第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第四款 債権及びその他の財産権に対する強制執行/第二目 少額訴訟債権執行
民事執行法 第167条の10(転付命令等のための移行)
この条の要点
- 転付命令等を求めるための移行手続:転付・譲渡等を求めるには地裁の債権執行への移行申立てが必要。書記官では発できない。
- 移行決定後のみなし効果:移行後は既済処分が債権執行の行為とみなされる。手続はやり直しでなく承継。
条文原文
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第167条の10(転付命令等のための移行)
差押えに係る金銭債権について転付命令、譲渡命令等又は供託命令(以下この条において「転付命令等」という。)のいずれかの命令を求めようとするときは、差押債権者は、執行裁判所に対し、転付命令等のうちいずれの命令を求めるかを明らかにして、債権執行の手続に事件を移行させることを求める旨の申立てをしなければならない。
②前項に規定する命令の種別を明らかにしてされた同項の申立てがあつたときは、執行裁判所は、その所在地を管轄する地方裁判所における債権執行の手続に事件を移行させなければならない。
③前項の規定による決定が効力を生ずる前に、既にされた執行処分について執行異議の申立て又は執行抗告があつたときは、当該決定は、当該執行異議の申立て又は執行抗告についての裁判が確定するまでは、その効力を生じない。
④第二項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
⑤第一項の申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。
⑥第二項の規定による決定が効力を生じたときは、差押処分の申立て又は第一項の申立てがあつた時に第二項に規定する地方裁判所にそれぞれ差押命令の申立て又は転付命令等の申立てがあつたものとみなし、既にされた執行処分その他の行為は債権執行の手続においてされた執行処分その他の行為とみなす。
この条文の〇×問題(2問)
転付命令等を求めるための移行手続
少額訴訟債権執行で差し押さえた金銭債権について転付命令を求める債権者は、事件を担当する簡易裁判所の裁判所書記官に対し、直接転付命令の申立てをすることができる。
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正解 ×
誤り。転付命令・譲渡命令等・供託命令を求めるには、差押債権者は執行裁判所に対し、求める命令の種別を明らかにして債権執行の手続に事件を移行させる旨の申立てをしなければならない。書記官の少額債権執行ではこれらの命令を発せず、地裁の債権執行への移行が必要である。
学習ポイント:転付・譲渡等を求めるには地裁の債権執行への移行申立てが必要。書記官では発できない。
第167条の10第1項・2項
移行決定後のみなし効果
少額訴訟債権執行の事件が地方裁判所の債権執行に移行したときは、既にされた差押処分等の執行処分は債権執行の手続でした処分とみなされ、手続が引き継がれる。
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正解 ○
正しい。移行の決定が効力を生じたときは、差押処分の申立て等は地方裁判所に対する差押命令の申立て等があったものとみなされ、既にされた執行処分その他の行為も債権執行の手続でされたものとみなされる。手続はやり直しではなく連続的に継承される。
学習ポイント:移行後は既済処分が債権執行の行為とみなされる。手続はやり直しでなく承継。
第167条の10第6項
根拠・関連条文
問題で確認する
第167条の10の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。