第二編 株式会社/第二章 株式/第八節 募集株式の発行等/第一款 募集事項の決定等
会社法 第200条(募集事項の決定の委任)
この条の要点
- 募集事項委任の上限・下限定め:募集事項の委任には株式数の上限と払込金額の下限の設定が必須。白紙委任は不可。
- 募集事項委任の効力の期間的範囲:委任の効力は払込期日が決議日から1年以内の募集に限る。1年超の募集は対象外。
条文原文
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第200条(募集事項の決定の委任)
前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。
②前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
③第一項の決議は、前条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から一年以内の日である同項の募集についてのみその効力を有する。
④種類株式発行会社において、第一項の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定の委任は、当該種類の株式について前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
この条文の〇×問題(2問)
募集事項委任の上限・下限定め
新株発行の募集事項の決定を取締役に委ねる株主総会の決議では、取締役が決定し得る募集株式の数の上限と払込金額の下限を併せて定めることが必要である。
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正解 ○
正しい。株主総会は決議によって募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては取締役会)に委任することができるが、その委任に基づき決定できる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければならない。
学習ポイント:募集事項の委任には株式数の上限と払込金額の下限の設定が必須。白紙委任は不可。
第200条1項
募集事項委任の効力の期間的範囲
株主総会による募集事項決定の委任は、当該決議の日から一年を超える払込期日を定める募集についても、その効力を有する。
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正解 ×
誤り。委任の決議が効力を有するのは、払込期日(期間を定めた場合はその末日)が委任決議の日から一年以内の日である募集についてのみである。一年を超える払込期日の募集に委任の効力は及ばない。この命題は「募集事項委任の効力の期間的範囲」の取り違えを誘うひっかけである。
学習ポイント:委任の効力は払込期日が決議日から1年以内の募集に限る。1年超の募集は対象外。
第200条3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成29年度 問65オ
会社法上の公開会社でない会社が株主総会による委任の決議に基づき取締役会で募集事項を決定した場合において、その決定の日が当該委任の決議の日から1年以内であるときは、払込期日又は払込期間の末日が当該委任の決議の日から1年を経過しているときであっても、募集株式の発行による変更の登記の申請をすることができる。
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誤り
誤り。公開会社でない会社が募集事項の決定を取締役会に委任するには、払込期日又は払込期間の末日が委任決議の日から1年以内でなければならない(会社法200条4項)。
司法書士平成28年度 問66ア
会社法上の公開会社が株主に株式の割当てを受ける権利を与えないで募集株式を発行した場合において、募集事項として定めた払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額であるときは、募集株式の発行による変更の登記の申請書には、株主総会の特別決議に係る議事録を添付しなければならない。
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誤り
誤り。有利発行の場合、募集事項は株主総会の特別決議による委任に基づく取締役会決議でも定められ(会社法200条2項)、必ずしも株主総会議事録の添付を要しない。
解説で第200条を参照している問
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