第四章 仮処分の効力
民事保全法 第60条(仮処分命令の更正等)
この条の要点
- 保全仮登記の更正:権利表示の齟齬は債権者申立てで命令を更正。確定後に書記官が仮登記を更正嘱託。
- 更正決定への不服:更正決定には即時抗告ができる。更正決定が確定すれば書記官が仮登記更正を嘱託。
条文原文
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第60条(仮処分命令の更正等)
保全仮登記に係る権利の表示がその保全仮登記に基づく本登記をすべき旨の本案の債務名義における権利の表示と符合しないときは、第五十三条第二項の処分禁止の仮処分の命令を発した裁判所は、債権者の申立てにより、その命令を更正しなければならない。
②前項の規定による更正決定に対しては、即時抗告をすることができる。
③第一項の規定による更正決定が確定したときは、裁判所書記官は、保全仮登記の更正を嘱託しなければならない。
この条文の〇×問題(2問)
保全仮登記の更正
保全仮登記に記された権利の内容が、本登記をすべき旨の本案判決における権利の内容と食い違う場合、債権者は当該仮処分命令を出した裁判所に対し命令の更正を求める申立てができる。
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正解 ○
正しい。保全仮登記の権利表示が本案の債務名義の権利表示と符合しないときは、仮処分命令を発した裁判所は債権者の申立てによりその命令を更正しなければならない。申立てがあれば更正は裁判所の義務であり、更正決定が確定すれば書記官が保全仮登記の更正を嘱託する流れになる。
学習ポイント:権利表示の齟齬は債権者申立てで命令を更正。確定後に書記官が仮登記を更正嘱託。
第60条1項・3項
更正決定への不服
保全仮登記に係る仮処分命令の更正決定に対しては、不服を申し立てることができない。
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正解 ×
誤り。更正決定に対しては即時抗告をすることができると明示される。更正は債権者の申立てに基づき債務者の利益にも影響し得る決定であるため抗告の途が開かれている。「不服を申し立てられない」と断定する命題は更正決定に与えられた不服申立て手段を欠落させている。
学習ポイント:更正決定には即時抗告ができる。更正決定が確定すれば書記官が仮登記更正を嘱託。
第60条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和2年度 問57ウ
甲建物について、Bの抵当権の設定の登記請求権を保全するため、処分禁止の仮処分の登記とともに保全仮登記がされた場合において、当該保全仮登記に基づく本登記をすべき旨の本案の判決書の正本に記載の債務者の表示と、当該保全仮登記の登記記録上の債務者の表示とが異なるときは、当該保全仮登記の本登記をする前提として、A及びBは共同して当該保全仮登記の更正の登記を申請することができない。
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正しい
正しい。保全仮登記に係る権利の表示が本登記をすべき旨の本案の債務名義における権利の表示と符合しないときは、仮処分命令を発した裁判所が債権者の申立てによりその命令を更正し、更正決定の確定後に裁判所書記官が保全仮登記の更正を嘱託する(民事保全法60条1項・3項)。A及びBの共同申請による更正の登記はできない。
解説で第60条を参照している問
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第60条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。