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民事執行法 強制執行/金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/不動産に対する強制執行

第43条〜第111条(枝番を含む)

民事執行法の強制執行/金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/不動産に対する強制執行分野(第43条〜第111条(枝番を含む))をまとめて学べるページです。条文穴埋め73問と判例0件を収録しています。

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強制執行/金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/不動産に対する強制執行の解説

第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第一款 不動産に対する強制執行

第二章 強制執行 / 第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行 / 第一款 不動産に対する強制執行 / 第一目 通則

第43条(不動産執行の方法)

不動産(登記することができない土地の定着物を除く。以下この節において同じ。)に対する強制執行(以下「不動産執行」という。)は、強制競売又は強制管理の方法により行う。これらの方法は、併用することができる。

第2項金銭の支払を目的とする債権についての強制執行については、不動産の共有持分、登記された地上権及び永小作権並びにこれらの権利の共有持分は、不動産とみなす。

第44条(執行裁判所)

不動産執行については、その所在地(前条第二項の規定により不動産とみなされるものにあつては、その登記をすべき地)を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。

第2項建物が数個の地方裁判所の管轄区域にまたがつて存在する場合には、その建物に対する強制執行については建物の存する土地の所在地を管轄する各地方裁判所が、その土地に対する強制執行については土地の所在地を管轄する地方裁判所又は建物に対する強制執行の申立てを受けた地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。

第3項前項の場合において、執行裁判所は、必要があると認めるときは、事件を他の管轄裁判所に移送することができる。

第4項前項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。

第二章 強制執行 / 第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行 / 第一款 不動産に対する強制執行 / 第二目 強制競売

第45条(開始決定等)

執行裁判所は、強制競売の手続を開始するには、強制競売の開始決定をし、その開始決定において、債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言しなければならない。

第2項前項の開始決定は、債務者に送達しなければならない。

第3項強制競売の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

第46条(差押えの効力)

差押えの効力は、強制競売の開始決定が債務者に送達された時に生ずる。ただし、差押えの登記がその開始決定の送達前にされたときは、登記がされた時に生ずる。

第2項差押えは、債務者が通常の用法に従つて不動産を使用し、又は収益することを妨げない。

第47条(二重開始決定)

強制競売又は担保権の実行としての競売(以下この節において「競売」という。)の開始決定がされた不動産について強制競売の申立てがあつたときは、執行裁判所は、更に強制競売の開始決定をするものとする。

第2項先の開始決定に係る強制競売若しくは競売の申立てが取り下げられたとき、又は先の開始決定に係る強制競売若しくは競売の手続が取り消されたときは、執行裁判所は、後の強制競売の開始決定に基づいて手続を続行しなければならない。

第3項前項の場合において、後の強制競売の開始決定が配当要求の終期後の申立てに係るものであるときは、裁判所書記官は、新たに配当要求の終期を定めなければならない。この場合において、既に第五十条第一項(第百八十八条において準用する場合を含む。)の届出をした者に対しては、第四十九条第二項の規定による催告は、要しない。

第4項前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

第5項第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

第6項先の開始決定に係る強制競売又は競売の手続が停止されたときは、執行裁判所は、申立てにより、後の強制競売の開始決定(配当要求の終期までにされた申立てに係るものに限る。)に基づいて手続を続行する旨の裁判をすることができる。ただし、先の開始決定に係る強制競売又は競売の手続が取り消されたとすれば、第六十二条第一項第二号に掲げる事項について変更が生ずるときは、この限りでない。

第7項前項の申立てを却下する決定に対しては、執行抗告をすることができる。

第48条(差押えの登記の嘱託等)

強制競売の開始決定がされたときは、裁判所書記官は、直ちに、その開始決定に係る差押えの登記を嘱託しなければならない。

第2項登記官は、前項の規定による嘱託に基づいて差押えの登記をしたときは、その登記事項証明書を執行裁判所に送付しなければならない。

第49条(開始決定及び配当要求の終期の公告等)

強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。

第2項裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。

一 第八十七条第一項第三号に掲げる債権者

二 第八十七条第一項第四号に掲げる債権者(抵当証券の所持人にあつては、知れている所持人に限る。)

三 租税その他の公課を所管する官庁又は公署

第3項裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。

第4項裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。

第5項第一項又は第三項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

第6項第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

第50条(催告を受けた者の債権の届出義務)

前条第二項の規定による催告を受けた同項第一号又は第二号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に係る事項について届出をしなければならない。

第2項前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更があつたときは、その旨の届出をしなければならない。

第3項前二項の規定により届出をすべき者は、故意又は過失により、その届出をしなかつたとき、又は不実の届出をしたときは、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。

第51条(配当要求)

第二十五条の規定により強制執行を実施することができる債務名義の正本(以下「執行力のある債務名義の正本」という。)を有する債権者、強制競売の開始決定に係る差押えの登記後に登記された仮差押債権者及び第百八十一条第一項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。

第2項配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

第52条(配当要求の終期の変更)

配当要求の終期から、三月以内に売却許可決定がされないとき、又は三月以内にされた売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたときは、配当要求の終期は、その終期から三月を経過した日に変更されたものとみなす。ただし、配当要求の終期から三月以内にされた売却許可決定が効力を失つた場合において、第六十七条の規定による次順位買受けの申出について売却許可決定がされたとき(その決定が取り消され、又は効力を失つたときを除く。)は、この限りでない。

第53条(不動産の滅失等による強制競売の手続の取消し)

不動産の滅失その他売却による不動産の移転を妨げる事情が明らかとなつたときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消さなければならない。

第54条(差押えの登記の抹消の嘱託)

強制競売の申立てが取り下げられたとき、又は強制競売の手続を取り消す決定が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その開始決定に係る差押えの登記の抹消を嘱託しなければならない。

第2項前項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、その取下げ又は取消決定に係る差押債権者の負担とする。

第55条(売却のための保全処分等)

執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が価格減少行為(不動産の価格を減少させ、又は減少させるおそれがある行為をいう。以下この項において同じ。)をするときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、次に掲げる保全処分又は公示保全処分(執行官に、当該保全処分の内容を、不動産の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法により公示させることを内容とする保全処分をいう。以下同じ。)を命ずることができる。ただし、当該価格減少行為による不動産の価格の減少又はそのおそれの程度が軽微であるときは、この限りでない。

一 当該価格減少行為をする者に対し、当該価格減少行為を禁止し、又は一定の行為をすることを命ずる保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)

二 次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)

