第二章 強制執行/第三節 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
民事執行法 第171条(代替執行)
分野:強制執行/金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
この条の要点
- 代替執行の対象となる債務の範囲:代替執行は作為義務だけでなく、違反結果を除去できる不作為義務にも適用可。
- 代替執行の決定手続:代替執行の決定には債務者の審尋が必須。無審尋では発せられない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第171条(代替執行)
次の各号に掲げる強制執行は、執行裁判所がそれぞれ当該各号に定める旨を命ずる方法により行う。
一 作為を目的とする債務についての強制執行債務者の費用で第三者に当該作為をさせること。
二 不作為を目的とする債務についての強制執行債務者の費用で、債務者がした行為の結果を除去し、又は将来のため適当な処分をすべきこと。
②前項の執行裁判所は、第三十三条第二項第一号又は第六号に掲げる債務名義の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める裁判所とする。
③執行裁判所は、第一項の規定による決定をする場合には、債務者を審尋しなければならない。
④執行裁判所は、第一項の規定による決定をする場合には、申立てにより、債務者に対し、その決定に掲げる行為をするために必要な費用をあらかじめ債権者に支払うべき旨を命ずることができる。
⑤第一項の強制執行の申立て又は前項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
⑥第六条第二項の規定は、第一項の規定による決定を執行する場合について準用する。
この条文の〇×問題(2問)
代替執行の対象となる債務の範囲
債務者に不作為を義務付ける債務名義の強制執行は、債務者が不作為義務に違反して現に行為をしている場合でも、代替執行の方法によっては行うことができない。
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正解 ×
誤り。代替執行は、債務者がすべきことを第三者にさせるまたは債務者の行ったものを取り除くなど、作為債務だけでなく不作為債務(物の除去等で現状回復できるもの)にも適用される。不作為義務違反の結果を債務者の費用で第三者に除去させる形態も代替執行の射程内である。
学習ポイント:代替執行は作為義務だけでなく、違反結果を除去できる不作為義務にも適用可。
第171条1項
代替執行の決定手続
代替執行の決定をするにあたっては、債権者の申立てだけでなく、執行裁判所による債務者の審尋が必要とされ、無審尋のまま決定を発することは許されない。
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正解 ○
正しい。執行裁判所が代替執行の決定をする場合には債務者を審尋しなければならない。債務者の費用で第三者に義務を履行させる重大な処分であるため、債務者の弁明を聞く審尋が必須とされている。無審尋では発せられない。
学習ポイント:代替執行の決定には債務者の審尋が必須。無審尋では発せられない。
第171条3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成29年度 問42オ
不作為を目的とする債務についての強制執行は、代替執行の方法によることができる場合には、間接強制の方法によることはできない。
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誤り
誤り。不作為を目的とする債務についての強制執行は、代替執行によるほか、債権者の申立てがあるときは間接強制によってもすることができる(民事執行法173条1項・171条1項2号。出題当時の171条1項は民法414条2項・3項の請求を引用していた)。
解説で第171条を参照している問
問題で確認する
第171条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。