第二章 保全命令に関する手続/第三節 保全異議
民事保全法 第33条(原状回復の裁判)
この条の要点
- 取消決定における原状回復命令:仮処分取消決定では債務者申立てで返還命令可。職権では発せられない点に注意。
- 原状回復命令の対象の限定:返還命令は仮処分の執行による給付受領等に限る。仮差押えは対象外。
条文原文
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第33条(原状回復の裁判)
仮処分命令に基づき、債権者が物の引渡し若しくは明渡し若しくは金銭の支払を受け、又は物の使用若しくは保管をしているときは、裁判所は、債務者の申立てにより、前条第一項の規定により仮処分命令を取り消す決定において、債権者に対し、債務者が引き渡し、若しくは明け渡した物の返還、債務者が支払った金銭の返還又は債権者が使用若しくは保管をしている物の返還を命ずることができる。
この条文の〇×問題(2問)
取消決定における原状回復命令
仮処分の執行によって債務者から金銭の支払を受けていた債権者は、保全異議により仮処分命令が取り消された場合、債務者の申立てによりその金銭の返還を命じられることがある。
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正解 ○
正しい。債権者が仮処分命令に基づき物の引渡し・明渡し・金銭の支払を受け、又は物を使用・保管している場合、裁判所は債務者の申立てにより、仮処分命令を取り消す決定において返還を命ずることができる。取消しと同時に原状回復を実現する規定であり、債務者の申立てが要件である点が判定点である。
学習ポイント:仮処分取消決定では債務者申立てで返還命令可。職権では発せられない点に注意。
第33条1項
原状回復命令の対象の限定
仮差押えの執行により債務者の財産が差し押さえられている場合にも、保全命令の取消決定において、債務者の申立てにより債権者に対し原状回復としての給付が必ず命じられる。
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正解 ×
誤り。この返還命令の規定は、仮処分命令に基づき債権者が物の引渡し・明渡し・金銭支払を受け、又は物を使用・保管している場合に限られ、仮差押えの執行は対象外である。仮差押えは財産の凍結であって給付の実現を伴わず、仮処分は仮の履行が伴う点が制度差の背景にある。
学習ポイント:返還命令は仮処分の執行による給付受領等に限る。仮差押えは対象外。
第33条1項
根拠・関連条文
問題で確認する
第33条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。