相殺
- 原則
- 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担し、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は対当額について相殺によって債務を免れることができます。相殺は相手方への意思表示で行い、条件や期限は付けられません。
- 例外・制限
- 相殺の効力は、双方の債務が相殺に適するようになった時にさかのぼって生じます(506条2項)。時効で消滅した債権でも、消滅前に相殺に適するようになっていれば相殺できます(508条)。
- 具体例
- AはBに100万円を貸していて弁済期が来ています。BはAに60万円の売買代金債権を持っています。Aは自分の貸金債権を自働債権として相殺の意思表示をし、60万円の範囲で双方の債務を消すことができます。
- 条件を変えた対照例
- Aの貸金債権の弁済期がまだ来ていない場合、Aからは相殺できません。自働債権は弁済期にあることが必要だからです。逆にBの代金債権(受働債権)の弁済期が未到来でも、Aが期限の利益を放棄すれば相殺できます。
- 第三者との関係
- 差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え前に取得した債権による相殺を差押債権者に対抗できます。差押え後に取得した債権でも、差押え前の原因に基づいて生じたものであれば対抗できます(511条)。