イ 当該価格減少行為をする者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずること。

ロ 執行官に不動産の保管をさせること。

三 次に掲げる事項を内容とする保全処分及び公示保全処分

イ 前号イ及びロに掲げる事項

ロ 前号イに規定する者に対し、不動産の占有の移転を禁止することを命じ、及び当該不動産の使用を許すこと。

第2項前項第二号又は第三号に掲げる保全処分は、次に掲げる場合のいずれかに該当するときでなければ、命ずることができない。

一 前項の債務者が不動産を占有する場合

二 前項の不動産の占有者の占有の権原が差押債権者、仮差押債権者又は第五十九条第一項の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができない場合

第3項執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合において、必要があると認めるときは、その者を審尋しなければならない。

第4項執行裁判所が第一項の規定による決定をするときは、申立人に担保を立てさせることができる。ただし、同項第二号に掲げる保全処分については、申立人に担保を立てさせなければ、同項の規定による決定をしてはならない。

第5項事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、第一項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。

第6項第一項又は前項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

第7項第五項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。

第8項第一項第二号又は第三号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずる決定は、申立人に告知された日から二週間を経過したときは、執行してはならない。

第9項前項に規定する決定は、相手方に送達される前であつても、執行することができる。

第10項第一項の申立て又は同項(第一号を除く。)の規定による決定の執行に要した費用(不動産の保管のために要した費用を含む。)は、その不動産に対する強制競売の手続においては、共益費用とする。

第55条の2(相手方を特定しないで発する売却のための保全処分等)

前条第一項第二号又は第三号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずる決定については、当該決定の執行前に相手方を特定することを困難とする特別の事情があるときは、執行裁判所は、相手方を特定しないで、これを発することができる。

第2項前項の規定による決定の執行は、不動産の占有を解く際にその占有者を特定することができない場合は、することができない。

第3項第一項の規定による決定の執行がされたときは、当該執行によつて不動産の占有を解かれた者が、当該決定の相手方となる。

第4項第一項の規定による決定は、前条第八項の期間内にその執行がされなかつたときは、相手方に対して送達することを要しない。この場合において、第十五条第二項において準用する民事訴訟法第七十九条第一項の規定による担保の取消しの決定で前条第四項の規定により立てさせた担保に係るものは、執行裁判所が相当と認める方法で申立人に告知することによつて、その効力を生ずる。

第56条(地代等の代払の許可)

建物に対し強制競売の開始決定がされた場合において、その建物の所有を目的とする地上権又は賃借権について債務者が地代又は借賃を支払わないときは、執行裁判所は、申立てにより、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)がその不払の地代又は借賃を債務者に代わつて弁済することを許可することができる。

第2項第五十五条第十項の規定は、前項の申立てに要した費用及び同項の許可を得て支払つた地代又は借賃について準用する。

第57条(現況調査)

執行裁判所は、執行官に対し、不動産の形状、占有関係その他の現況について調査を命じなければならない。

第2項執行官は、前項の調査をするに際し、不動産に立ち入り、又は債務者若しくはその不動産を占有する第三者に対し、質問をし、若しくは文書の提示を求めることができる。

第3項執行官は、前項の規定により不動産に立ち入る場合において、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすることができる。

第4項執行官は、第一項の調査のため必要がある場合には、市町村(特別区の存する区域にあつては、都)に対し、不動産(不動産が土地である場合にはその上にある建物を、不動産が建物である場合にはその敷地を含む。)に対して課される固定資産税に関して保有する図面その他の資料の写しの交付を請求することができる。

第5項執行官は、前項に規定する場合には、電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付を行う公益事業を営む法人に対し、必要な事項の報告を求めることができる。

第58条(評価)

執行裁判所は、評価人を選任し、不動産の評価を命じなければならない。

第2項評価人は、近傍同種の不動産の取引価格、不動産から生ずべき収益、不動産の原価その他の不動産の価格形成上の事情を適切に勘案して、遅滞なく、評価をしなければならない。この場合において、評価人は、強制競売の手続において不動産の売却を実施するための評価であることを考慮しなければならない。

第3項評価人は、第六条第二項の規定により執行官に対し援助を求めるには、執行裁判所の許可を受けなければならない。

第4項第十八条第二項並びに前条第二項、第四項及び第五項の規定は、評価人が評価をする場合について準用する。

第59条(売却に伴う権利の消滅等)

不動産の上に存する先取特権、使用及び収益をしない旨の定めのある質権並びに抵当権は、売却により消滅する。

第2項前項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない不動産に係る権利の取得は、売却によりその効力を失う。

第3項不動産に係る差押え、仮差押えの執行及び第一項の規定により消滅する権利を有する者、差押債権者又は仮差押債権者に対抗することができない仮処分の執行は、売却によりその効力を失う。

第4項不動産の上に存する留置権並びに使用及び収益をしない旨の定めのない質権で第二項の規定の適用がないものについては、買受人は、これらによつて担保される債権を弁済する責めに任ずる。

第5項利害関係を有する者が次条第一項に規定する売却基準価額が定められる時までに第一項、第二項又は前項の規定と異なる合意をした旨の届出をしたときは、売却による不動産の上の権利の変動は、その合意に従う。

第60条(売却基準価額の決定等)

執行裁判所は、評価人の評価に基づいて、不動産の売却の額の基準となるべき価額(以下「売却基準価額」という。)を定めなければならない。

第2項執行裁判所は、必要があると認めるときは、売却基準価額を変更することができる。

第3項買受けの申出の額は、売却基準価額からその十分の二に相当する額を控除した価額(以下「買受可能価額」という。)以上でなければならない。

第61条(一括売却)

執行裁判所は、相互の利用上不動産を他の不動産(差押債権者又は債務者を異にするものを含む。)と一括して同一の買受人に買い受けさせることが相当であると認めるときは、これらの不動産を一括して売却することを定めることができる。ただし、一個の申立てにより強制競売の開始決定がされた数個の不動産のうち、あるものの買受可能価額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがある場合には、債務者の同意があるときに限る。

第62条(物件明細書)

裁判所書記官は、次に掲げる事項を記載した物件明細書を作成しなければならない。

一 不動産の表示

二 不動産に係る権利の取得及び仮処分の執行で売却によりその効力を失わないもの

三 売却により設定されたものとみなされる地上権の概要

第2項裁判所書記官は、前項の物件明細書の写しを執行裁判所に備え置いて一般の閲覧に供し、又は不特定多数の者が当該物件明細書の内容の提供を受けることができるものとして最高裁判所規則で定める措置を講じなければならない。

第3項前二項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

第4項第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

第63条(剰余を生ずる見込みのない場合等の措置)

