資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二章 保全命令に関する手続/第四節 保全取消し

民事保全法 第37条(本案の訴えの不提起等による保全取消し)

分野:保全命令に関する手続/保全取消し

出題試験:司法書士

この条の要点

  • 本案訴え提起命令:本案訴え提起命令は債務者申立てで裁判所の義務。期間は2週間以上と下限あり。
  • 本案訴えの取下げの効果:本案訴えの取下げ・却下は書面不提出とみなされる。一度出せば安全ではない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第37条(本案の訴えの不提起等による保全取消し)

保全命令を発した裁判所は、債務者の申立てにより、債権者に対し、相当と認める一定の期間内に、本案の訴えを提起するとともにその提起を証する書面を提出し、既に本案の訴えを提起しているときはその係属を証する書面を提出すべきことを命じなければならない。

②前項の期間は、二週間以上でなければならない。

③債権者が第一項の規定により定められた期間内に同項の書面を提出しなかったときは、裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消さなければならない。

④第一項の書面が提出された後に、同項の本案の訴えが取り下げられ、又は却下された場合には、その書面を提出しなかったものとみなす。

⑤第一項及び第三項の規定の適用については、本案が家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第二百五十七条第一項に規定する事件であるときは家庭裁判所に対する調停の申立てを、本案が労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第一条に規定する事件であるときは地方裁判所に対する労働審判手続の申立てを、本案に関し仲裁合意があるときは仲裁手続の開始の手続を、本案が公害紛争処理法(昭和四十五年法律第百八号)第二条に規定する公害に係る被害についての損害賠償の請求に関する事件であるときは同法第四十二条の十二第一項に規定する損害賠償の責任に関する裁定(次項において「責任裁定」という。)の申請を本案の訴えの提起とみなす。

⑥前項の調停の事件、同項の労働審判手続、同項の仲裁手続又は同項の責任裁定の手続が調停の成立、労働審判(労働審判法第二十九条第二項において準用する民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十六条の規定による調停の成立及び労働審判法第二十四条第一項の規定による労働審判事件の終了を含む。)、仲裁判断又は責任裁定(公害紛争処理法第四十二条の二十四第二項の当事者間の合意の成立を含む。)によらないで終了したときは、債権者は、その終了の日から第一項の規定により定められた期間と同一の期間内に本案の訴えを提起しなければならない。

⑦第三項の規定は債権者が前項の規定による本案の訴えの提起をしなかった場合について、第四項の規定は前項の本案の訴えが提起され、又は労働審判法第二十二条第一項(同法第二十三条第二項及び第二十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により訴えの提起があったものとみなされた後にその訴えが取り下げられ、又は却下された場合について準用する。

⑧第十六条本文及び第十七条の規定は、第三項(前項において準用する場合を含む。)の規定による決定について準用する。

この条文の〇×問題(2問)

本案訴え提起命令

仮差押命令を得た債権者甲がまだ本案の訴えを提起していない場合、債務者乙からの申立てがあると裁判所は、二週間以上の期間内に甲が本案の訴えを起こしてそれを証する書類を出すよう命じなければならない。

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正解 ○

正しい。債務者の申立てがあった場合、裁判所は、相当と認める一定の期間内に、本案の訴えを提起するとともにその提起を証する書面を提出すべきことを命じなければならない(37条1項)。既に本案の訴えを提起しているときは、その係属を証する書面の提出を命ずる。期間は二週間以上でなければならない(同条2項)。

学習ポイント:本案訴え提起命令は債務者申立てで裁判所の義務。期間は2週間以上と下限あり。

第37条1項・2項

本案訴えの取下げの効果

債権者が定められた期間内に本案の訴えを提起してその証明書面を提出した後にその訴えを取り下げた場合でも、既に書面を提出しているので保全命令が取り消されることはない。

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正解 ×

誤り。証明書面を提出した後に本案の訴えが取り下げられ、又は却下された場合には、その書面を提出しなかったものとみなされる。みなし規定により債権者は期間内に書面を提出しなかった者と同様に扱われ、債務者の申立てにより保全命令は取り消されなければならない。訴えの取下げの遡及的扱いが論点である。

学習ポイント:本案訴えの取下げ・却下は書面不提出とみなされる。一度出せば安全ではない。

第37条4項・3項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和6年度 問41イ

保全命令に対しては、その命令につき不服のある債務者は、即時抗告をすることができる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。即時抗告ができるのは保全命令の申立てを却下する裁判に対する債権者である(民保19条)。保全命令自体に対する債務者の即時抗告は認められず、債務者は保全異議(26条)・保全取消(37条・38条・39条)の申立てをする。

司法書士令和4年度 問41オ

裁判所が保全命令を発した後、債権者が本案の訴えを提起しないときは、保全命令を発した裁判所は、債務者の申立てにより、債権者に対し、2週間以上の相当と認める一定の期間を定めた上で、その期間内に本案の訴えを提起するとともにその提起を証する書面を提出すべきことを命じなければならない。

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正しい

正しい。保全命令を発した裁判所は、債務者の申立てにより、債権者に対し2週間以上の期間を定めて本案の訴えの提起等を命じなければならない(37条)。

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第37条の内容は2問の〇×問題と3問の条文穴埋めで確認できます。