資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二章 強制執行/第三節 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行

民事執行法 第172条(間接強制)

分野:強制執行/金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行

出題試験:司法書士

この条の要点

  • 間接強制の適用対象:代替不能な作為・不作為債務は間接強制。代替可能な債務も申立てにより間接強制を選べる。
  • 間接強制の金銭支払命令の方式:間接強制の金額は裁判所が「相当と認める額」を裁量で定める。法定額ではない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第172条(間接強制)

作為又は不作為を目的とする債務で前条第一項の強制執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭を債権者に支払うべき旨を命ずる方法により行う。

②事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定による決定を変更することができる。

③執行裁判所は、前二項の規定による決定をする場合には、申立ての相手方を審尋しなければならない。

④第一項の規定により命じられた金銭の支払があつた場合において、債務不履行により生じた損害の額が支払額を超えるときは、債権者は、その超える額について損害賠償の請求をすることを妨げられない。

⑤第一項の強制執行の申立て又は第二項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

⑥前条第二項の規定は、第一項の執行裁判所について準用する。

この条文の〇×問題(2問)

間接強制の適用対象

代替執行をすることができない作為又は不作為を目的とする債務については、債務の性質上強制執行が許されるものであっても、間接強制の方法による強制執行をすることはできない。

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正解 ×

誤り。代替執行(171条1項)ができない作為又は不作為を目的とする債務についての強制執行は、執行裁判所が債務者に対し一定の額の金銭の支払を命ずる間接強制の方法により行う(172条1項)。また、間接強制は代替不能な債務に限られず、代替執行が可能な債務等についても債権者の申立てにより間接強制を選ぶことができる(173条1項)。

学習ポイント:代替不能な作為・不作為債務は間接強制。代替可能な債務も申立てにより間接強制を選べる。

第172条1項、関連:第171条1項・第173条

間接強制の金銭支払命令の方式

間接強制の決定において執行裁判所が命ずる金銭支払の額は、遅延の期間に応じた法定の日額で機械的に算定されるのではなく、執行裁判所が事情に応じて相当と認める額として定められる。

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正解 ○

正しい。間接強制の決定は、債務者の履行遅延に応じて相当と認める一定の金銭支払、または一定期間内に履行しないときに相当額の金銭支払を命ずるもので、金額は裁判所が相当と認める額(裁量的算定)である。法定日額の機械的算定ではない。

学習ポイント:間接強制の金額は裁判所が「相当と認める額」を裁量で定める。法定額ではない。

第172条1項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和3年度 問42エ

不作為を目的とする債務で代替執行ができないものについては、間接強制の方法により、強制執行を行うことができる。

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正しい

正しい。作為又は不作為を目的とする債務で代替執行ができないものについては、執行裁判所が債務の履行を確保するための一定額の金銭の支払を命ずる間接強制の方法により強制執行を行う(民執172条1項)。

司法書士平成29年度 問42イ

事情の変更があったときは、執行裁判所は、申立てにより、間接強制決定を変更することができる。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。事情の変更があったときは、執行裁判所は申立てにより間接強制決定を変更することができる(民執172条2項)。

司法書士平成29年度 問42ウ

執行裁判所は、相当と認めるときは、申立ての相手方を審尋しないで、間接強制決定をすることができる。

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誤り

誤り。執行裁判所は間接強制決定をする場合、申立ての相手方を審尋しなければならない(民執172条3項)。

司法書士平成29年度 問42エ

間接強制決定に対しては、執行抗告をすることができる。

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正しい

正しい。間接強制の申立てについての決定に対しては執行抗告をすることができる(民執172条5項)。

問題で確認する

第172条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。