第六編 少額訴訟に関する特則
民事訴訟法 第368条(少額訴訟の要件等)
分野:少額訴訟に関する特則・法定審理期間訴訟手続に関する特則
この条の要点
- 少額訴訟の対象と申述時期:少額訴訟の申述は訴え提起の際に限る。提起後の追加申述は不可。
- 少額訴訟の回数制限:回数制限はその簡裁で少額訴訟を求めた回数のみ。応訴や通常訴訟は不算入。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第368条(少額訴訟の要件等)
簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない。
②少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならない。
③前項の申述をするには、当該訴えを提起する簡易裁判所においてその年に少額訴訟による審理及び裁判を求めた回数を届け出なければならない。
この条文の〇×問題(2問)
少額訴訟の対象と申述時期
少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならず、訴えの提起後に口頭弁論期日で申し述べることはできない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならない。訴え提起後に期日で口頭により求めることは認められない。また申述に際してはその年に当該簡易裁判所で少額訴訟を求めた回数の届出が必要である。
学習ポイント:少額訴訟の申述は訴え提起の際に限る。提起後の追加申述は不可。
第368条2項・3項
少額訴訟の回数制限
同一の年に同一の簡易裁判所で少額訴訟を求めることができる回数には上限があり、この回数はその年にその簡易裁判所で当事者が原告・被告を問わず関与した全事件を通算して数える。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。回数制限は同一の簡易裁判所において同一の年に少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる回数を最高裁判所規則で定めるものであり、申述の際に届け出るのはその年にその簡易裁判所で少額訴訟を求めた回数である。被告としての応訴や通常訴訟は回数に算入されない。
学習ポイント:回数制限はその簡裁で少額訴訟を求めた回数のみ。応訴や通常訴訟は不算入。
第368条1項・3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和2年 問2エ
少額訴訟による審理および裁判には、同一人が同一の簡易裁判所において同一の年に一定の回数を超えて求めることができないとする制限がある。
正誤と理由を見る
少額訴訟は同一簡裁で同一年内の回数制限がある(民訴368条:10回)。正しい。
賃管令和5年度 問11肢1
賃貸人が敷金 100 万円から原状回復費用として 70 万円を控除して賃借人に敷金を返還した場合において、賃借人の故意・過失による損耗・毀損がないときは、賃借人は、敷金全額分の返還を受けるため、少額訴訟を提起することができる。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。少額訴訟は、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えに限られる(民事訴訟法368条1項)。控除された70万円の返還を求める場合は60万円を超えるため、少額訴訟は提起できない。
管業平成28年度 問10肢1
滞納額140万円の支払いを求める訴えを簡易裁判所に提起する場合には、民事訴訟法上の少額訴訟制度を利用することができる。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。少額訴訟は訴額60万円以下の金銭支払請求に限られ、140万円では利用できない(民事訴訟法368条)。
解説で第368条を参照している問
問題で確認する
第368条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。