執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者(最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第四十七条第六項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その裁判を受けた差押債権者をいう。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。

一 差押債権者の債権に優先する債権(以下この条において「優先債権」という。)がない場合において、不動産の買受可能価額が執行費用のうち共益費用であるもの(以下「手続費用」という。)の見込額を超えないとき。

二 優先債権がある場合において、不動産の買受可能価額が手続費用及び優先債権の見込額の合計額に満たないとき。

第2項差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から一週間以内に、優先債権がない場合にあつては手続費用の見込額を超える額、優先債権がある場合にあつては手続費用及び優先債権の見込額の合計額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申出及び保証の提供をしないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。ただし、差押債権者が、その期間内に、前項各号のいずれにも該当しないことを証明したとき、又は同項第二号に該当する場合であつて不動産の買受可能価額が手続費用の見込額を超える場合において、不動産の売却について優先債権を有する者(買受可能価額で自己の優先債権の全部の弁済を受けることができる見込みがある者を除く。)の同意を得たことを証明したときは、この限りでない。

一 差押債権者が不動産の買受人になることができる場合申出額に達する買受けの申出がないときは、自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出及び申出額に相当する保証の提供

二 差押債権者が不動産の買受人になることができない場合買受けの申出の額が申出額に達しないときは、申出額と買受けの申出の額との差額を負担する旨の申出及び申出額と買受可能価額との差額に相当する保証の提供

第3項前項第二号の申出及び保証の提供があつた場合において、買受可能価額以上の額の買受けの申出がないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。

第4項第二項の保証の提供は、執行裁判所に対し、最高裁判所規則で定める方法により行わなければならない。

第64条(売却の方法及び公告)

不動産の売却は、裁判所書記官の定める売却の方法により行う。

第2項不動産の売却の方法は、入札又は競り売りのほか、最高裁判所規則で定める。

第3項裁判所書記官は、入札又は競り売りの方法により売却をするときは、売却の日時及び場所を定め、執行官に売却を実施させなければならない。

第4項前項の場合においては、第二十条において準用する民事訴訟法第九十三条第一項の規定にかかわらず、売却決定期日は、裁判所書記官が、売却を実施させる旨の処分と同時に指定する。

第5項第三項の場合においては、裁判所書記官は、売却すべき不動産の表示、売却基準価額並びに売却の日時及び場所を公告しなければならない。

第6項第一項、第三項又は第四項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

第7項第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

第64条の2(内覧)

執行裁判所は、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)の申立てがあるときは、執行官に対し、内覧(不動産の買受けを希望する者をこれに立ち入らせて見学させることをいう。以下この条において同じ。)の実施を命じなければならない。ただし、当該不動産の占有者の占有の権原が差押債権者、仮差押債権者及び第五十九条第一項の規定により消滅する権利を有する者に対抗することができる場合で当該占有者が同意しないときは、この限りでない。

第2項前項の申立ては、最高裁判所規則で定めるところにより、売却を実施させる旨の裁判所書記官の処分の時までにしなければならない。

第3項第一項の命令を受けた執行官は、売却の実施の時までに、最高裁判所規則で定めるところにより内覧への参加の申出をした者(不動産を買い受ける資格又は能力を有しない者その他最高裁判所規則で定める事由がある者を除く。第五項及び第六項において「内覧参加者」という。)のために、内覧を実施しなければならない。

第4項執行裁判所は、内覧の円滑な実施が困難であることが明らかであるときは、第一項の命令を取り消すことができる。

第5項執行官は、内覧の実施に際し、自ら不動産に立ち入り、かつ、内覧参加者を不動産に立ち入らせることができる。

第6項執行官は、内覧参加者であつて内覧の円滑な実施を妨げる行為をするものに対し、不動産に立ち入ることを制限し、又は不動産から退去させることができる。

第65条(売却の場所の秩序維持)

執行官は、次に掲げる者に対し、売却の場所に入ることを制限し、若しくはその場所から退場させ、又は買受けの申出をさせないことができる。

一 他の者の買受けの申出を妨げ、若しくは不当に価額を引き下げる目的をもつて連合する等売却の適正な実施を妨げる行為をし、又はその行為をさせた者

二 他の民事執行の手続の売却不許可決定において前号に該当する者と認定され、その売却不許可決定の確定の日から二年を経過しない者

三 民事執行の手続における売却に関し刑法(明治四十年法律第四十五号)第九十五条から第九十六条の五まで、第百九十七条から第百九十七条の四まで若しくは第百九十八条、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)第三条第一項第一号から第四号まで若しくは第二項(同条第一項第一号から第四号までに係る部分に限る。)又は公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成十二年法律第百三十号)第一条第一項、第二条第一項若しくは第四条の規定により刑に処せられ、その裁判の確定の日から二年を経過しない者

第65条の2(暴力団員等に該当しないこと等の陳述)

不動産の買受けの申出は、次の各号のいずれにも該当しない旨を買受けの申出をしようとする者(その者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、その者が法人である場合にあつてはその代表者)が最高裁判所規則で定めるところにより陳述しなければ、することができない。

一 買受けの申出をしようとする者(その者が法人である場合にあつては、その役員)が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下この目において「暴力団員等」という。)であること。

二 自己の計算において当該買受けの申出をさせようとする者(その者が法人である場合にあつては、その役員)が暴力団員等であること。

第66条(買受けの申出の保証)

不動産の買受けの申出をしようとする者は、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所が定める額及び方法による保証を提供しなければならない。

第67条(次順位買受けの申出)

最高価買受申出人に次いで高額の買受けの申出をした者は、その買受けの申出の額が、買受可能価額以上で、かつ、最高価買受申出人の申出の額から買受けの申出の保証の額を控除した額以上である場合に限り、売却の実施の終了までに、執行官に対し、最高価買受申出人に係る売却許可決定が第八十条第一項の規定により効力を失うときは、自己の買受けの申出について売却を許可すべき旨の申出(以下「次順位買受けの申出」という。)をすることができる。

第68条(債務者の買受けの申出の禁止)

債務者は、買受けの申出をすることができない。

第68条の2(買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等)

執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法により売却を実施させても買受けの申出がなかつた場合において、債務者又は不動産の占有者が不動産の売却を困難にする行為をし、又はその行為をするおそれがあるときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。次項において同じ。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、担保を立てさせて、次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)を命ずることができる。

一 債務者又は不動産の占有者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官又は申立人に引き渡すことを命ずること。

