資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第三編 債権/第一章 総則/第六節 債権の消滅/第一款 弁済/第一目 総則

民法 第478条(受領権者としての外観を有する者に対する弁済)

分野:債権の消滅・有価証券

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 中賃貸不動産経営管理士重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 弁済者の善意と無過失の併存要件:外観ある者への弁済の有効性には善意と無過失の両方が要る。善意のみでは不可。
  • 外観ある者への弁済と債権者の利益の不要性:外観ある者への弁済は利益の帰属を問わず有効。利益限度の有効は外観なしの場合。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第478条(受領権者としての外観を有する者に対する弁済)

受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。

この条文の〇×問題(2問)

弁済者の善意と無過失の併存要件

受領権者でない者に対する弁済でも、その者が取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有し、弁済をした者がその外観を真実と信じたことについて善意であれば、弁済は有効である。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。受領権者としての外観を有する者への弁済が有効となるには、弁済をした者が善意であることに加えて過失がなかったことが必要である。外観があって善意でも、調査を怠ったなどの過失があれば弁済としての効力は認められない。

学習ポイント:外観ある者への弁済の有効性には善意と無過失の両方が要る。善意のみでは不可。

第478条

外観ある者への弁済と債権者の利益の不要性

受領権者以外の者で受領権者としての外観を有するものに対する弁済は、弁済をした者が善意でかつ過失がなかったときは、債権者がその弁済によって現実に利益を受けたかどうかにかかわらず、弁済としての効力を有する。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。受領権者としての外観を有する者への弁済は、弁済をした者が善意かつ無過失であれば有効であり、債権者が利益を得たことは要件でない。債権者が利益を受けた限度でのみ有効とされるのは、外観を有しない者への弁済の場合である。

学習ポイント:外観ある者への弁済は利益の帰属を問わず有効。利益限度の有効は外観なしの場合。

第478条、関連:第479条

この条文を解説で参照する過去問

行政書士平成26年 問33ア

他人名義の預金通帳と届出印を盗んだ者が銀行の窓口でその代理人と称して銀行から払戻しを受けた場合に、銀行が、そのことにつき善意であり、かつ過失がなければ、当該払戻しは、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者への弁済として有効な弁済となる。

正誤と理由を見る

妥当

通帳・届出印を所持する者への払戻しは受領権者の外観があり、善意無過失なら有効な弁済となる(判例)。妥当。

行政書士平成26年 問33イ

他人名義の定期預金通帳と届出印を盗んだ者が銀行の窓口で本人と称して、定期預金契約時になされた定期預金の期限前払戻特約に基づいて払戻しを受けた場合に、銀行がそのことにつき善意であり、かつ過失がなければ、当該払戻しは、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者への弁済として有効な弁済となる。

正誤と理由を見る

妥当

本人を騙る者への期限前払戻しも特約に基づく手続で受領権者の外観があれば善意無過失の払戻しは有効(判例)。妥当。

行政書士平成26年 問33ウ

他人名義の定期預金通帳と届出印を盗んだ者が銀行の窓口で本人と称して銀行から定期預金を担保に融資を受けたが、弁済がなされなかったため、銀行が当該貸金債権と定期預金債権とを相殺した場合に、銀行が、上記の事実につき善意であり、かつ過失がなければ、当該相殺は、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者への弁済の規定の類推適用により有効な相殺となる。

正誤と理由を見る

妥当

預金債権との相殺にも478条の規定が類推適用され、善意無過失なら有効(判例)。妥当。

行政書士平成26年 問33エ

債権者の被用者が債権者に無断でその印鑑を利用して受取証書を偽造して弁済を受けた場合であっても、他の事情と総合して当該被用者が取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者と認められるときには、債務者が、上記の事実につき善意であり、かつ過失がなければ、当該弁済は、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者への弁済として有効な弁済となる。

正誤と理由を見る

妥当

被用者による受取証書の偽造でも総合して受領権者の外観が認められるときは善意無過失の弁済は有効(判例)。妥当。

行政書士平成26年 問33オ

債権が二重に譲渡され、一方の譲受人が第三者対抗要件を先に具備した場合に、債務者が、その譲受人に対する弁済の有効性について疑いを抱いてもやむをえない事情があるなど、対抗要件で劣後する譲受人を真の債権者であると信ずるにつき相当の理由があるときに、その劣後する譲受人に弁済すれば、当該弁済は、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者への弁済として有効な弁済となる。

正誤と理由を見る

妥当

対抗要件で劣後する譲受人を真の債権者と信ずるにつき相当の理由があれば弁済は有効(判例)。妥当。

宅建令和元年 問7肢2改正前の出題

Bが、Aの代理人と称するDに対して本件代金債務を弁済した場合、Dに受領権限がないことにつきBが善意かつ無過失であれば、Bの弁済は有効となる。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。受領権限の外観を有する準占有者への善意無過失の弁済は有効(民法478条)。

問題で確認する

第478条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。