資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第三章 不利益処分/第二節 聴聞

行政手続法 第18条(文書等の閲覧)

分野:不利益処分/聴聞

出題試験:行政書士

この条の要点

  • 資料閲覧請求の期間:資料閲覧は通知時から終結時まで、期日中の追加請求も可。
  • 資料閲覧の拒否事由:閲覧は第三者利益・正当理由があれば拒否できる。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第18条(文書等の閲覧)

当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(以下この条及び第二十四条第三項において「当事者等」という。)は、聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。この場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。

②前項の規定は、当事者等が聴聞の期日における審理の進行に応じて必要となった資料の閲覧を更に求めることを妨げない。

③行政庁は、前二項の閲覧について日時及び場所を指定することができる。

条文の要点

聴聞での資料閲覧とは、当事者等が不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を行政庁に求められる権利です(18条1項)。

聴聞の通知があった時から終結する時まで閲覧を求めることができ、審理の進行に応じて追加の閲覧も妨げられません。第三者の利益を害するおそれ等の正当理由があれば行政庁は閲覧を拒めます。

聴聞での資料閲覧の範囲

対象は事案についてした調査の結果に係る調書その他の処分原因となる事実を証する資料に限られ、すべての文書に及びません。閲覧を求められる『当事者等』には、処分により自己の利益を害される参加人も含まれます。弁明の機会の付与ではこの閲覧の規定が準用されません。

項役割内容
1項前段効果当事者等は聴聞の通知から終結まで、調書等の資料の閲覧を求められる
1項後段例外第三者の利益を害するおそれ等の正当理由があれば行政庁は閲覧を拒める
2項効果期日の審理の進行に応じて必要となった資料の追加の閲覧を妨げない
3項手続行政庁は閲覧の日時と場所を指定できる

具体例

Aは行政庁Bから免許取消しの聴聞通知を受け、処分原因となる調査の調書の閲覧を求めました。第三者の利益を害するおそれ等の正当な拒否理由はありません。

Bは正当な拒否理由がないため、聴聞終結までのAの閲覧請求を拒めません。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、当該調書の閲覧が第三者の利益を害するおそれを生じさせる場合に変えます。

18条1項後段の拒否理由があるため、Bはその調書の閲覧を拒むことができます。

関連条との違い

  • 行政手続法 第31条:31条の弁明の機会の付与には18条の閲覧権の準用がなく、資料の閲覧を求められるのは聴聞に限られる
  • 行政手続法 第17条:17条の参加人は処分に利害関係を持つ者です。18条ではそのうち処分により自己の利益を害される参加人だけに資料閲覧権を認め、参加資格と閲覧資格は一致しません

過去問で誤りとされた肢の型

  • 行政書士令和7年 問11肢2

    弁明の機会の付与でも資料閲覧を求められるという誤り。閲覧の規定は聴聞に限られ弁明には準用されない

  • 行政書士令和2年 問12肢5

    聴聞・弁明のいずれでも処分原因のすべての文書を閲覧できるという誤り。対象資料には範囲の限定があり弁明には閲覧権がない

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年7月24日施行版

この条文の〇×問題(2問)

資料閲覧請求の期間

聴聞の通知があってから手続が終わるまでの間、当事者は不利益処分の原因となる事実を立証する資料について行政庁へ閲覧の請求を出せる。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。閲覧請求権の行使期間は聴聞の通知があった時から聴聞終結時までとされ、期日における審理の進行に応じて追加で必要となった資料の閲覧を更に求めることも妨げられない。行政庁は閲覧の日時・場所を指定できる。

学習ポイント:資料閲覧は通知時から終結時まで、期日中の追加請求も可。

第18条1項・2項・3項

資料閲覧の拒否事由

当事者等から不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求められた場合、行政庁は、いかなる事情があってもこれを拒むことができない。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときは、その閲覧を拒むことができる。閲覧請求権は制約のない絶対的な権利ではなく、第三者のプライバシー等の保護のための制限が設けられている。

学習ポイント:閲覧は第三者利益・正当理由があれば拒否できる。

第18条1項後段

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和7年 問11肢2

不利益処分の名宛人となるべき者として弁明の機会の付与の通知を受けた者は、行政庁に対し、弁明を記載した書面(弁明書)を提出する時までの間、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。

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妥当でない

弁明の機会の付与では、聴聞における資料の閲覧(行手18条)は準用されておらず(行手31条)、名宛人となるべき者が資料の閲覧を求める手続は定められていない。

行政書士令和5年 問12肢2

聴聞の当事者および参加人は、聴聞が終結するまでは、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。

正誤と理由を見る

正しい

聴聞終結まで、調査結果の調書等の閲覧を求めることができる(行手18条)。

行政書士令和2年 問12肢5

聴聞、弁明の機会の付与のいずれの場合についても、当事者は処分の原因に関するすべての文書を閲覧する権利を有する。

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誤り

閲覧権は処分原因のすべての文書に及ぶわけではなく範囲の制限があり、弁明の機会の付与には閲覧権の規定は準用されない(行手18条・31条)。誤り。

行政書士令和元年 問12オ

聴聞の通知があった時から聴聞が終結する時までの間、当事者*から行政庁に対し、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求められた場合、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときは、その閲覧を拒むことができる。

正誤と理由を見る

聴聞通知から終結までの資料閲覧請求に対し、第三者利益を害するおそれ等の正当理由があれば拒むことができる(行手18条)。正しい。

行政書士平成28年 問11肢1

不利益処分の名あて人となるべき者は、聴聞の通知を受けた場合、聴聞が終結する時までの間、行政庁に対し、当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。

正誤と理由を見る

規定されている

聴聞の名あて人は聴聞終結まで当該事実を証する資料の閲覧を求められる(行手18条)。規定あり。

問題で確認する

第18条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。