第四章 仮処分の効力
民事保全法 第62条(占有移転禁止の仮処分命令の効力)
この条の要点
- 占有移転禁止仮処分の対人効:執行を知って占有した者と、善意でも債務者の占有承継人は執行対象。
- 善意の承継占有者:善意でも承継人なら執行対象。対抗できる権原があれば執行文付与に異議可(63条)。
条文原文
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第62条(占有移転禁止の仮処分命令の効力)
占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、債権者は、本案の債務名義に基づき、次に掲げる者に対し、係争物の引渡し又は明渡しの強制執行をすることができる。
一 当該占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたことを知って当該係争物を占有した者
二 当該占有移転禁止の仮処分命令の執行後にその執行がされたことを知らないで当該係争物について債務者の占有を承継した者
②占有移転禁止の仮処分命令の執行後に当該係争物を占有した者は、その執行がされたことを知って占有したものと推定する。
この条文の〇×問題(2問)
占有移転禁止仮処分の対人効
土地の占有の移転を禁ずる仮処分の執行後に、その執行があったことを知りながら当該土地を占めた第三者丙に対しても、債権者甲は本案判決の債務名義に基づき土地の明渡しの強制執行を申し立てられる。
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正解 ○
正しい。占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、債権者は本案の債務名義に基づき、執行がされたことを知って係争物を占有した者に対して引渡し・明渡しの強制執行ができる(62条1項1号)。また、執行を知らずに占有した者でも、債務者の占有を承継した者であれば対象となる(同項2号)。対象外となるのは、善意で、かつ承継人でもない者である。
学習ポイント:執行を知って占有した者と、善意でも債務者の占有承継人は執行対象。
第62条1項1号
善意の承継占有者
占有移転禁止の仮処分命令の執行後に係争物を占有した者が、その執行がされたことを知らなかった場合は、債務者の占有を承継した者であっても強制執行の対象とはならない。
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正解 ×
誤り。執行後にその執行がされたことを知らないで係争物について債務者の占有を承継した者も、本案の債務名義による引渡し・明渡しの強制執行の対象となる(62条1項2号)。善意の非承継者は対象とならない。なお、占有者が債権者に対抗できる権原により占有していることなどを理由に、執行文の付与に対して異議を申し立てることはできる(63条)。
学習ポイント:善意でも承継人なら執行対象。対抗できる権原があれば執行文付与に異議可(63条)。
第62条1項2号、関連:第63条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成30年度 問41イ
占有移転禁止の仮処分命令の執行後に係争物を占有した者は、その執行がされたことを知って占有したものとみなされる。
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誤り
誤り。占有移転禁止の仮処分の執行後に係争物を占有した者は、執行されたことを知って占有したものと「推定」され(民保62条2項)、「みなされ」るのではない。
解説で第62条を参照している問
問題で確認する
第62条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。