第一編 総則/第五章 訴訟手続/第五節 裁判
民事訴訟法 第114条(既判力の範囲)
この条の要点
- 既判力の客観的範囲:既判力は主文限定。理由中の相殺の抗弁への判断は対抗額で既判力あり。
- 判決理由の既判力:判決理由の判断に既判力は及ばない(相殺判断のみ例外)。
条文原文
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第114条(既判力の範囲)
確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。
②相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。
この条文の〇×問題(2問)
既判力の客観的範囲
確定判決の既判力は、原則として主文に包含するものに限られ、判決理由中の判断には既判力が及ばないが、相殺のために主張した請求の成立・不成立の判断は対抗額について既判力を有する。
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正解 ○
正しい。確定判決は主文に包含するものに限り既判力を有し、理由中の判断には原則として既判力が及ばない。ただし相殺のために主張した請求の成立・不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する例外的規定がある。
学習ポイント:既判力は主文限定。理由中の相殺の抗弁への判断は対抗額で既判力あり。
第114条第1項・第2項
判決理由の既判力
確定判決の既判力は、判決理由中に示された主要な争点についての判断にも及び、当事者は後の訴訟でその判断と矛盾する主張をすることができない。
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正解 ×
誤り。既判力は主文に包含するものに限られ、判決理由中の判断に既判力は及ばないのが原則である。例外的に既判力が及ぶのは相殺のために主張した請求の成否の判断のみである。相殺の抗弁の判断のみが例外的に既判力を持つとされ、理由中の他の判断には既判力は及ばない。
学習ポイント:判決理由の判断に既判力は及ばない(相殺判断のみ例外)。
第114条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和2年度 問40ア
AのBに対する150万円の貸金返還請求訴訟において、BがAに対する200万円の売買代金債権をもって相殺する旨の抗弁を主張したところ、当該売買代金債権の存在が認められず、Aの請求を認容する判決が確定した場合には、当該確定判決は、当該200万円の売買代金債権の不存在について既判力を有する。
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誤り
誤り。相殺の抗弁についての判断は、相殺をもって対抗する額に対応する額について既判力を生ずるにとどまる(民訴114条2項)。150万円の請求に対する抗弁では150万円分のみ既判力が生じ、200万円全部の不存在については生じない。
司法書士令和2年度 問40イ
所有権に基づく所有権移転登記抹消登記手続請求を認容した確定判決は、当該所有権の存在について既判力を有する。
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誤り
誤り。所有権の存在は判決の理由中の判断であり、主文に包含される事項でないため既判力を有しない(民訴114条1項)。
司法書士平成29年度 問39イ
AのBに対する売買代金支払請求訴訟において、BがAに対する貸金債権をもって相殺する旨の抗弁を主張したところ、自働債権である貸金債権が不存在であると判断して請求を認容する判決が確定した。その後、BがAに対して同一の貸金債権について訴えを提起し、その存在を主張することは、その確定判決の既判力によって妨げられるものではない。
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誤り
誤り。相殺の抗弁に係る自働債権の不存在の判断にも既判力が生ずるため(民訴114条2項)、同一債権の存在を改めて主張することは既判力によって妨げられる。
司法書士平成29年度 問39オ
AのBに対する土地の賃料支払請求訴訟において、Aの請求を棄却する判決が確定した。この場合において、その確定判決がその理由中でその土地の賃貸借契約の存否について判断していたとしても、その確定判決の既判力は、その賃貸借契約の存否の判断について生じない。
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正しい
正しい。既判力は判決主文に包含されるものに限られ(民訴114条1項)、理由中の賃貸借契約の存否の判断には既判力が生じない。
司法書士平成25年度 問40ウ
所有権に基づく抹消登記手続請求を認容した確定判決は、その理由中で原告の所有権の存在を認定していても、所有権の存否について既判力を有しない。
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正しい
正しい。確定判決は主文に包含するものに限り既判力を有し(民訴法114条1項)、理由中の所有権の認定には既判力が生じない。
解説で第114条を参照している問
問題で確認する
第114条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。