第三編 債権/第二章 契約/第一節 総則/第五款 定型約款
民法 第548条の2(定型約款の合意)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 事前の表示による個別条項の合意擬制:定型約款は事前表示で足り、個別条項の現実の確認は合意の要件ではない。
- 内容開示請求の拒否による合意擬制の排除:約款の内容開示を請求されて正当な理由なく拒めば、個別条項への合意擬制は働かない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第548条の2(定型約款の合意)
定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。
一 定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。
二 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。
②前項の規定にかかわらず、同項の条項のうち、相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第一条第二項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす。
この条文の〇×問題(2問)
事前の表示による個別条項の合意擬制
定型取引を行う旨の合意をした場合、約款を準備した側があらかじめその約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していれば、相手方が個々の条項を実際に読んで内容を把握していなくても、個別の条項について合意があったものとみなされる。
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正解 ○
正しい。民法548条の2第1項2号は、準備者があらかじめ約款を契約内容とする旨表示していれば個別条項の合意を擬制し、相手方の現実の閲覧や認識を要件としない。もっとも相手方の利益を一方的に害する条項は同条2項により合意がなかったものとみなされる。
学習ポイント:定型約款は事前表示で足り、個別条項の現実の確認は合意の要件ではない。
第548条の2第1項2号・2項
内容開示請求の拒否による合意擬制の排除
定型約款準備者が、定型取引を行う旨の合意をする前に相手方から約款の内容を示すよう請求されながら、正当な事由なくこれを拒んだ場合でも、あらかじめ約款を契約の内容とする旨を表示していれば、個別条項について合意があったものとみなされる。
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正解 ×
誤り。民法548条の3第2項は、準備者が定型取引合意の前に内容を示すべき請求を正当な事由なく拒んだときは、みなし合意の規定を適用しないと定める。事前の表示があっても開示請求の拒否があれば個別条項の合意は擬制されない。
学習ポイント:約款の内容開示を請求されて正当な理由なく拒めば、個別条項への合意擬制は働かない。
第548条の3第2項、関連:第548条の2第1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和2年度 問17ア
定型約款準備者と相手方が定型約款を契約の内容とする旨の合意をした場合であっても、定型約款の個別の条項の一部について、相手方がその内容を認識していなかったときは、その条項については合意をしたものとはみなされない。
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誤り
誤り。定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたときは、個別の条項について相手方が認識していなくても合意したものとみなされる(民法548条の2第1項1号)。
司法書士令和2年度 問17イ
ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であっても、その内容の一部のみが当事者双方にとって画一的であることが合理的であるにすぎない場合には、その取引は、定型取引に該当しない。
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誤り
誤り。定型取引は、取引の内容の全部又は一部が当事者双方にとって画一的であることが合理的なものとされる取引をいうため、一部のみが画一的な場合も定型取引に該当する(民法548条の2第1項柱書)。
解説で第548条の2を参照している問
問題で確認する
第548条の2の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。