第三編 債権/第一章 総則/第三節 多数当事者の債権及び債務/第五款 保証債務/第一目 総則
民法 第465条(共同保証人間の求償権)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 全額弁済特約がある保証人間の求償:全額弁済特約や不可分債務なら、連帯がなくても負担部分に応じた相互求償ができる。
- 連帯しない保証人間での無資力分担の不適用:不可分・全額特約のときだけ連帯債務の求償規定が使われ、それ以外は無委託保証のルール。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第465条(共同保証人間の求償権)
第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
②第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
この条文の〇×問題(2問)
全額弁済特約がある保証人間の求償
数人の保証人がそれぞれ債権者に対して債務の全額を弁済すべき旨の特約をしている場合に、その一人が自己の負担部分を超える額を弁済したときは、その保証人は、他の保証人に対し、各自の負担部分に応じた額の求償をすることができる。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。各保証人が全額を弁済すべき旨の特約をした場合には、連帯債務者間の求償に関する規定が準用されるため、負担部分を超えて弁済した保証人は他の保証人に対し各自の負担部分に応じた額を求償できる。保証人間に連帯関係がなくても足りる。
学習ポイント:全額弁済特約や不可分債務なら、連帯がなくても負担部分に応じた相互求償ができる。
第465条1項、準用:第442条1項
連帯しない保証人間での無資力分担の不適用
主たる債務が不可分でもなく、全額を弁済すべき旨の特約もない数人の保証人の一人が自己の負担部分を超える額を弁済した場合にも、他の保証人の中に償還の資力がない者がいれば、その償還不能部分は求償者と資力のある保証人との間で負担部分に応じて分割して負担される。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。連帯債務者間の求償規定が準用されるのは、主たる債務が不可分である場合または全額弁済の特約がある場合に限られる。それ以外の互いに連帯しない保証人の超過弁済には委託を受けない保証人の求償に関する規定が準用され、無資力者の分担規定は及ばない。
学習ポイント:不可分・全額特約のときだけ連帯債務の求償規定が使われ、それ以外は無委託保証のルール。
第465条1項・2項、準用:第444条、第462条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成26年 問31肢1
CはAおよびDに対して求償することができ、求償権の範囲は、Aに対しては、1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金に及び、Dに対しては、500万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金に及ぶ。
正誤と理由を見る
誤り
連帯しない保証人相互間の求償は負担部分のみで、利息・遅延損害金の付加は及ばない。誤り。
行政書士平成26年 問31肢2
CはAおよびDに対して求償することができ、求償権の範囲は、Aに対しては、1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金等に及び、Dに対しては、500万円である。
正誤と理由を見る
正しい
委託を受けた保証人の主債務者への求償は全額+利息・遅延損害金等(459条)、連帯しない保証人間では負担部分500万円のみ(465条)。正しい。
行政書士平成26年 問31肢3
CはAに対してのみ求償することができ、求償権の範囲は、1000万円および求償権行使までに生じた利息、遅延損害金等に及ぶ。
正誤と理由を見る
誤り
CはDに対しても負担部分の求償ができる(465条)。誤り。
司法書士平成31年度 問16ウ
主債務者Aの主債務についてB及びCの二人の保証人がある場合において、Bが全額を弁済する旨の保証連帯の特約があるときは、Bは、債権者から保証債務の履行を求められた際に検索の抗弁及び催告の抗弁を主張することができない。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。「保証連帯の特約」とは各保証人が全額を弁済すべき旨の特約(民法465条1項)であり、主債務者と連帯して負担する「連帯保証」(454条)とは別である。保証連帯の特約があっても催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)を失わせる454条の適用はなく、Bはこれらを主張できる。
解説で第465条を参照している問
問題で確認する
第465条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。