第三編 持分会社/第六章 定款の変更
会社法 第639条(合資会社の社員の退社による定款のみなし変更)
この条の要点
- 有限責任社員全員退社のみなし変更:合資会社から有限社員が全員退社すれば合名会社へみなし変更。定款変更手続を要しない。
- 無限責任社員全員退社のみなし変更:合資会社から無限社員が全員退社すれば合同会社へみなし変更。方向を取り違えない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第639条(合資会社の社員の退社による定款のみなし変更)
合資会社の有限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなす。
②合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなす。
この条文の〇×問題(2問)
有限責任社員全員退社のみなし変更
有限責任社員の退社で合資会社の社員が全員無限責任社員だけになったときは、合名会社への種類変更を定款で定めたのと同じ効果が生じる。
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正解 ○
正しい。合資会社は、有限責任社員が退社したことにより社員が無限責任社員のみとなった場合、合名会社となる定款の変更をしたものとみなされる。社員構成の変動によって自動的に種類の変更が発生する。本問は「合名会社への変更」を正確に把握しているかを問うものである。
学習ポイント:合資会社から有限社員が全員退社すれば合名会社へみなし変更。定款変更手続を要しない。
第639条1号
無限責任社員全員退社のみなし変更
無限責任社員がみな退社して合資会社に有限責任社員しか残らなくなった場合、その会社は合名会社へ種類変更したものとみなされる。
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正解 ×
誤り。合資会社の無限責任社員が退社して社員が有限責任社員のみとなった場合にみなされるのは、合同会社となる定款の変更であり、合名会社への変更ではない。責任軽い社員だけになれば合同会社化する。この問題は「合同会社への変更」の点を混同させる命題であり、正確な要件の理解が問われる。
学習ポイント:合資会社から無限社員が全員退社すれば合同会社へみなし変更。方向を取り違えない。
第639条2号
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成28年度 問69ア
合資会社において、有限責任社員全員の退社と同時に新たな有限責任社員が加入した場合には、合資会社の解散の登記及び合名会社の設立の登記をした後でなければ、新たな有限責任社員の加入による変更の登記の申請をすることはできない。
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誤り
誤り。有限責任社員全員の退社と同時に新たな有限責任社員が加入した場合は種類変更にあたらず(会社法639条非該当、昭42.9.29民甲2411号)、解散・設立の登記は不要で加入による変更登記を申請できる。
司法書士平成27年度 問67ウ
合資会社の無限責任社員が退社したことにより当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社については解散の登記を、当該合資会社から種類を変更した合同会社については設立の登記を、それぞれ申請しなければならない。
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正しい
正しい。無限責任社員の退社により有限責任社員のみとなった合資会社は合同会社となる定款変更をしたものとみなされ(会社法639条2項)、合資会社の解散の登記と合同会社の設立の登記を申請する(同919条)。
解説で第639条を参照している問
問題で確認する
第639条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。