二 執行官又は申立人に不動産の保管をさせること。

第2項差押債権者は、前項の申立てをするには、買受可能価額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の入札又は競り売りの方法による売却の実施において申出額に達する買受けの申出がないときは自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出をし、かつ、申出額に相当する保証の提供をしなければならない。

第3項事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。

第4項第五十五条第二項の規定は第一項に規定する保全処分について、同条第三項の規定は第一項の規定による決定について、同条第六項の規定は第一項の申立てについての裁判、前項の規定による裁判又は同項の申立てを却下する裁判について、同条第七項の規定は前項の規定による決定について、同条第八項及び第九項並びに第五十五条の二の規定は第一項に規定する保全処分を命ずる決定について、第五十五条第十項の規定は第一項の申立て又は同項の規定による決定の執行に要した費用について、第六十三条第四項の規定は第二項の保証の提供について準用する。

第68条の3(売却の見込みのない場合の措置)

執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法による売却を三回実施させても買受けの申出がなかつた場合において、不動産の形状、用途、法令による利用の規制その他の事情を考慮して、更に売却を実施させても売却の見込みがないと認めるときは、強制競売の手続を停止することができる。この場合においては、差押債権者に対し、その旨を通知しなければならない。

第2項差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から三月以内に、執行裁判所に対し、買受けの申出をしようとする者があることを理由として、売却を実施させるべき旨を申し出たときは、裁判所書記官は、第六十四条の定めるところにより売却を実施させなければならない。

第3項差押債権者が前項の期間内に同項の規定による売却実施の申出をしないときは、執行裁判所は、強制競売の手続を取り消すことができる。同項の規定により裁判所書記官が売却を実施させた場合において買受けの申出がなかつたときも、同様とする。

第68条の4(調査の嘱託)問題準備中

執行裁判所は、最高価買受申出人(その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、最高価買受申出人が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。

第2項執行裁判所は、自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者があると認める場合には、当該買受けの申出をさせた者(その者が法人である場合にあつては、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査を執行裁判所の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。ただし、買受けの申出をさせた者が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして最高裁判所規則で定める場合は、この限りでない。

第69条(売却決定期日)

執行裁判所は、売却決定期日を開き、売却の許可又は不許可を言い渡さなければならない。

第70条(売却の許可又は不許可に関する意見の陳述)

不動産の売却の許可又は不許可に関し利害関係を有する者は、次条各号に掲げる事由で自己の権利に影響のあるものについて、売却決定期日において意見を陳述することができる。

第71条(売却不許可事由)

執行裁判所は、次に掲げる事由があると認めるときは、売却不許可決定をしなければならない。

一 強制競売の手続の開始又は続行をすべきでないこと。

二 最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格若しくは能力を有しないこと又はその代理人がその権限を有しないこと。

三 最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格を有しない者の計算において買受けの申出をした者であること。

四 最高価買受申出人、その代理人又は自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が次のいずれかに該当すること。

イ その強制競売の手続において第六十五条第一号に規定する行為をした者

ロ その強制競売の手続において、代金の納付をしなかつた者又は自己の計算においてその者に買受けの申出をさせたことがある者

ハ 第六十五条第二号又は第三号に掲げる者

五 最高価買受申出人又は自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が次のいずれかに該当すること。

イ 暴力団員等(買受けの申出がされた時に暴力団員等であつた者を含む。)

ロ 法人でその役員のうちに暴力団員等に該当する者があるもの(買受けの申出がされた時にその役員のうちに暴力団員等に該当する者があつたものを含む。)

六 第七十五条第一項の規定による売却の不許可の申出があること。

七 売却基準価額若しくは一括売却の決定、物件明細書の作成又はこれらの手続に重大な誤りがあること。

八 売却の手続に重大な誤りがあること。

第72条(売却の実施の終了後に執行停止の裁判等の提出があつた場合の措置)

売却の実施の終了から売却決定期日の終了までの間に第三十九条第一項第七号に掲げる文書の提出があつた場合には、執行裁判所は、他の事由により売却不許可決定をするときを除き、売却決定期日を開くことができない。この場合においては、最高価買受申出人又は次順位買受申出人は、執行裁判所に対し、買受けの申出を取り消すことができる。

第2項売却決定期日の終了後に前項に規定する文書の提出があつた場合には、その期日にされた売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたとき、又はその期日にされた売却不許可決定が確定したときに限り、第三十九条の規定を適用する。

第3項売却の実施の終了後に第三十九条第一項第八号に掲げる文書の提出があつた場合には、その売却に係る売却許可決定が取り消され、若しくは効力を失つたとき、又はその売却に係る売却不許可決定が確定したときに限り、同条の規定を適用する。

第73条(超過売却となる場合の措置)

数個の不動産を売却した場合において、あるものの買受けの申出の額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがあるときは、執行裁判所は、他の不動産についての売却許可決定を留保しなければならない。

第2項前項の場合において、その買受けの申出の額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる見込みがある不動産が数個あるときは、執行裁判所は、売却の許可をすべき不動産について、あらかじめ、債務者の意見を聴かなければならない。

第3項第一項の規定により売却許可決定が留保された不動産の最高価買受申出人又は次順位買受申出人は、執行裁判所に対し、買受けの申出を取り消すことができる。

第4項売却許可決定のあつた不動産について代金が納付されたときは、執行裁判所は、前項の不動産に係る強制競売の手続を取り消さなければならない。

第74条(売却の許可又は不許可の決定に対する執行抗告)

売却の許可又は不許可の決定に対しては、その決定により自己の権利が害されることを主張するときに限り、執行抗告をすることができる。

第2項売却許可決定に対する執行抗告は、第七十一条各号に掲げる事由があること又は売却許可決定の手続に重大な誤りがあることを理由としなければならない。

第3項民事訴訟法第三百三十八条第一項各号に掲げる事由は、前二項の規定にかかわらず、売却の許可又は不許可の決定に対する執行抗告の理由とすることができる。

第4項抗告裁判所は、必要があると認めるときは、抗告人の相手方を定めることができる。

第5項売却の許可又は不許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。

第75条(不動産が損傷した場合の売却の不許可の申出等)

最高価買受申出人又は買受人は、買受けの申出をした後天災その他自己の責めに帰することができない事由により不動産が損傷した場合には、執行裁判所に対し、売却許可決定前にあつては売却の不許可の申出をし、売却許可決定後にあつては代金を納付する時までにその決定の取消しの申立てをすることができる。ただし、不動産の損傷が軽微であるときは、この限りでない。

第2項前項の規定による売却許可決定の取消しの申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。

第3項前項に規定する申立てにより売却許可決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。

第76条(買受けの申出後の強制競売の申立ての取下げ等)

