資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二章 申請に対する処分

行政手続法 第8条(理由の提示)

分野:申請に対する処分

出題試験:行政書士

この条の要点

  • 書面による拒否処分の理由提示方式:書面での拒否処分には書面での理由提示が必要。
  • 理由提示義務の緩和:客観指標で不合格が明らかなら求めに応じた提示で足りる。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第8条(理由の提示)

行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。

②前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

条文の要点

拒否処分の理由提示とは、申請により求められた許認可等を拒否する際に行政庁が申請者へ同時に理由を示す義務です(8条1項)。

拒否処分には処分と同時の理由提示が要り、書面の処分では理由も書面で示します。客観的指標で不適合が明らかな場合は、申請者の求めがあったときの提示に緩和されます。

拒否処分の理由提示の緩和

許認可等の要件や公にされた審査基準が数量的指標などの客観的指標で明確に定められ、申請書の記載等から不適合が明らかな場合は、申請者の求めに応じた提示で足ります。形式上の要件の不適合を理由とする拒否であっても、理由提示そのものは必要です。

項役割内容
1項本文効果許認可等を拒否する処分には、申請者に対し処分と同時に理由を示す
1項但書例外客観的指標で要件が明確かつ申請内容から不適合が明らかなら、求めがあったときに示せば足りる
2項手続処分を書面でするときは、理由も書面で示す

具体例

行政庁BがAの免許申請を拒否し、書面でその旨を通知しました。客観的指標で不適合が明らかな8条1項但書の場合ではありません。

Bは処分と同時に理由を示さなければならず、書面による処分なので理由も書面で示す必要があります。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、免許の要件が得点のような数量的指標で明確に定められ、Aの申請書の記載から不適合が明らかな場合に変えます。

Aから求めがあったときに理由を示せば足り、処分と同時の提示は要りません。

関連条との違い

  • 行政手続法 第14条:14条は不利益処分の理由提示で、差し迫った必要がある場合は事後の提示を認める。8条は拒否処分で、客観的指標により明らかな場合に求め応答型へ緩和される
  • 行政手続法 第7条:7条は不適合申請への応答態様(補正・拒否)を定める。8条は拒否した場合に負う別の理由提示義務

過去問で誤りとされた肢の型

  • 行政書士令和3年 問12肢2

    形式要件の不適合を理由にする拒否には理由提示が要らないという誤り。理由の種類を問わず拒否処分には提示が要る

  • 行政書士令和7年 問13肢1

    理由提示は申請者の求めがある場合に限るという誤り。原則は処分と同時の提示で、求め応答型は但書の例外

  • 行政書士平成29年 問12肢1

    申請への拒否処分に理由提示の定めはないという誤り。不利益処分(14条)とは別に8条が拒否処分にも提示を課す

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年7月24日施行版

この条文の〇×問題(2問)

書面による拒否処分の理由提示方式

書面の形で許認可等を拒否する処分を行うときは、行政庁は拒否の根拠となる理由についても書面で示す責任を負う。

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正解 ○

正しい。拒否処分をする場合は申請者に対し同時に理由を示す義務があり、当該処分を書面でするときは理由も書面により示さなければならないとされる。処分の形式に理由提示の方式が連動する構造は、不利益処分の理由提示と同様である。

学習ポイント:書面での拒否処分には書面での理由提示が必要。

第8条2項、関連:第14条3項

理由提示義務の緩和

許認可の要件が数量的・客観的な指標によって明確にされ、申請書上の記載から不適合が明白なケースでも、行政庁は拒否処分の際に理由を同時に示さなければならない。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。この場合は、申請者の求めがあったときに理由を示せば足りるとされる。客観的指標により不適合が明らかな拒否処分については、同時提示義務が、事後に申請者から求めがあったときの提示へと緩和されるのである。

学習ポイント:客観指標で不合格が明らかなら求めに応じた提示で足りる。

第8条1項ただし書

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和7年 問13肢1

行政庁は、申請を拒否する処分については申請者に対し当該処分の理由を示さなければならないが、それは申請者からの求めがあった場合に限られ、当該申請者の求める形で行えば足りる。

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妥当でない

拒否処分の理由提示は申請者の求めの有無にかかわらず処分と同時に行う義務であり、処分を書面でするときは理由も書面で示さなければならない(行手8条)。

行政書士令和4年 問11肢3

行政庁は、申請により求められた許認可等の処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示すよう努めなければならない。

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妥当でない

申請に対する許認可等の処分では理由の同時提示義務はなく(拒否処分の場合の理由提示とは別)、記述は正確でない(行手8条は拒否処分の理由提示)。

行政書士令和3年 問12肢1

行政庁は、申請により求められた許認可等の処分をする場合、当該申請をした者以外の当該処分につき利害関係を有するものと認められる者から請求があったときは、当該処分の理由を示さなければならない。

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妥当でない

許認可を拒否する処分の理由提示義務は申請者へのもので、利害関係人の請求に応じた理由提示義務はない(行手8条の構造)。

行政書士令和3年 問12肢2

行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合でも、当該申請が法令に定められた形式上の要件に適合しないことを理由とするときは、申請者に対して当該処分の理由を示す必要はない。

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妥当でない

拒否処分は形式要件不適合を理由とする場合でも理由の提示が必要(行手8条)。

行政書士令和元年 問13エ

申請により求められた許認可等を拒否する場合において、申請者に対する理由の提示が必要とされるのは、申請を全部拒否するときに限られ、一部拒否のときはその限りでない。

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拒否処分の理由提示は一部拒否の場合も必要(行手8条)。誤り。

行政書士平成29年 問12肢1

行政手続法が、不利益処分をする場合に同時にその理由を名宛人に示さなければならないとしているのは、名宛人に直接義務を課し、またはその権利を制限するという同処分の性質にかんがみたものであるから、行政手続法には、申請に対する拒否処分に関する理由の提示の定めはない。

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妥当でない

行手8条1項は申請拒否処分にも理由提示を義務付けている。誤り。

行政書士平成23年 問11肢1

行政庁は、申請に対する拒否処分及び不利益処分のいずれの場合においても、これを書面でするときは、当該処分の理由を書面で示さなければならない。

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正しい

拒否処分も不利益処分も、書面でするときは理由を書面で示さなければならない(行手8条2項・14条3項)。正しい。

問題で確認する

第8条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。