第四編 親族/第二章 婚姻/第四節 離婚/第一款 協議上の離婚
民法 第768条(財産分与)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 財産分与における寄与の程度の相等しい推定:寄与の程度が明らかに異ならないときは相等しいと推定され、収入差では按分されない。
- 裁判上の離婚への財産分与の準用と請求期間:財産分与は裁判上の離婚にも準用されるが、家庭裁判所への請求は離婚から五年まで。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第768条(財産分与)
協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
②前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から五年を経過したときは、この限りでない。
③前項の場合には、家庭裁判所は、離婚後の当事者間の財産上の衡平を図るため、当事者双方がその婚姻中に取得し、又は維持した財産の額及びその取得又は維持についての各当事者の寄与の程度、婚姻の期間、婚姻中の生活水準、婚姻中の協力及び扶助の状況、各当事者の年齢、心身の状況、職業及び収入その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。この場合において、婚姻中の財産の取得又は維持についての各当事者の寄与の程度は、その程度が異なることが明らかでないときは、相等しいものとする。
この条文の〇×問題(2問)
財産分与における寄与の程度の相等しい推定
協議上の離婚をした夫婦の一方が家庭裁判所に財産分与の審判を求めた場合、婚姻中の財産の取得や維持に対する各当事者の寄与の程度が異なることが明らかでないときは、収入の多かった側の寄与がより大きいものとして分与の額が定められる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。民法768条3項後段は、財産の取得又は維持への寄与の程度が異なることが明らかでないときは相等しいものとすると定める。収入の大小ではなく寄与が等しいと推定されるため、収入が多かった側の寄与を大きく扱うという結論は誤りである。
学習ポイント:寄与の程度が明らかに異ならないときは相等しいと推定され、収入差では按分されない。
第768条3項後段
裁判上の離婚への財産分与の準用と請求期間
協議ではなく裁判所の判決によって離婚した夫婦の一方も相手方に財産の分与を求められるが、離婚の時から五年が過ぎると、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することはできなくなる。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。民法771条により766条から769条までの規定は裁判上の離婚に準用され、判決による離婚でも財産分与の請求ができる。もっとも768条2項ただし書により、離婚の時から五年を経過すると家庭裁判所への協議に代わる処分の請求はできない。
学習ポイント:財産分与は裁判上の離婚にも準用されるが、家庭裁判所への請求は離婚から五年まで。
第771条、関連:第768条1項・2項ただし書
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成30年 問34ア
離婚における財産分与は、離婚に伴う精神的苦痛に対する損害の賠償も当然に含む趣旨であるから、離婚に際し財産分与があった場合においては、別途、離婚を理由とする慰謝料の請求をすることは許されない。
正誤と理由を見る
財産分与に慰謝料は当然には含まれず、別途慰謝料請求も可能(判例)。誤り。
宅建令和2年12月 問3肢2
離婚に当たり、相手方に有責不法の行為がなければ、他の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができない。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。財産分与請求は有責行為の有無にかかわらず請求できる(民法768条)。
解説で第768条を参照している問
問題で確認する
第768条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。