第三編 債権/第一章 総則/第三節 多数当事者の債権及び債務/第五款 保証債務/第一目 総則
民法 第458条の2(主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第458条の2(主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務)
保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。
条文の要点
履行状況の情報提供義務とは、委託を受けて保証した保証人の請求に応じ、債権者が主たる債務の状況を知らせる義務です(458条の2)。
請求があれば債権者は遅滞なく、不履行の有無と元本・利息等の残額・弁済期到来額を提供しなければなりません。保証人が法人でも適用され、債権者は守秘義務を理由に拒めません。
履行状況の情報提供義務の要件
対象は主たる債務者の委託を受けて保証した保証人で、委託のない保証人には働きません。提供すべき情報は、不履行の有無・従たるものを含む残額・弁済期が到来している額の3点で、保証人からの請求が発動の条件です。
| 項 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 1項 | 要件 | 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証したこと |
| 1項 | 要件 | 保証人からの請求があること |
| 1項 | 効果 | 債権者は遅滞なく、不履行の有無・残額・弁済期到来額の情報を提供する |
具体例
Cの委託を受けてAがBへの保証人になりました。AがBに対し、Cの債務の履行状況に関する情報の提供を請求しました。
Bは遅滞なく、不履行の有無と残額・弁済期到来額をAに提供しなければなりません。
反例(結論が変わる)
同じ設定で、AがCの委託を受けずに保証人になっていた場合に変えます。
委託を受けた保証人でないため、Aの請求に応じる458条の2の提供義務はBに生じません。
関連条との違い
- 民法 第458条の3:期限の利益喪失の通知は請求を待たず債権者の義務として発動し知った時から2か月の期限がある。対象は法人でない保証人に限られ、本条の法人にも及ぶ点と違う
- 民法 第465条の10:契約締結時の情報提供は事業債務の保証委託で主債務者から保証人になろうとする者への提供。本条は契約後に債権者から保証人への提供で方向が逆
過去問で誤りとされた肢の型
- 司法書士令和2年度 問16オ
この情報提供義務は保証人が個人の場合に限られるとする誤り。法人の保証人にも適用される
- 宅建令和7年 問2肢4
債権者が守秘義務を理由に履行状況の提供を拒めるとする誤り。委託保証人の請求があれば提供は義務
ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。
法令版: 2026年6月24日施行版
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和2年度 問16ア
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正しい
正しい。主たる債務者の委託を受けて保証をした保証人の請求があったときは、債権者は、元本及び利息等債務に従たる全てのものについて、不履行の有無・残額・弁済期到来額に関する情報を提供しなければならない(民法458条の2)。
司法書士令和2年度 問16オ
正誤と理由を見る
誤り
誤り。主債務者の履行状況に関する情報提供義務(民法458条の2)は保証人が法人の場合にも適用される。期限の利益喪失の通知と保証委託時の情報提供は個人保証人に限られる。
宅建令和7年 問2肢4
①も②もAが主たる債務者C及びEの委託を受けて保証した場合において、Aが債権者B及びDに対して主たる債務の履行状況に関する情報を提供するよう請求したときは、①のBは、これらの情報を、遅滞なく、Aに提供しなければならないのに対し、②のDは、守秘義務を理由にこれらの情報の提供を拒否することができる。
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誤り
誤り。保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合、保証人の請求があったときは、債権者は主たる債務の履行状況に関する情報を遅滞なく提供しなければならない(民法458条の2)。この義務は①・②のいずれにも適用され、②のDも守秘義務を理由に提供を拒むことはできない。
賃管令和7年度 問30肢2
賃貸人は、Bから請求があったときは、Aの賃貸借契約上の債務の履行状況につき、情報提供しなければならない。
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正しい
正しい。保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合、保証人の請求があったときは、債権者は主たる債務の履行状況に関する情報を提供しなければならず(民法458条の2)、この義務は保証人が法人である場合にも適用される。
賃管令和2年度 問26肢3
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正しい
正しい。ウ(委託保証人は主債務の履行状況の情報提供を求められる・民法458条の2)もエ(個人の根保証は極度額の定めがなければ無効・465条の2)も適切である。
マン管令和2年度 問14肢4
AとCとの保証契約が令和2年5月1日に有効に締結された場合、法人でないCがAに対してBの賃料支払状況に関する情報を求めたときは、Aは遅滞なくこれをCに提供しなければならない。
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正しい
正しい。個人保証人から請求があったときは、債権者は主債務の履行状況等の情報を遅滞なく提供しなければならない。
問題で確認する
第458条の2の内容は1問の条文穴埋めで確認できます。