第二章 強制執行/第三節 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
民事執行法 第175条(執行官の権限等)
分野:強制執行/金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
この条の要点
- 子の監護解去の方法:監護解行為は説得・捜索・面会・債権者立入りも可。執行官の単独実力行使に限らない。
- 監護解行為への威力行使の禁止:子への威力行使は禁止。子以外の者への威力も子の心身に有害なおそれがあれば禁止。
条文原文
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第175条(執行官の権限等)
執行官は、債務者による子の監護を解くために必要な行為として、債務者に対し説得を行うほか、債務者の住居その他債務者の占有する場所において、次に掲げる行為をすることができる。
一 その場所に立ち入り、子を捜索すること。この場合において、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすること。
二 債権者若しくはその代理人と子を面会させ、又は債権者若しくはその代理人と債務者を面会させること。
三 その場所に債権者又はその代理人を立ち入らせること。
②執行官は、子の心身に及ぼす影響、当該場所及びその周囲の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、前項に規定する場所以外の場所においても、債務者による子の監護を解くために必要な行為として、当該場所の占有者の同意を得て又は次項の規定による許可を受けて、前項各号に掲げる行為をすることができる。
③執行裁判所は、子の住居が第一項に規定する場所以外の場所である場合において、債務者と当該場所の占有者との関係、当該占有者の私生活又は業務に与える影響その他の事情を考慮して相当と認めるときは、債権者の申立てにより、当該占有者の同意に代わる許可をすることができる。
④執行官は、前項の規定による許可を受けて第一項各号に掲げる行為をするときは、職務の執行に当たり、当該許可を受けたことを証する文書を提示しなければならない。
⑤第一項又は第二項の規定による債務者による子の監護を解くために必要な行為は、債権者が第一項又は第二項に規定する場所に出頭した場合に限り、することができる。
⑥執行裁判所は、債権者が第一項又は第二項に規定する場所に出頭することができない場合であつても、その代理人が債権者に代わつて当該場所に出頭することが、当該代理人と子との関係、当該代理人の知識及び経験その他の事情に照らして子の利益の保護のために相当と認めるときは、前項の規定にかかわらず、債権者の申立てにより、当該代理人が当該場所に出頭した場合においても、第一項又は第二項の規定による債務者による子の監護を解くために必要な行為をすることができる旨の決定をすることができる。
⑦執行裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。
⑧執行官は、第六条第一項の規定にかかわらず、子に対して威力を用いることはできない。子以外の者に対して威力を用いることが子の心身に有害な影響を及ぼすおそれがある場合においては、当該子以外の者についても、同様とする。
⑨執行官は、第一項又は第二項の規定による債務者による子の監護を解くために必要な行為をするに際し、債権者又はその代理人に対し、必要な指示をすることができる。
この条文の〇×問題(2問)
子の監護解去の方法
子の監護を解く行為(監護解行為)は、執行官が単独で子を捜索し物理的に連れ出すことのみが許され、債権者が立ち入って説得や面会をすることはできない。
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正解 ×
誤り。監護解行為には、説得・捜索・面会・債権者の立入り等が認められており、執行官だけではなく債権者が場所への立入りをして説得や面会に参加する方法も許容される。子の福祉を考慮した段階的な方法が列挙されている。
学習ポイント:監護解行為は説得・捜索・面会・債権者立入りも可。執行官の単独実力行使に限らない。
第175条1項各号
監護解行為への威力行使の禁止
子の引渡しの直接的な強制執行において、執行官は子に対して威力を用いることができず、子以外の者に対しても、威力を用いることが子の心身に有害な影響を及ぼすおそれがある場合には、威力を用いることができない。
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正解 ○
正しい。子の引渡しの強制執行において、執行官は子に対して威力を用いることはできない(175条8項前段)。子以外の者に対して威力を用いることが子の心身に有害な影響を及ぼすおそれがある場合には、その者に対しても威力を用いることはできない(同項後段)。執行の実効よりも子の福祉が優先される。
学習ポイント:子への威力行使は禁止。子以外の者への威力も子の心身に有害なおそれがあれば禁止。
第175条8項
根拠・関連条文
問題で確認する
第175条の内容は2問の〇×問題と2問の条文穴埋めで確認できます。