第二編 物権/第六章 地役権
民法 第281条(地役権の付従性)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第281条(地役権の付従性)
地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
②地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。
条文の要点
地役権の付従性とは、地役権が要役地の所有権に従たるものとして所有権とともに移転し、又は要役地の他の権利の目的となる性質です(281条1項)。
付従性は設定行為の別段の定めで変えられますが、要役地から分離しての譲渡や他の権利の目的にすることはできません。要役地に地上権などの権利があれば、その権利者が地役権を行使できます。
地役権の付従性の効果
要役地の所有権が移れば地役権も当然に移るため、移転の別段の定めは要りません。地役権単独で抵当権や質権の目的にすることはできません(369条2項)。
| 項 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 1項本文 | 効果 | 要役地の所有権とともに移転し、要役地について存する他の権利の目的となる |
| 1項ただし書 | 例外 | 設定行為に別段の定めがあるときは付従しない |
| 2項 | 効果 | 要役地から分離しての譲渡や他の権利の目的とすることはできない |
具体例
甲(承役地)に乙(要役地)のための通行地役権があり、Bが乙をCに売却して登記しました。
地役権は所有権に従たり当然にCに移るため、CはAに対抗して地役権を主張できます。
反例(結論が変わる)
同じ設定で、Bが乙の所有権は残したまま通行地役権だけをDに譲渡しようとした場合に変えます。
要役地から分離した譲渡はできず、Dは地役権を取得しません。
関連条との違い
過去問で誤りとされた肢の型
- 司法書士令和3年度 問10エ
要役地の地上権者は通行地役権を行使できないとする誤り。地役権は要役地に存する他の権利の目的にもなる
- 司法書士平成27年度 問11ア
地役権を要役地から分離して譲渡できるとする誤り。分離譲渡はできない
ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。
法令版: 2026年6月24日施行版
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和6年度 問10ア
A所有の甲土地にB所有の乙土地のための地役権が設定され、その後、BがCに乙土地を売却し、その旨の登記がされた場合には、Cは、Aに対し、甲土地の地役権を主張することができる。
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正しい
正しい。地役権は要役地の所有権に随伴して移転し(281条1項)、要役地の所有権移転登記がされれば、地役権の存在を承役地所有者に対抗できる(判例)。
司法書士令和3年度 問10エ
Aが所有する甲土地を承役地とし、Bが所有する乙土地を要役地とする通行地役権が設定され、その登記がされた後、Cが乙土地に地上権の設定を受けた場合には、Cは、当該通行地役権を行使することができない。
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誤り
誤り。地役権は要役地の所有権に従たるものとして移転し、要役地について存する他の権利の目的となる(281条1項)。要役地の地上権者Cも通行地役権を行使できる。
司法書士平成31年度 問53ウ
ー筆の土地の全部について ( )の設定の登記がされている場合には、 ( )の譲渡を承諾したことを証する情報を提供しても、当該設定の登記がされた ( )を目的とする質権の設定の登記を申請することはできない。
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対象
対象。譲渡できる賃借権は譲渡の承諾を証する情報で質権設定の登記ができるため「できない」は誤り。地役権は要役地の所有権と分離して他の権利の目的とできない(民法281条2項)ため質権の目的にできず正しい。
司法書士平成29年度 問57ア
甲土地の地上権の登記名義人であるAは、自己の地上権の存続期間の範囲内において、乙土地の所有権の登記名義人であるBと共同して、甲土地を要役地とし、乙土地を承役地とする地役権の設定の登記を申請することができる。
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正しい
正しい。要役地の地上権者は、その権利の存続期間の範囲内で地役権を設定することができる(民法281条1項)。
司法書士平成27年度 問11ア
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誤り
誤り。地役権は要役地から分離して譲り渡すことができない(民法281条2項)。
司法書士平成27年度 問11イ
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正しい
正しい。地役権は要役地の所有権に従たるものとしてその所有権と共に移転するため(民法281条1項)、移転について別段の定めは要らない。
司法書士平成26年度 問10イ
地上権及び永小作権は、その権利のみを目的とする抵当権を設定することができるのに対し地役権は、その権利のみを目的とする抵当権を設定することができない。
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正しい
正しい。地上権・永小作権は独立して抵当権の目的となりうるが、地役権は土地の所有権に従たる付従性を有するため単独では抵当権の目的とならない(民法369条2項・281条)。
宅建令和2年12月 問9肢2
地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、承役地を要役地の便益に供する権利を有する。
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正しい
正しい。地役権者は設定行為の目的に従い承役地を要役地の便益に供する権利を有する(民法281条)。
問題で確認する
第281条の内容は1問の条文穴埋めで確認できます。