第一編 総則/第四章 商号
商法 第14条(自己の商号の使用を他人に許諾した商人の責任)
この条の要点
- 名板貸人の外観責任(過失不要):名板貸責任は外観責任。許諾者の故意・過失は要件ではない。
- 名板貸責任の誤認要件:名板貸責任には、名板貸人を営業主と誤認したことが要件。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第14条(自己の商号の使用を他人に許諾した商人の責任)
自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。
この条文の〇×問題(2問)
名板貸人の外観責任(過失不要)
自己の商号の使用を他人に許諾した商人は、その許諾について故意や過失がなかったとしても、その他人を当該商人と誤認して取引をした者に対し、連帯して弁済の責任を負う。
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正解 ○
正しい。自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した商人は、その商人自身が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して債務を弁済する責任を負う(14条)。名板貸人が営業主であるという外観の作出に基づく責任であり、許諾者の故意・過失は問われない。
学習ポイント:名板貸責任は外観責任。許諾者の故意・過失は要件ではない。
第14条
名板貸責任の誤認要件
商号の使用を許諾した商人が連帯責任を負うのは、許諾を受けた者が行ったあらゆる取引についてであり、取引の相手方が営業主を誤認していたかどうかは問われない。
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正解 ×
誤り。名板貸人の連帯責任は、名板貸人自身が当該営業を行うものと誤認して、許諾を受けた他人と取引をした者に対するものであり(14条)、相手方の誤認が要件である。営業主が名板貸人でないと知って取引をした者に対しては、許諾の事実があっても連帯責任は生じない。
学習ポイント:名板貸責任には、名板貸人を営業主と誤認したことが要件。
第14条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和8年度 問35ウ
商人が自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した場合においても、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に重大な過失があるときは、当該商人は、当該者に対し当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負わない。
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正しい
正しい。商号貸与による名義貸与責任(14条)は、取引相手に重大な過失がある場合は発生しない(判例——外観信頼がないため)。
司法書士令和5年度 問35イ
自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した商人が当該他人と取引した者に対して当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負うには、特段の事情がない限り、当該他人の営業が当該商人の営業と同種の営業であることを要する。
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正しい
正しい。商号使用許諾の責任(14条)は、特段の事情がない限り、許諾者の営業の範囲内の行為、すなわち許諾された営業と同種の営業についてのみ生ずる(最判昭36.12.5)。
司法書士平成29年度 問35肢2
自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人が当該取引に関する不法行為により負担することとなった損害賠償債務を弁済する責任を負わない。
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誤り
誤り。自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した商人(名板貸人)は、誤認して取引した者に対し、その取引から生じた債務を連帯して弁済する責任を負う(商法14条)。
解説で第14条を参照している問
問題で確認する
第14条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。