買受けの申出があつた後に強制競売の申立てを取り下げるには、最高価買受申出人又は買受人及び次順位買受申出人の同意を得なければならない。ただし、他に差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。)がある場合において、取下げにより第六十二条第一項第二号に掲げる事項について変更が生じないときは、この限りでない。

第2項前項の規定は、買受けの申出があつた後に第三十九条第一項第四号から第五号までに掲げる文書を提出する場合について準用する。

第77条(最高価買受申出人又は買受人のための保全処分等)

執行裁判所は、債務者又は不動産の占有者が、価格減少行為等(不動産の価格を減少させ、又は不動産の引渡しを困難にする行為をいう。以下この項において同じ。)をし、又は価格減少行為等をするおそれがあるときは、最高価買受申出人又は買受人の申立てにより、引渡命令の執行までの間、その買受けの申出の額(金銭により第六十六条の保証を提供した場合にあつては、当該保証の額を控除した額)に相当する金銭を納付させ、又は代金を納付させて、次に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずることができる。

一 債務者又は不動産の占有者に対し、価格減少行為等を禁止し、又は一定の行為をすることを命ずる保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)

二 次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)

イ 当該価格減少行為等をし、又はそのおそれがある者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官に引き渡すことを命ずること。

ロ 執行官に不動産の保管をさせること。

三 次に掲げる事項を内容とする保全処分及び公示保全処分

イ 前号イ及びロに掲げる事項

ロ 前号イに規定する者に対し、不動産の占有の移転を禁止することを命じ、及び不動産の使用を許すこと。

第2項第五十五条第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定は前項第二号又は第三号に掲げる保全処分について、同条第二項(第二号に係る部分に限る。)の規定は前項に掲げる保全処分について、同条第三項、第四項本文及び第五項の規定は前項の規定による決定について、同条第六項の規定は前項の申立て又はこの項において準用する同条第五項の申立てについての裁判について、同条第七項の規定はこの項において準用する同条第五項の規定による決定について、同条第八項及び第九項並びに第五十五条の二の規定は前項第二号又は第三号に掲げる保全処分を命ずる決定について準用する。

第78条(代金の納付)

売却許可決定が確定したときは、買受人は、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付しなければならない。

第2項買受人が買受けの申出の保証として提供した金銭及び前条第一項の規定により納付した金銭は、代金に充てる。

第3項買受人が第六十三条第二項第一号又は第六十八条の二第二項の保証を金銭の納付以外の方法で提供しているときは、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところによりこれを換価し、その換価代金から換価に要した費用を控除したものを代金に充てる。この場合において、換価に要した費用は、買受人の負担とする。

第4項買受人は、売却代金から配当又は弁済を受けるべき債権者であるときは、売却許可決定が確定するまでに執行裁判所に申し出て、配当又は弁済を受けるべき額を差し引いて代金を配当期日又は弁済金の交付の日に納付することができる。ただし、配当期日において、買受人の受けるべき配当の額について異議の申出があつたときは、買受人は、当該配当期日から一週間以内に、異議に係る部分に相当する金銭を納付しなければならない。

第5項裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、第一項の期限を変更することができる。

第6項第一項又は前項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

第7項第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

第79条(不動産の取得の時期)

買受人は、代金を納付した時に不動産を取得する。

第80条(代金不納付の効果)

買受人が代金を納付しないときは、売却許可決定は、その効力を失う。この場合においては、買受人は、第六十六条の規定により提供した保証の返還を請求することができない。

第2項前項前段の場合において、次順位買受けの申出があるときは、執行裁判所は、その申出について売却の許可又は不許可の決定をしなければならない。

第81条(法定地上権)

土地及びその上にある建物が債務者の所有に属する場合において、その土地又は建物の差押えがあり、その売却により所有者を異にするに至つたときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合においては、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。

第82条(代金納付による登記の嘱託)

買受人が代金を納付したときは、裁判所書記官は、次に掲げる登記及び登記の抹消を嘱託しなければならない。

一 買受人の取得した権利の移転の登記

二 売却により消滅した権利又は売却により効力を失つた権利の取得若しくは仮処分に係る登記の抹消

三 差押え又は仮差押えの登記の抹消

第2項買受人及び買受人から不動産の上に抵当権の設定を受けようとする者が、最高裁判所規則で定めるところにより、代金の納付の時までに申出をしたときは、前項の規定による嘱託は、登記の申請の代理を業とすることができる者で申出人の指定するものに嘱託情報を提供して登記所に提供させる方法によつてしなければならない。この場合において、申出人の指定する者は、遅滞なく、その嘱託情報を登記所に提供しなければならない。

第3項第一項の規定による嘱託をするには、その嘱託情報と併せて売却許可決定があつたことを証する情報を提供しなければならない。

第4項第一項の規定による嘱託に要する登録免許税その他の費用は、買受人の負担とする。

第83条(引渡命令)

執行裁判所は、代金を納付した買受人の申立てにより、債務者又は不動産の占有者に対し、不動産を買受人に引き渡すべき旨を命ずることができる。ただし、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者に対しては、この限りでない。

第2項買受人は、代金を納付した日から六月(買受けの時に民法第三百九十五条第一項に規定する抵当建物使用者が占有していた建物の買受人にあつては、九月)を経過したときは、前項の申立てをすることができない。

第3項執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合には、その者を審尋しなければならない。ただし、事件の記録上その者が買受人に対抗することができる権原により占有しているものでないことが明らかであるとき、又は既にその者を審尋しているときは、この限りでない。

第4項第一項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

第5項第一項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。

第83条の2(占有移転禁止の保全処分等の効力)

強制競売の手続において、第五十五条第一項第三号又は第七十七条第一項第三号に掲げる保全処分及び公示保全処分を命ずる決定の執行がされ、かつ、買受人の申立てにより当該決定の被申立人に対して引渡命令が発せられたときは、買受人は、当該引渡命令に基づき、次に掲げる者に対し、不動産の引渡しの強制執行をすることができる。

一 当該決定の執行がされたことを知つて当該不動産を占有した者

二 当該決定の執行後に当該執行がされたことを知らないで当該決定の被申立人の占有を承継した者

第2項前項の決定の執行後に同項の不動産を占有した者は、その執行がされたことを知つて占有したものと推定する。

第3項第一項の引渡命令について同項の決定の被申立人以外の者に対する執行文が付与されたときは、その者は、執行文の付与に対する異議の申立てにおいて、買受人に対抗することができる権原により不動産を占有していること、又は自己が同項各号のいずれにも該当しないことを理由とすることができる。

