第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第三款 動産に対する強制執行
民事執行法 第139条(執行官による配当等の実施)
分野:強制執行/金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/動産に対する強制執行
この条の要点
- 弁済金交付と剰余金の処理:債権者1人または全額弁済可→執行官が弁済金交付、剰余は債務者へ。配当表は不要。
- 債権者間協議不調時の処理:協議不調→執行官は執行裁判所へ届出、配当は裁判所が実施。執行官に決定権なし。
条文原文
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第139条(執行官による配当等の実施)
債権者が一人である場合又は債権者が二人以上であつて売得金、差押金銭若しくは手形等の支払金(以下「売得金等」という。)で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる場合には、執行官は、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。
②前項に規定する場合を除き、売得金等の配当について債権者間に協議が調つたときは、執行官は、その協議に従い配当を実施する。
③前項の協議が調わないときは、執行官は、その事情を執行裁判所に届け出なければならない。
④第八十四条第三項及び第四項並びに第八十八条の規定は、第一項又は第二項の規定により配当等を実施する場合について準用する。
この条文の〇×問題(2問)
弁済金交付と剰余金の処理
動産執行において債権者が一人である場合、または売得金等で全債権者の債権と執行費用を全額弁済できる場合、執行官は債権者に弁済金を交付し、剰余があればそれを債務者に交付する。
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正解 ○
正しい。債権者が一人の場合や全額弁済が可能な場合は配当を要せず、執行官は債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。債務者の財産の換価代金の残余は債務者に戻る原則が貫かれている。剰余は国家ではなく債務者へ帰属する点が原則である。
学習ポイント:債権者1人または全額弁済可→執行官が弁済金交付、剰余は債務者へ。配当表は不要。
第139条1項、対比:第84条2項
債権者間協議不調時の処理
動産執行において売得金等の配当について債権者間の協議が調わなかった場合、執行官は出頭した債権者の意見を聴取した上で、自らの判断で配当の順位と額を定めて配当を実施しなければならない。
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正解 ×
誤り。協議が調わないときは、執行官はその事情を執行裁判所に届け出なければならず、その後は執行裁判所が配当等の手続を実施する。執行官に配当案の決定権限はない。権限主体を執行官とすり替える誤りである。届出により管轄が執行裁判所へ移る構造である。
学習ポイント:協議不調→執行官は執行裁判所へ届出、配当は裁判所が実施。執行官に決定権なし。
第139条3項、関連:第142条
根拠・関連条文
問題で確認する
第139条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。