第一編 総則/第二章 人/第五節 不在者の財産の管理及び失踪の宣告
民法 第30条(失踪の宣告)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 失踪宣告の請求権者の範囲:失踪宣告は利害関係人のみ請求可能。財産管理の処分とは請求権者の範囲が異なると確認する。
- 危難失踪における死亡みなし時期:危難失踪では危難が去った時に死亡とみなされる。宣告確定時ではなくみなし時点の特定がカギ。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第30条(失踪の宣告)
不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
②戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。
この条文の〇×問題(2問)
失踪宣告の請求権者の範囲
不在者の生死が長期間明らかでない場合、利害関係人が存在しないときでも、検察官が家庭裁判所に請求して失踪の宣告をさせることができる。
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正解 ×
誤り。失踪宣告の請求権者は利害関係人に限られ、検察官は含まれない。不在者の財産管理の処分や管理人の改任では検察官も請求できるのとは異なり、条文ごとに請求権者の範囲が異なるため区別する必要がある。利害関係人がいなければ請求自体ができない。
学習ポイント:失踪宣告は利害関係人のみ請求可能。財産管理の処分とは請求権者の範囲が異なると確認する。
第30条1項、関連:第25条1項・第26条
危難失踪における死亡みなし時期
船舶の沈没により行方不明となった者について、沈没から一定期間経過後に失踪の宣告がなされた場合、その者は宣告が確定した時に死亡したものとみなされる。
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正解 ×
誤り。危難に遭遇した者が失踪宣告を受けた場合、死亡したものとみなされるのは宣告確定時ではなく危難が去った時にさかのぼる。沈没した船舶に乗っていた者なら沈没時に死亡したものとみなされ、相続等の効果もその時点を基準に生じる。
学習ポイント:危難失踪では危難が去った時に死亡とみなされる。宣告確定時ではなくみなし時点の特定がカギ。
第30条2項、関連:第31条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和6年 問27肢1
不在者の生死が7年間明らかでない場合において、利害関係人の請求により家庭裁判所が失踪の宣告をしたときは、失踪の宣告を受けた者は、7年間の期間が満了した時に、死亡したものとみなされる。
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妥当である
生死不明が7年続き利害関係人の請求で失踪宣告された者は、期間満了時に死亡したものとみなされる(民法30条・31条)。
行政書士令和3年 問28肢5
Aについて失踪の宣告が行われた場合、Aは死亡したものとみなされるが、Aが生存しているときの権利能力自体は、これによって消滅するものではない。
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正しい
失踪宣告で死亡とみなされても、実際に生存している場合の権利能力自体は消滅しない(民法30条の解釈)。
行政書士平成22年 問35ウ
Aの遺言が存在した場合に、その遺言の効力は、Aの生死が不明になった時から7年の期間が満了した時からその効力を生ずる。
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正しい
失踪宣告により生死不明の時から7年の期間満了時に死亡したものとみなされ(30条2項)、遺言の効力はその時点から生ずる。正しい。
司法書士令和2年度 問4ア
不在者の生死が7年間明らかでないときは、利害関係人だけでなく検察官も、家庭裁判所に対し、失踪の宣告の請求をすることができる。
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誤り
誤り。普通失踪の宣告は利害関係人の請求により家庭裁判所が行うものであり(民法30条1項)、検察官が請求できるのは特別失踪の場合である。
問題で確認する
第30条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。