第84条(売却代金の配当等の実施)

執行裁判所は、代金の納付があつた場合には、次項に規定する場合を除き、配当表に基づいて配当を実施しなければならない。

第2項債権者が一人である場合又は債権者が二人以上であつて売却代金で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる場合には、執行裁判所は、売却代金の交付計算書を作成して、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。

第3項代金の納付後に第三十九条第一項第一号から第六号までに掲げる文書の提出があつた場合において、他に売却代金の配当又は弁済金の交付(以下「配当等」という。)を受けるべき債権者があるときは、執行裁判所は、その債権者のために配当等を実施しなければならない。

第4項代金の納付後に第三十九条第一項第七号又は第八号に掲げる文書の提出があつた場合においても、執行裁判所は、配当等を実施しなければならない。

第85条(配当表の作成)

執行裁判所は、配当期日において、第八十七条第一項各号に掲げる各債権者について、その債権の元本及び利息その他の附帯の債権の額、執行費用の額並びに配当の順位及び額を定める。ただし、配当の順位及び額については、配当期日においてすべての債権者間に合意が成立した場合は、この限りでない。

第2項執行裁判所は、前項本文の規定により配当の順位及び額を定める場合には、民法、商法その他の法律の定めるところによらなければならない。

第3項配当期日には、第一項に規定する債権者及び債務者を呼び出さなければならない。

第4項執行裁判所は、配当期日において、第一項本文に規定する事項を定めるため必要があると認めるときは、出頭した債権者及び債務者を審尋し、かつ、即時に取り調べることができる書証又は電磁的記録に記録された情報の内容の取調べをすることができる。

第5項第一項の規定により同項本文に規定する事項(同項ただし書に規定する場合には、配当の順位及び額を除く。)が定められたときは、裁判所書記官は、配当期日において、配当表を作成しなければならない。

第6項配当表には、売却代金の額及び第一項本文に規定する事項についての執行裁判所の定めの内容(同項ただし書に規定する場合にあつては、配当の順位及び額については、その合意の内容)を記載しなければならない。

第7項第十六条第三項及び第四項の規定は、第一項に規定する債権者(同条第一項前段に規定する者を除く。)に対する呼出状の送達について準用する。

第86条(音声の送受信による通話の方法による配当期日)問題準備中

執行裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、執行裁判所並びに第八十五条第一項に規定する債権者及び債務者が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によつて、配当期日における手続を行うことができる。

第2項前項の配当期日に出頭しないでその手続に関与した者は、その配当期日に出頭したものとみなす。

第86条の2(売却代金)問題準備中

売却代金は、次に掲げるものとする。

一 不動産の代金

二 第六十三条第二項第二号の規定により提供した保証のうち申出額から代金の額を控除した残額に相当するもの

三 第八十条第一項後段の規定により買受人が返還を請求することができない保証

第2項第六十一条の規定により不動産が一括して売却された場合において、各不動産ごとに売却代金の額を定める必要があるときは、その額は、売却代金の総額を各不動産の売却基準価額に応じて案分して得た額とする。各不動産ごとの執行費用の負担についても、同様とする。

第3項第七十八条第三項の規定は、第一項第二号又は第三号に規定する保証が金銭の納付以外の方法で提供されている場合の換価について準用する。

第87条(配当等を受けるべき債権者の範囲)

売却代金の配当等を受けるべき債権者は、次に掲げる者とする。

一 差押債権者(配当要求の終期までに強制競売又は一般の先取特権の実行としての競売の申立てをした差押債権者に限る。)

二 配当要求の終期までに配当要求をした債権者

三 差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。次号において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者

四 差押えの登記前に登記(民事保全法第五十三条第二項に規定する仮処分による仮登記を含む。)がされた先取特権(第一号又は第二号に掲げる債権者が有する一般の先取特権を除く。)、質権又は抵当権で売却により消滅するものを有する債権者(その抵当権に係る抵当証券の所持人を含む。)

第2項前項第四号に掲げる債権者の権利が仮差押えの登記後に登記されたものである場合には、その債権者は、仮差押債権者が本案の訴訟において敗訴し、又は仮差押えがその効力を失つたときに限り、配当等を受けることができる。

第3項差押えに係る強制競売の手続が停止され、第四十七条第六項の規定による手続を続行する旨の裁判がある場合において、執行を停止された差押債権者がその停止に係る訴訟等において敗訴したときは、差押えの登記後続行の裁判に係る差押えの登記前に登記された第一項第四号に規定する権利を有する債権者は、配当等を受けることができる。

第88条(期限付債権の配当等)

確定期限の到来していない債権は、配当等については、弁済期が到来したものとみなす。

第2項前項の債権が無利息であるときは、配当等の日から期限までの配当等の日における法定利率による利息との合算額がその債権の額となるべき元本額をその債権の額とみなして、配当等の額を計算しなければならない。

第89条(配当異議の申出)

配当表に記載された各債権者の債権又は配当の額について不服のある債権者及び債務者は、配当期日において、異議の申出(以下「配当異議の申出」という。)をすることができる。

第2項執行裁判所は、配当異議の申出のない部分に限り、配当を実施しなければならない。

第90条(配当異議の訴え等)

配当異議の申出をした債権者及び執行力のある債務名義の正本を有しない債権者に対し配当異議の申出をした債務者は、配当異議の訴えを提起しなければならない。

第2項前項の訴えは、執行裁判所が管轄する。

第3項第一項の訴えは、原告が最初の口頭弁論期日に出頭しない場合には、その責めに帰することができない事由により出頭しないときを除き、却下しなければならない。

第4項第一項の訴えの判決においては、配当表を変更し、又は新たな配当表の調製のために、配当表を取り消さなければならない。

第5項執行力のある債務名義の正本を有する債権者に対し配当異議の申出をした債務者は、請求異議の訴え又は民事訴訟法第百十七条第一項の訴えを提起しなければならない。

第6項配当異議の申出をした債権者又は債務者が、配当期日(知れていない抵当証券の所持人に対する配当異議の申出にあつては、その所持人を知つた日)から一週間以内(買受人が第七十八条第四項ただし書の規定により金銭を納付すべき場合にあつては、二週間以内)に、執行裁判所に対し、第一項の訴えを提起したことの証明をしないとき、又は前項の訴えを提起したことの証明及びその訴えに係る執行停止の裁判の正本若しくは記録事項証明書の提出をしないときは、配当異議の申出は、取り下げたものとみなす。

第91条(配当等の額の供託)

