第三章 国民の権利及び義務
日本国憲法 第39条
この条の要点
- 遡及処罰の禁止:行為時に適法なら後の立法で処罰不可。事後法による遡及処罰の禁止。
- 一事不再理の保障:無罪とされた行為は再び訴追できない。新証拠でも一事不再理が働く。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第39条
何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
この条文の〇×問題(2問)
遡及処罰の禁止
行為した時点の法律では適法であった行為について、後に制定された法律によって刑事上の責任を問うことは許されない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。実行の時に適法であった行為について刑事上の責任を問うことは禁じられ、遡及的な犯罪化は許されない。行為時の法律が基準となる事後法の禁止であり、罪刑法定主義の時間的側面を保障する規定である。遡及的な処罰を禁じる規定である。
学習ポイント:行為時に適法なら後の立法で処罰不可。事後法による遡及処罰の禁止。
第39条前段
一事不再理の保障
既に無罪とされた行為であっても、確定後に有罪を裏付ける新たな証拠が発見されれば、検察官は再び起訴して刑事責任を問うことができる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。既に無罪とされた行為については刑事上の責任を問われず、新たな証拠の発見を理由に同一の犯罪について再び起訴し処罰することは許されない。一事不再理の保障は既に無罪とされた行為にも及ぶ。一事不再理の保障が同一の犯罪に及ぶ。
学習ポイント:無罪とされた行為は再び訴追できない。新証拠でも一事不再理が働く。
第39条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和7年 問9イ
カルテル行為を行ったことによって独占禁止法* 違反被告事件において罰金刑が確定している者に対し、さらに独占禁止法の規定に基づき課徴金の納付を命ずることは、課徴金を課せられるべき違反者の行為を犯罪とし、それに対する刑罰として、これを課する趣旨でないことは明らかであるから、二重処罰の禁止には違反しない。
正誤と理由を見る
課徴金は刑罰を課す趣旨ではないため、罰金刑確定後の課徴金納付命令は二重処罰の禁止(憲法39条後段)に反しない。
行政書士令和7年 問9ウ
所得税の確定申告において虚偽記載を行い所得税を脱税したことにより、懲役刑(現在の拘禁刑)と罰金刑を併科された者に対して、さらに重加算税を科すことは、重加算税が申告納税を怠った者に対し、その行為の反社会性ないし反道徳性に着目し、これに対する制裁として科せられるものでもあるから、二重処罰の禁止に抵触する。
正誤と理由を見る
重加算税は制裁的側面を持つが刑罰ではないため、懲役・罰金刑との併科は二重処罰の禁止に抵触しないとされた(最判)。本記述は『抵触する』とする点で誤り。
行政書士令和4年 問5肢5
不正な方法で課税を免れた行為について、これを犯罪として刑罰を科すだけでなく、追徴税(加算税)を併科することは、刑罰と追徴税の目的の違いを考慮したとしても、実質的な二重処罰にあたり許されない。
正誤と理由を見る
妥当でない
刑罰と加算税の併科は目的が異なり二重処罰にはあたらない(判例は憲法39条違反を否定)。
解説で第39条を参照している問
問題で確認する
第39条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。