第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第四款 債権及びその他の財産権に対する強制執行/第一目 債権執行等
民事執行法 第153条(差押禁止債権の範囲の変更)
この条の要点
- 差押命令の裁量取消し:差押命令は債務者の申立てで生活状況等を考慮した取消しが可能(裁判所の裁量)。
- 取消し申立ての却下に対する救済:取消し申立ての却下決定には執行抗告可。第三債務者への給付禁止命令には不服申立て不可。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第153条(差押禁止債権の範囲の変更)
執行裁判所は、申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部若しくは一部を取り消し、又は前条の規定により差し押さえてはならない債権の部分について差押命令を発することができる。
②事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定により差押命令が取り消された債権を差し押さえ、又は同項の規定による差押命令の全部若しくは一部を取り消すことができる。
③前二項の申立てがあつたときは、執行裁判所は、その裁判が効力を生ずるまでの間、担保を立てさせ、又は立てさせないで、第三債務者に対し、支払その他の給付の禁止を命ずることができる。
④第一項又は第二項の規定による差押命令の取消しの申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
⑤第三項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
この条文の〇×問題(2問)
差押命令の裁量取消し
債務者は、申立てにより、自己と債権者の生活の状況その他の事情の考慮を求めて、発せられた差押命令の全部または一部の取消しを執行裁判所に求めることができる。
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正解 ○
正しい。執行裁判所は申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部・一部を取り消し、または差押禁止部分について差押命令を発することができる。差押命令の効力を裁量で緩和する仕組みが用意されている。
学習ポイント:差押命令は債務者の申立てで生活状況等を考慮した取消しが可能(裁判所の裁量)。
第153条1項、対比:第132条1項
取消し申立ての却下に対する救済
差押命令の取消しの申立てを却下する決定に対しては、債務者は執行異議の申立ても執行抗告もすることができず、当該決定に争う手段が残されていない。
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正解 ×
誤り。差押命令の取消しの申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる(153条4項)。不服を申し立てることができないのは、取消しの申立てがあった場合に、その裁判が効力を生ずるまでの間、第三債務者に対し支払その他の給付の禁止を命ずる決定である(同条3項・5項)。これは手続の執行停止ではなく給付禁止の命令である。
学習ポイント:取消し申立ての却下決定には執行抗告可。第三債務者への給付禁止命令には不服申立て不可。
第153条3項〜5項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和7年度 問42オ
執行裁判所は、債務者の申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部又は一部を取り消すことができる。
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正しい
正しい。執行裁判所は債務者の申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して差押命令の全部又は一部を取り消すことができる(153条1項——いわゆる差押取消し・執行停止の類型)。
司法書士平成28年度 問42エ
執行裁判所は、債務者の申立てにより、債務者及び債権者の生活の状況その他の事情を考慮して、差押命令の全部又は一部を取り消すことができる。
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正しい
正しい。執行裁判所は、債務者の申立てにより、債務者及び債権者の生活状況等を考慮して差押命令の全部又は一部を取り消すことができる(民執153条)。
解説で第153条を参照している問
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第153条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。