資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第五編 相続/第九章 遺留分

民法 第1044条

分野:配偶者居住権・遺留分・特別寄与

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 高

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 加害の意思がある贈与の期間制限の除外:算入期間1年は原則。双方が加害の意思を持つ贈与は1年より前でも算入される。
  • 相続人への贈与の算入目的の限定:相続人への贈与は10年に延びるが、算入は婚姻・養子縁組・生計の資本の贈与に限られる。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第1044条

贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。

②第九百四条の規定は、前項に規定する贈与の価額について準用する。

③相続人に対する贈与についての第一項の規定の適用については、同項中「一年」とあるのは「十年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。

この条文の〇×問題(2問)

加害の意思がある贈与の期間制限の除外

遺留分を算定するための財産の価額に算入される贈与は相続開始前の1年間にされたものに限られるため、贈与の当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知っていた場合でも、1年より前の贈与が算入されることはない。

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正解 ×

誤り。贈与の算入が相続開始前1年間に限られるのは原則で、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってした贈与は、1年より前のものも同様に算入される。期間制限を超えて算入される例外を見落としている。

学習ポイント:算入期間1年は原則。双方が加害の意思を持つ贈与は1年より前でも算入される。

第1044条1項本文・ただし書

相続人への贈与の算入目的の限定

相続人に対する贈与については、相続開始前10年間にされたものであれば、贈与の目的や使途を問わず、その価額のすべてが遺留分を算定するための財産に算入される。

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正解 ×

誤り。相続人への贈与は期間が10年に延長される一方、算入される価額は婚姻・養子縁組のため、または生計の資本として受けた贈与に限定される。目的の限定があるため、10年内の贈与であっても無条件に全部が算入されるわけではない。

学習ポイント:相続人への贈与は10年に延びるが、算入は婚姻・養子縁組・生計の資本の贈与に限られる。

第1044条1項・3項、関連:第903条1項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和7年度 問23イ

被相続人が相続人に対して当該相続人の生計の資本としてした贈与であって、相続開始前の10年間にしたものは、その価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入する。

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正しい

正しい。相続人に対する生計の資本としての贈与(特別受益)は相続開始前10年間にされたものに限り遺留分算定の基礎財産に算入される(1044条3項前段)。

司法書士平成25年度 問23ア改正前の出題

Aが相続開始の2年前にその子Bに対して生計の資本として金銭を贈与した場合には、遺留分権利者とBとの間に生ずる不公平が到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情がない限り、当該贈与は、遺留分減殺の対象とならない。

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誤り

誤り。共同相続人に対する生計の資本としての贈与は特別受益として、相続開始1年前か否かを問わず遺留分算定の基礎財産に算入され、減殺の対象となり得る(出題当時の民法903条1項・1044条・1030条)。(2019年7月施行の改正で遺留分減殺請求は遺留分侵害額請求に改められ、相続人に対する生計の資本としての贈与は相続開始前10年間のものが算入される(1044条3項))

司法書士平成25年度 問23イ改正前の出題

Aが相続開始の2年前にCに対して土地を贈与した場合において、当該贈与の当時、遺留分権利者に損害を加えることをAは知っていたものの、Cはこれを知らなかったときは、当該贈与は、遺留分減殺の対象とならない。

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正しい

正しい。相続開始前1年を超える贈与が減殺対象となるには当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知っていることを要し、受贈者Cが知らなければ対象とならない(出題当時の民法1030条ただし書。現行1044条1項後段も同旨)。

問題で確認する

第1044条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。