配当等を受けるべき債権者の債権について次に掲げる事由があるときは、裁判所書記官は、その配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。

一 停止条件付又は不確定期限付であるとき。

二 仮差押債権者の債権であるとき。

三 第三十九条第一項第七号又は第百八十三条第一項第二号ホに掲げる文書が提出されているとき。

四 その債権に係る先取特権、質権又は抵当権(以下この項において「先取特権等」という。)の実行を一時禁止する裁判の正本が提出されているとき。

五 その債権に係る先取特権等につき仮登記又は民事保全法第五十三条第二項に規定する仮処分による仮登記がされたものであるとき。

六 仮差押え又は執行停止に係る差押えの登記後に登記された先取特権等があるため配当額が定まらないとき。

七 配当異議の訴えが提起されたとき。

第2項裁判所書記官は、配当等の受領のために執行裁判所に出頭しなかつた債権者(知れていない抵当証券の所持人を含む。)に対する配当等の額に相当する金銭を供託しなければならない。

第92条(権利確定等に伴う配当等の実施)

前条第一項の規定による供託がされた場合において、その供託の事由が消滅したときは、執行裁判所は、供託金について配当等を実施しなければならない。

第2項前項の規定により配当を実施すべき場合において、前条第一項第一号から第五号までに掲げる事由による供託に係る債権者若しくは同項第六号に掲げる事由による供託に係る仮差押債権者若しくは執行を停止された差押債権者に対して配当を実施することができなくなつたとき、又は同項第七号に掲げる事由による供託に係る債権者が債務者の提起した配当異議の訴えにおいて敗訴したときは、執行裁判所は、配当異議の申出をしなかつた債権者のためにも配当表を変更しなければならない。

第3項前条第一項の規定による供託がされた場合における当該供託に係る債権者(同項第六号に掲げる事由による供託がされた場合にあつては、当該供託に係る仮差押債権者又は執行を停止された差押債権者。以下この条において同じ。)は、その供託の事由が消滅したときは、直ちに、その旨を執行裁判所に届け出なければならない。

第4項執行裁判所は、前条第一項の規定による供託がされた場合において、その供託がされた日(この項の規定によりその供託に係る供託の事由が消滅していない旨の届出をした場合にあつては、最後に当該届出をした日)から前項の規定による届出がされることなく二年を経過したときは、当該供託に係る債権者に対し、その供託に係る供託の事由が消滅しているときは同項の規定による届出をし、又はその供託に係る供託の事由が消滅していないときはその旨の届出をすべき旨を催告しなければならない。

第5項前項の規定による催告を受けた当該供託に係る債権者が、催告を受けた日から二週間以内に第三項の規定による届出又は前項の規定による供託の事由が消滅していない旨の届出をしないときは、執行裁判所は、当該供託に係る債権者を除外して第一項及び第二項の規定により供託金について配当等を実施する旨の決定をすることができる。

第6項前項の決定は、当該供託に係る債権者が当該決定の告知を受けた日から一週間の不変期間が経過した日にその効力を生ずる。ただし、当該供託に係る債権者が当該不変期間が経過するまでに第三項の規定による届出又は第四項の規定による供託の事由が消滅していない旨の届出をしたときは、この限りでない。

第7項当該供託に係る債権者が第四項に規定する期間を経過する前に執行裁判所にその供託に係る供託の事由が消滅していない旨の届出をしたときは、同項の規定の適用については、同項の規定による供託の事由が消滅していない旨の届出があつたものとみなす。

第二章 強制執行 / 第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行 / 第一款 不動産に対する強制執行 / 第三目 強制管理

第93条(開始決定等)

執行裁判所は、強制管理の手続を開始するには、強制管理の開始決定をし、その開始決定において、債権者のために不動産を差し押さえる旨を宣言し、かつ、債務者に対し収益の処分を禁止し、及び債務者が賃貸料の請求権その他の当該不動産の収益に係る給付を求める権利(以下「給付請求権」という。)を有するときは、債務者に対して当該給付をする義務を負う者(以下「給付義務者」という。)に対しその給付の目的物を管理人に交付すべき旨を命じなければならない。

第2項前項の収益は、後に収穫すべき天然果実及び既に弁済期が到来し、又は後に弁済期が到来すべき法定果実とする。

第3項第一項の開始決定は、債務者及び給付義務者に送達しなければならない。

第4項給付義務者に対する第一項の開始決定の効力は、開始決定が当該給付義務者に送達された時に生ずる。

第5項強制管理の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

第93条の2(二重開始決定)問題準備中

既に強制管理の開始決定がされ、又は第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行の開始決定がされた不動産について強制管理の申立てがあつたときは、執行裁判所は、更に強制管理の開始決定をするものとする。

第93条の3(給付義務者に対する競合する債権差押命令等の陳述の催告)

裁判所書記官は、給付義務者に強制管理の開始決定を送達するに際し、当該給付義務者に対し、開始決定の送達の日から二週間以内に給付請求権に対する差押命令又は差押処分の存否その他の最高裁判所規則で定める事項について陳述すべき旨を催告しなければならない。この場合においては、第百四十七条第二項の規定を準用する。

第93条の4(給付請求権に対する競合する債権差押命令等の効力の停止等)問題準備中

第九十三条第四項の規定により強制管理の開始決定の効力が給付義務者に対して生じたときは、給付請求権に対する差押命令又は差押処分であつて既に効力が生じていたものは、その効力を停止する。ただし、強制管理の開始決定の給付義務者に対する効力の発生が第百六十五条各号(第百六十七条の十四第一項において第百六十五条各号(第三号及び第四号を除く。)の規定を準用する場合及び第百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる時後であるときは、この限りでない。

第2項第九十三条第四項の規定により強制管理の開始決定の効力が給付義務者に対して生じたときは、給付請求権に対する仮差押命令であつて既に効力が生じていたものは、その効力を停止する。

第3項第一項の差押命令又は差押処分の債権者、同項の差押命令又は差押処分が効力を停止する時までに当該債権執行(第百四十三条に規定する債権執行をいう。)又は少額訴訟債権執行(第百六十七条の二第二項に規定する少額訴訟債権執行をいう。)の手続において配当要求をした債権者及び前項の仮差押命令の債権者は、第百七条第四項の規定にかかわらず、前二項の強制管理の手続において配当等を受けることができる。

第94条(管理人の選任)

執行裁判所は、強制管理の開始決定と同時に、管理人を選任しなければならない。

第2項信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第三条又は第五十三条第一項の免許を受けた者をいう。)、銀行その他の法人は、管理人となることができる。

第95条(管理人の権限)

