資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二章 保全命令に関する手続/第二節 保全命令/第三款 仮処分命令

民事保全法 第25条の2(債務者を特定しないで発する占有移転禁止の仮処分命令)

分野:保全命令に関する手続/保全命令/仮処分命令

出題試験:司法書士

この条の要点

  • 債務者不特定の仮処分:占有移転禁止仮処分は不動産で債務者特定困難の特別事情あれば債務者不特定で発令可。
  • 債務者不特定執行後の債務者:不特定発令の執行では占有を解かれた者が債務者となる。命令の発し直しは不要。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第25条の2(債務者を特定しないで発する占有移転禁止の仮処分命令)

占有移転禁止の仮処分命令(係争物の引渡し又は明渡しの請求権を保全するための仮処分命令のうち、次に掲げる事項を内容とするものをいう。以下この条、第五十四条の二及び第六十二条において同じ。)であって、係争物が不動産であるものについては、その執行前に債務者を特定することを困難とする特別の事情があるときは、裁判所は、債務者を特定しないで、これを発することができる。

一 債務者に対し、係争物の占有の移転を禁止し、及び係争物の占有を解いて執行官に引き渡すべきことを命ずること。

二 執行官に、係争物の保管をさせ、かつ、債務者が係争物の占有の移転を禁止されている旨及び執行官が係争物を保管している旨を公示させること。

②前項の規定による占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、当該執行によって係争物である不動産の占有を解かれた者が、債務者となる。

③第一項の規定による占有移転禁止の仮処分命令は、第四十三条第二項の期間内にその執行がされなかったときは、債務者に対して送達することを要しない。この場合において、第四条第二項において準用する民事訴訟法第七十九条第一項の規定による担保の取消しの決定で第十四条第一項の規定により立てさせた担保に係るものは、裁判所が相当と認める方法で申立人に告知することによって、その効力を生ずる。

この条文の〇×問題(2問)

債務者不特定の仮処分

土地の引渡請求権を保全するため占有移転禁止の仮処分を求める場合、誰が占有しているか執行前に把握するのが困難な特別の事情があれば、裁判所は債務者の氏名を特定しないまま命令を発することができる。

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正解 ○

正しい。占有移転禁止の仮処分命令で係争物が不動産であるものについては、執行前に債務者を特定することが困難な特別の事情があるとき、債務者を特定しないで発することができる。占有者が誰か判然としない占有物件の保全を可能にする特則であり、発令の例外要件を正確に把握する問題である。

学習ポイント:占有移転禁止仮処分は不動産で債務者特定困難の特別事情あれば債務者不特定で発令可。

第25条の2第1項

債務者不特定執行後の債務者

債務者を特定しないで発せられた占有移転禁止の仮処分命令の執行がされた後も、裁判所は改めて債務者を特定した上で新たな命令を発し直さなければならない。

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正解 ×

誤り。債務者を特定しないで発せられた占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、その執行によって係争物である不動産の占有を解かれた者が債務者となる。執行の時点で占有者が特定されその者に債務者の地位が帰属する仕組みであり、命令の発し直しは不要である。

学習ポイント:不特定発令の執行では占有を解かれた者が債務者となる。命令の発し直しは不要。

第25条の2第2項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和6年度 問41オ

不動産の占有移転禁止の仮処分命令の執行は、債務者に対してその不動産の占有の移転を禁止することを命ずるとともに、その旨の登記をする方法により行う。

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誤り

誤り。不動産の占有移転禁止の仮処分命令の執行は、債務者に占有の移転を禁止することを命ずるとともに、その旨を公示する方法により行う(民保25条の2第1項)。登記によるのではない。

司法書士令和2年度 問41イ

占有移転禁止の仮処分命令については、係争物が動産である場合であっても、その執行前に債務者を特定することを困難とする特別の事情があるときは、裁判所は、債務者を特定しないで、これを発することができる。

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誤り

誤り。債務者を特定しないで発することができるのは、不動産の占有移転禁止の仮処分命令について、その執行前に債務者を特定することを困難とする特別の事情がある場合である(民保25条の2第1項)。係争物が動産の場合にはこの制度は適用されない。

司法書士平成28年度 問41エ

占有移転禁止の仮処分命令は、債務者を特定することを困難とする特別の事情がある場合には、係争物が動産であるときであっても、債務者を特定しないで発することができる。

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誤り

誤り。債務者を特定しないで発せられるのは、不動産に限られ、動産には適用されない(民保25条の2第1項)。

問題で確認する

第25条の2の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。