資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第四章 仮処分の効力

民事保全法 第64条(建物収去土地明渡請求権を保全するための建物の処分禁止の仮処分の効力)

分野:仮処分の効力

出題試験:司法書士

この条の要点

  • 収去明渡仮処分の対人効:処分禁止登記後の建物譲受人にも本案債務名義で収去明渡の強制執行ができる。
  • 対人効の限界:処分禁止登記後の譲受人にも執行が及ぶ。仮処分の対人効は第三者にも拡張される。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第64条(建物収去土地明渡請求権を保全するための建物の処分禁止の仮処分の効力)

第五十五条第一項の処分禁止の登記がされたときは、債権者は、本案の債務名義に基づき、その登記がされた後に建物を譲り受けた者に対し、建物の収去及びその敷地の明渡しの強制執行をすることができる。

この条文の〇×問題(2問)

収去明渡仮処分の対人効

建物の収去及びその敷地の明渡しの請求権を保全するための建物の処分禁止の登記がされた後にその建物を譲り受けた者に対しても、債権者は本案の債務名義に基づき建物の収去及び敷地の明渡しの強制執行をすることができる。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。建物の収去及び敷地明渡しの請求権を保全する処分禁止の登記がされたときは、債権者は本案の債務名義に基づき、その登記がされた後に建物を譲り受けた者に対しても建物の収去及び敷地の明渡しの強制執行をすることができる。登記による公示を前提に対人効が拡張される規定である。

学習ポイント:処分禁止登記後の建物譲受人にも本案債務名義で収去明渡の強制執行ができる。

第64条1項、関連:第55条1項

対人効の限界

建物の収去及びその敷地の明渡しの請求権を保全するための処分禁止の登記がされた後に建物を譲り受けた者は、仮処分の効力は債務者にしか及ばないため、本案の債務名義による強制執行を免れる。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。処分禁止の登記がされた後に建物を譲り受けた者に対しても、債権者は本案の債務名義に基づき建物の収去及び敷地の明渡しの強制執行をすることができる。処分禁止の登記による公示を前提に、仮処分の効力が譲受人にも及ぶとする特則であり、効力が債務者に限られるとする命題は誤りである。

学習ポイント:処分禁止登記後の譲受人にも執行が及ぶ。仮処分の対人効は第三者にも拡張される。

第64条1項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和2年度 問57オ

甲建物について、Bの建物収去土地明渡請求権を保全するため、所有権の処分禁止の仮処分の登記がされた後、Cを登記名義人とする所有権の移転の登記がされたときは、Bは、Aに対して甲建物を収去し、土地の明渡しを命ずる旨の判決書の正本及び当該判決の確定証明書を提供し、単独で当該仮処分の登記に後れるCのための登記の抹消を申請することはできない。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。建物収去土地明渡請求権を保全するための建物の処分禁止の仮処分(民事保全法55条1項)の効力は、本案の債務名義に基づいて建物の譲受人に対しても建物収去土地明渡しの強制執行をすることができる点にあり(64条)、仮処分債権者が処分禁止の登記に後れる登記を抹消することは認められていない。したがって、Bは単独でCのための登記の抹消を申請することはできない。

解説で第64条を参照している問

問題で確認する

第64条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。