第二章 強制執行/第三節 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
民事執行法 第174条(子の引渡しの強制執行)
分野:強制執行/金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
この条の要点
- 子の引渡しの執行方法:子の引渡しは執行官による直接実施と間接強制の両方が可能(選択制)。
- 執行官による直接実施の補充性:執行官の直接実施は許可制+2週経過等の厳格要件。申立てだけでは不可(補充的)。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第174条(子の引渡しの強制執行)
子の引渡しの強制執行は、次の各号に掲げる方法のいずれかにより行う。
一 執行裁判所が決定により執行官に子の引渡しを実施させる方法
二 第百七十二条第一項に規定する方法
②前項第一号に掲げる方法による強制執行の申立ては、次の各号のいずれかに該当するときでなければすることができない。
一 第百七十二条第一項の規定による決定が確定した日から二週間を経過したとき(当該決定において定められた債務を履行すべき一定の期間の経過がこれより後である場合にあつては、その期間を経過したとき)。
二 前項第二号に掲げる方法による強制執行を実施しても、債務者が子の監護を解く見込みがあるとは認められないとき。
三 子の急迫の危険を防止するため直ちに強制執行をする必要があるとき。
③執行裁判所は、第一項第一号の規定による決定をする場合には、債務者を審尋しなければならない。ただし、子に急迫した危険があるときその他の審尋をすることにより強制執行の目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。
④執行裁判所は、第一項第一号の規定による決定において、執行官に対し、債務者による子の監護を解くために必要な行為をすべきことを命じなければならない。
⑤第百七十一条第二項の規定は第一項第一号の執行裁判所について、同条第四項の規定は同号の規定による決定をする場合について、それぞれ準用する。
⑥第二項の強制執行の申立て又は前項において準用する第百七十一条第四項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
この条文の〇×問題(2問)
子の引渡しの執行方法
子の引渡しを求める強制執行は、執行官が子を物理的に連れて行く方法によらなければならず、間接強制(金銭支払命令による心理的圧迫)の方法は採れない。
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正解 ×
誤り。子の引渡しの強制執行は、執行官が子の監護を解き債権者に監護をさせる方法によるほか、間接強制の方法によっても行うことができる。子の保護の観点から執行官の実力執行は補充的で、債権者は間接強制を選択できる。
学習ポイント:子の引渡しは執行官による直接実施と間接強制の両方が可能(選択制)。
第174条1項・2項、関連:第173条
執行官による直接実施の補充性
子の引渡しを執行官に実施させる方法で行うには、執行裁判所の決定が必要であり、その申立ては、間接強制の決定の確定から二週間が経過したときなど一定の要件を満たす場合でなければすることができない。
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正解 ○
正しい。子の引渡しの強制執行は、執行裁判所が決定により執行官に子の引渡しを実施させる方法又は間接強制の方法による(174条1項)。執行官に実施させる方法の申立ては、間接強制の決定の確定から2週間を経過したとき、間接強制では引渡しの見込みがないとき、子の急迫の危険を防止するため直ちに強制執行をする必要があるときのいずれかでなければできない(同条2項)。
学習ポイント:執行官の直接実施は許可制+2週経過等の厳格要件。申立てだけでは不可(補充的)。
第174条1項・2項
根拠・関連条文
問題で確認する
第174条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。