資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二章 強制執行/第三節 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行

民事執行法 第177条(意思表示の擬制)

分野:強制執行/金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行

出題試験:司法書士

この条の要点

  • 意思表示を命ずる判決の効力発生:意思表示みなしは判決確定時・和解成立時に生じる。執行申立ては不要。
  • 証明を要する事実に係る意思表示のみなし時点:証明事実到来を条件とする意思表示のみなし時点は執行文付与時(確定時ではない)。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第177条(意思表示の擬制)

意思表示をすべきことを債務者に命ずる判決その他の裁判が確定し、又は和解、認諾、調停若しくは労働審判に係る債務名義が成立したときは、債務者は、その確定又は成立の時に意思表示をしたものとみなす。ただし、債務者の意思表示が、債権者の証明すべき事実の到来に係るときは第二十七条第一項の規定により執行文が付与された時に、反対給付との引換え又は債務の履行その他の債務者の証明すべき事実のないことに係るときは次項又は第三項の規定により執行文が付与された時に意思表示をしたものとみなす。

②債務者の意思表示が反対給付との引換えに係る場合においては、執行文は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証する文書を提出したときに限り、付与することができる。

③債務者の意思表示が債務者の証明すべき事実のないことに係る場合において、執行文の付与の申立てがあつたときは、裁判所書記官は、債務者に対し一定の期間を定めてその事実を証明する文書を提出すべき旨を催告し、債務者がその期間内にその文書を提出しないときに限り、執行文を付与することができる。

この条文の〇×問題(2問)

意思表示を命ずる判決の効力発生

債務者に一定の意思表示を命ずる確定判決があったときは、その意思表示は確定判決に基づく強制執行の申立てがあった時にあったものとみなされる。

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正解 ×

誤り。一定の意思表示を命ずる確定判決(や和解等)があったときは、その意思表示は判決の確定時(または和解等の成立時)にあったものとみなされる。判決確定と同時に自動的にみなされるのであって、強制執行の申立てを要しない。

学習ポイント:意思表示みなしは判決確定時・和解成立時に生じる。執行申立ては不要。

第177条1項前段

証明を要する事実に係る意思表示のみなし時点

一定の事実の証明に基づく意思表示を命ずる判決(例:賃料増減の確定を条件に意思表示を命ずるもの)の場合、その意思表示があったものとみなされるのは、判決確定時ではなく執行文付与時である。

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正解 ○

正しい。判決が定めた意思表示が債権者の証明すべき事実の到来に係るときは、その意思表示は判決確定時ではなく執行文の付与の時にあったものとみなされる。執行文が発せられないと効果が発生しない特殊なタイミングである。

学習ポイント:証明事実到来を条件とする意思表示のみなし時点は執行文付与時(確定時ではない)。

第177条1項後段・第27条1項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士平成31年度 問49イ

AとBとの間で甲土地の売買契約が締結されたが、AがBに対する所有権の移転の登記手続に協力せず、また、A及びBが農地法所定の許可を得ていない場合において、農地法所定の許可を条件にAからBへの所有権の移転の登記を命ずる判決が確定し、当該条件が成就したときは、Bは、当該条件の成就に係る執行文の付与を受けた当該確定判決の判決書の正本を登記原因証明情報として提供して、単独で所有権の移転の登記の申請をすることができる。

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正しい

正しい。農地法許可を条件とする登記手続請求の確定判決で条件が成就した場合、執行文付与の時にAの意思表示があったものとみなされ(民執177条1項)、Bは執行文付き判決書正本を登記原因証明情報として単独で申請できる。

解説で第177条を参照している問

問題で確認する

第177条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。