第二章 強制執行/第一節 総則
民事執行法 第23条(強制執行をすることができる者の範囲)
この条の要点
- 執行力の人的範囲:判決の執行力は口頭弁論終結後の承継人に及ぶ。
- 承継の基準時:執行力が及ぶ承継人は口頭弁論終結後の承継のみ。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第23条(強制執行をすることができる者の範囲)
執行証書以外の債務名義による強制執行は、次に掲げる者に対し、又はその者のためにすることができる。
一 債務名義に表示された当事者
二 債務名義に表示された当事者が他人のために当事者となつた場合のその他人
三 前二号に掲げる者の債務名義成立後の承継人(前条第一号、第二号又は第六号に掲げる債務名義にあつては口頭弁論終結後の承継人、同条第三号の二に掲げる債務名義又は同条第七号に掲げる債務名義のうち損害賠償命令に係るものにあつては審理終結後の承継人)
②執行証書による強制執行は、執行証書に表示された当事者又は執行証書作成後のその承継人に対し、若しくはこれらの者のためにすることができる。
③第一項に規定する債務名義による強制執行は、同項各号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者に対しても、することができる。
この条文の〇×問題(2問)
執行力の人的範囲
確定判決に表示された当事者が口頭弁論の終結後に死亡して相続人が権利を承継した場合、その相続人に対してもまたその者のためにも当該判決に基づく強制執行ができる。
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正解 ○
正しい。判決等に係る執行力は当事者が他人のために当事者となった場合のその他人にも及び、承継人については口頭弁論終結後の承継人に限られる。承継の基準時が終結時である点がひっかけ。他人のために当事者となった者のその他人にも執行力は及ぶ点まで含めて確認しておく。
学習ポイント:判決の執行力は口頭弁論終結後の承継人に及ぶ。
第23条1項
承継の基準時
確定判決に表示された当事者が口頭弁論の終結前に債権を譲渡した場合でも、その譲受人である承継人は債務者に対して当該判決により強制執行をすることができる。
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正解 ×
誤り。確定判決による強制執行は、債務名義に表示された当事者のほか、口頭弁論終結後の承継人に対し、又はその者のためにすることができる(23条1項3号)。口頭弁論の終結前に債権を譲り受けた者には判決の執行力が及ばない。その者が強制執行をするには、自ら債務者に対して給付訴訟を提起するなどして、固有の債務名義を得る必要がある。
学習ポイント:執行力が及ぶ承継人は口頭弁論終結後の承継のみ。
第23条1項3号
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和4年度 問42エ
土地の所有者Aが、その土地上に建物を所有して土地を占有しているBに対して建物収去土地明渡請求訴訟を提起し、その全部認容判決が確定した場合において、その事実審の口頭弁論終結後にAがCに対してその土地を譲渡したときは、Cは、承継執行文の付与を受けることにより、その確定判決を債務名義として強制執行を申し立てることができる。
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正しい
正しい。口頭弁論終結後の債権者の承継人Cは、23条1項3号の者として、承継執行文の付与を受けて確定判決を債務名義として執行を申し立てられる(27条2項)。
解説で第23条を参照している問
問題で確認する
第23条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。