が許認可等を拒否する場合には、必ず事前に相当の期間を定めて申請者に補正を求めなければならない。
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正解 ×
誤り。条文上、補正の要求と許認可等の拒否は「求め、又は…拒否」という選択的な関係にあり、行政庁は補正を求めずに直ちに拒否の処分をすることもできる。補正の機会を与えることが拒否の前提要件ではない点を見落とさないこと。
学習ポイント:補正なしで直ちに拒否しても条文上は許される。
第7条
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和7年 問13肢5
行政庁は、申請がその形式上の要件に適合しない場合には、速やかに、当該申請者に対し相当の期間を定めてその補正を求めなければならず、補正を求めることなく許認可等を拒否してはならない。
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妥当でない
形式上の要件に適合しない申請には、補正を求めるか、又は相当の猶予期間をおいて拒否すれば足りる(行手7条)。補正なく拒否できないわけではない。
行政書士令和4年 問11肢2
行政庁は、法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請について、それを理由として申請を拒否することはできず、申請者に対し速やかにその補正を求めなければならない。
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妥当でない
形式要件に適合しない申請は拒否でき、補正を求めるのは義務ではない(行手7条の選択肢)。
行政書士令和2年 問13イ
許認可等を求める申請に必要な書類が添付されていない場合、行政庁は、速やかに、相当の期間を定めて当該申請の補正を求めるか、あるいは当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。
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必要書類が添付されない申請には補正を求めるか拒否処分をする(行手7条)。正しい。
行政書士平成25年 問12肢1
行政庁は、申請がその事務所に到達したときは、遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならない。
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正しい
行政庁は申請が事務所に到達したときは遅滞なく審査を開始しなければならない(行政手続法7条)。正しい。
行政書士平成24年 問11肢5
提出された処理業の許可申請書の記載に形式上の不備があった場合については、知事は、期限を定めて申請者に補正を求めなければならず、直ちに申請を拒否する処分をすることは許されない。
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誤り
形式上の要件に適合しない申請については、速やかに相当の期間を定めて補正を求め、又は許認可等を拒否しなければならず(行政手続法7条)、直ちに拒否することも妨げられない。誤り。
問題で確認する
第7条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。