管理人は、強制管理の開始決定がされた不動産について、管理並びに収益の収取及び換価をすることができる。

第2項管理人は、民法第六百二条に定める期間を超えて不動産を賃貸するには、債務者の同意を得なければならない。

第3項管理人が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、執行裁判所の許可を受けて、職務を分掌することができる。

第4項管理人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。

第96条(強制管理のための不動産の占有等)

管理人は、不動産について、債務者の占有を解いて自らこれを占有することができる。

第2項管理人は、前項の場合において、閉鎖した戸を開く必要があると認めるときは、執行官に対し援助を求めることができる。

第3項第五十七条第三項の規定は、前項の規定により援助を求められた執行官について準用する。

第97条(建物使用の許可)

債務者の居住する建物について強制管理の開始決定がされた場合において、債務者が他に居住すべき場所を得ることができないときは、執行裁判所は、申立てにより、債務者及びその者と生計を一にする同居の親族(婚姻又は縁組の届出をしていないが債務者と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にある者を含む。以下「債務者等」という。)の居住に必要な限度において、期間を定めて、その建物の使用を許可することができる。

第2項債務者が管理人の管理を妨げたとき、又は事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。

第3項前二項の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。

第98条(収益等の分与)

強制管理により債務者の生活が著しく困窮することとなるときは、執行裁判所は、申立てにより、管理人に対し、収益又はその換価代金からその困窮の程度に応じ必要な金銭又は収益を債務者に分与すべき旨を命ずることができる。

第2項前条第二項の規定は前項の規定による決定について、同条第三項の規定は前項の申立て又はこの項において準用する前条第二項の申立てについての決定について準用する。

第99条(管理人の監督)問題準備中

管理人は、執行裁判所が監督する。

第100条(管理人の注意義務)問題準備中

管理人は、善良な管理者の注意をもつてその職務を行わなければならない。

第2項管理人が前項の注意を怠つたときは、その管理人は、利害関係を有する者に対し、連帯して損害を賠償する責めに任ずる。

第101条(管理人の報酬等)問題準備中

管理人は、強制管理のため必要な費用の前払及び執行裁判所の定める報酬を受けることができる。

第2項前項の規定による決定に対しては、執行抗告をすることができる。

第102条(管理人の解任)問題準備中

重要な事由があるときは、執行裁判所は、利害関係を有する者の申立てにより、又は職権で、管理人を解任することができる。この場合においては、その管理人を審尋しなければならない。

第103条(計算の報告義務)問題準備中

管理人の任務が終了した場合においては、管理人又はその承継人は、遅滞なく、執行裁判所に計算の報告をしなければならない。

第104条(強制管理の停止)

第三十九条第一項第七号又は第八号に掲げる文書の提出があつた場合においては、強制管理は、配当等の手続を除き、その時の態様で継続することができる。この場合においては、管理人は、配当等に充てるべき金銭を供託し、その事情を執行裁判所に届け出なければならない。

第2項前項の規定により供託された金銭の額で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができるときは、執行裁判所は、配当等の手続を除き、強制管理の手続を取り消さなければならない。

第105条(配当要求)

執行力のある債務名義の正本を有する債権者及び第百八十一条第一項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、執行裁判所に対し、配当要求をすることができる。

第2項配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

第106条(配当等に充てるべき金銭等)

配当等に充てるべき金銭は、第九十八条第一項の規定による分与をした後の収益又はその換価代金から、不動産に対して課される租税その他の公課及び管理人の報酬その他の必要な費用を控除したものとする。

第2項配当等に充てるべき金銭を生ずる見込みがないときは、執行裁判所は、強制管理の手続を取り消さなければならない。

第107条(管理人による配当等の実施)

管理人は、前条第一項に規定する費用を支払い、執行裁判所の定める期間ごとに、配当等に充てるべき金銭の額を計算して、配当等を実施しなければならない。

第2項債権者が一人である場合又は債権者が二人以上であつて配当等に充てるべき金銭で各債権者の債権及び執行費用の全部を弁済することができる場合には、管理人は、債権者に弁済金を交付し、剰余金を債務者に交付する。

第3項前項に規定する場合を除き、配当等に充てるべき金銭の配当について債権者間に協議が調つたときは、管理人は、その協議に従い配当を実施する。

第4項配当等を受けるべき債権者は、次に掲げる者とする。

一 差押債権者のうち次のイからハまでのいずれかに該当するもの

イ 第一項の期間の満了までに強制管理の申立てをしたもの

ロ 第一項の期間の満了までに一般の先取特権の実行として第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行の申立てをしたもの

ハ 第一項の期間の満了までに第百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行の申立てをしたもの(ロに掲げるものを除く。)であつて、当該申立てが最初の強制管理の開始決定に係る差押えの登記前に登記(民事保全法第五十三条第二項に規定する保全仮登記を含む。)がされた担保権に基づくもの

二 仮差押債権者(第一項の期間の満了までに、強制管理の方法による仮差押えの執行の申立てをしたものに限る。)

三 第一項の期間の満了までに配当要求をした債権者

第5項第三項の協議が調わないときは、管理人は、その事情を執行裁判所に届け出なければならない。

第108条(管理人による配当等の額の供託)問題準備中

配当等を受けるべき債権者の債権について第九十一条第一項各号(第七号を除く。)に掲げる事由があるときは、管理人は、その配当等の額に相当する金銭を供託し、その事情を執行裁判所に届け出なければならない。債権者が配当等の受領のために出頭しなかつたときも、同様とする。

第109条(執行裁判所による配当等の実施)問題準備中

執行裁判所は、第百七条第五項の規定による届出があつた場合には直ちに、第百四条第一項又は前条の規定による届出があつた場合には供託の事由が消滅したときに、配当等の手続を実施しなければならない。

第110条(弁済による強制管理の手続の取消し)

各債権者が配当等によりその債権及び執行費用の全部の弁済を受けたときは、執行裁判所は、強制管理の手続を取り消さなければならない。

第111条(強制競売の規定の準用)問題準備中

第四十六条第一項、第四十七条第二項、第六項本文及び第七項、第四十八条、第五十三条、第五十四条、第八十四条第三項及び第四項、第八十七条第二項及び第三項並びに第八十八条の規定は強制管理について、第八十四条第一項及び第二項、第八十五条から第八十六条まで及び第八十九条から第九十二条までの規定は第百九条の規定により執行裁判所が実施する配当等の手続について準用する。この場合において、第八十四条第三項及び第四項中「代金の納付後」とあるのは、「第百七条第一項の期間の経過後」と読み替えるものとする。