資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二編 物権/第二章 占有権/第一節 占有権の取得

民法 第187条(占有の承継)

分野:占有権

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 二十年取得時効における前主期間の合算:取得時効の期間は前主分を合算できる。援用者自身の全期間占有は不要。
  • 自己の占有のみを主張する場合の起算:自己の占有のみを主張するなら、善意・無過失も自己の占有開始時で判断。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第187条(占有の承継)

占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。

②前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。

この条文の〇×問題(2問)

二十年取得時効における前主期間の合算

甲が他人の土地を所有の意思をもって平穏かつ公然に12年間占有した後、甲から占有を承継した乙が同様に8年間占有した場合、乙は自ら20年間占有していなくても、甲の占有期間を併せて二十年の取得時効を主張できる。

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正解 ○

正しい。占有の承継人は、自己の占有に前主の占有を併せて主張することを選べる。甲の12年と乙の8年を合算すれば、第162条1項の二十年を満たすため、乙自身が単独で20年間占有している必要はない。ただし、合算する以上、前主の占有に瑕疵があれば乙もこれを承継する。

学習ポイント:取得時効の期間は前主分を合算できる。援用者自身の全期間占有は不要。

第187条1項・2項、関連:第162条1項

自己の占有のみを主張する場合の起算

占有の承継人が自己の占有だけに基づいて十年の取得時効を主張する場合でも、善意・無過失は必ず前主が占有を始めた時点を基準に判断する。

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正解 ×

誤り。占有の承継人は民法187条1項により自己の占有のみを主張できる。その選択をして十年の取得時効を主張するなら、基準となるのは承継人自身が占有を開始した時点であり、その時の善意・無過失が問われる。前主の占有開始時が常に基準になるのではない。

学習ポイント:自己の占有のみを主張するなら、善意・無過失も自己の占有開始時で判断。

第187条1項、関連:第162条2項

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和7年 問30肢5

本件売買契約において所有権留保特約が設けられていた場合、BがGのために甲を譲渡担保に供して占有改定の方法により引き渡したとしても、Aは、Bに対して留保所有権に基づいて甲の引渡しを求めることができ、Gはこれに対して異議を述べることはできない。

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妥当である

所有権留保特約があればAは所有権に基づき甲の返還を求められ、占有改定で取得した譲渡担保権者Gにも対抗できる(留保所有権は物権的権原)。

司法書士令和6年度 問7オ

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正しい

正しい。前の占有者の占有を併せて主張する場合にはその瑕疵をも承継する(187条2項)。被相続人が善意であったなら、悪意で占有を始めた相続人も併合により善意の占有として扱われる。

宅建平成27年 問4肢2

Bの父が11年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有した後、Bが相続によりその占有を承継し、引き続き9年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有していても、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することはできない。

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誤り

誤り。占有の承継で前占有者の占有を合算できるため、父11年+B9年で20年の取得時効は完成する(民法187条)。

問題で確認する

第187条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。