第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第一款 不動産に対する強制執行/第一目 通則
民事執行法 第44条(執行裁判所)
分野:強制執行/金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/不動産に対する強制執行
この条の要点
- 不動産執行の管轄:実不動産は所在地、みなし不動産は登記すべき地の地裁が管轄。
- 管轄の併合:跨がる建物は土地所在地の各地裁が管轄。住所地は無関係。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第44条(執行裁判所)
不動産執行については、その所在地(前条第二項の規定により不動産とみなされるものにあつては、その登記をすべき地)を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
②建物が数個の地方裁判所の管轄区域にまたがつて存在する場合には、その建物に対する強制執行については建物の存する土地の所在地を管轄する各地方裁判所が、その土地に対する強制執行については土地の所在地を管轄する地方裁判所又は建物に対する強制執行の申立てを受けた地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
③前項の場合において、執行裁判所は、必要があると認めるときは、事件を他の管轄裁判所に移送することができる。
④前項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
この条文の〇×問題(2問)
不動産執行の管轄
不動産執行は原則としてその不動産の所在地を管轄する地方裁判所が執行裁判所として管轄するが、みなし不動産についてはその登記をすべき地を基準とする。
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正解 ○
正しい。実不動産は所在地、共有持分・地上権・永小作権のようなみなし不動産は登記すべき地を管轄する地方裁判所が執行裁判所となる。基準の二層構造が論点である。みなし不動産は登記すべき地を基準とする二層の管轄基準を整理しておく。
学習ポイント:実不動産は所在地、みなし不動産は登記すべき地の地裁が管轄。
第44条1項、関連:第43条2項
管轄の併合
建物が数個の地方裁判所の管轄区域にまたがつて存在する場合、その建物に対する強制執行は、債務者の住所地を管轄する地方裁判所が専属管轄する。
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正解 ×
誤り。数管轄区域にまたがる建物の強制執行は、その建物の存する土地の所在地を管轄する各地方裁判所が管轄する。債務者の住所地は基準にならず、土地所在地の複数管轄が正しい基準である。管轄は建物の存する土地の所在地の各地裁に分散する設計である。
学習ポイント:跨がる建物は土地所在地の各地裁が管轄。住所地は無関係。
第44条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問42ア
不動産に対する強制執行については、その所在地を管轄する地方裁判所のほか、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
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誤り
誤り。不動産に対する強制執行は、その所在地を管轄する地方裁判所が執行裁判所として管轄する(民執44条1項)。債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地裁が管轄するのは債権執行の原則である(同144条1項)。
解説で第44条を参照している問
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第44条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。