第二編 物権/第二章 占有権/第二節 占有権の効力
民法 第194条
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 代価弁償を要する買受経路の限定:代価弁償が要るのは競売・公の市場・同種の物を販売する商人からの善意買受のみ。
- 悪意の買受けと代価弁償の要否:代価弁償が要るのは善意の買受のみ。悪意の買受には弁償なしで回復できる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第194条
占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。
この条文の〇×問題(2問)
代価弁償を要する買受経路の限定
盗品を占有者が善意で買い受けた場合、個人的な知人からの購入など買い受けた場所や相手方がどのようなものであっても、被害者は占有者が支払った代価を弁償しなければその物を回復することができない。
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正解 ×
誤り。代価の弁償が必要なのは、盗品又は遺失物を競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から善意で買い受けた場合に限られる。これら以外の経路で買い受けた占有者に対しては、二年以内の回復請求であれば弁償せずに回復できる。列挙された経路を拡張してはならない。
学習ポイント:代価弁償が要るのは競売・公の市場・同種の物を販売する商人からの善意買受のみ。
第194条、関連:第193条
悪意の買受けと代価弁償の要否
盗品であると知りながら競売で買い受けた占有者に対しては、被害者は盗難の時から二年以内に回復を請求するに当たり、占有者が支払った代価を弁償しなくてもその物を回復することができる。
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正解 ○
正しい。代価の弁償が必要なのは、占有者が盗品又は遺失物を競売・公の市場・同種の物を販売する商人から善意で買い受けた場合である。悪意の買受人は弁償による保護を受けず、被害者は二年以内の回復請求に際して代価を弁償せずに回復できる。弁償要件は善意の取引を保護する特則である。
学習ポイント:代価弁償が要るのは善意の買受のみ。悪意の買受には弁償なしで回復できる。
第194条、関連:第193条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和7年 問34肢1
盗品である動産甲を、盗品とは知らずに、甲と同種の物の販売業者から購入して引渡しを受けた買主が、所有者に甲を返還すべき場合、その買主は、所有者に対して、返還するまでの間における甲の使用利益相当額を支払わなければならない。
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妥当でない
盗品を同種の物の販売業者から善意で買い受けた占有者は、代価の弁償の提供があるまで盗品の使用収益を行う権限を有するので、所有者に使用利益相当額を支払う義務を負わない(民法194条・判例)。
司法書士平成28年度 問8エ
Aの家から動産甲を盗んだBが、自己の所有物であると偽って、公の市場において、Bが無権利者であることについて善意無過失のCに動産甲を売り渡した場合において、AがCに対して動産甲の返還を請求する前に動産甲が滅失したときは、Aは、盗難の時から2年以内であれば、Cに対して動産甲の回復に代わる賠償を請求することができる。
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誤り
誤り。公の市場で善意に買い受けた占有者は、被害者が代価を弁償しなければ物の回復を要せず(194条)、物が滅失した場合の回復に代わる賠償請求も認められない(判例)。
司法書士平成28年度 問8オ
Aの家から動産甲を盗んだBが、自己の所有物であると偽って、公の市場において、Bが無権利者であることについて善意無過失のCに動産甲を売り渡した場合には、AがCに対して盗難の時から2年以内に動産甲の返還を請求し、Cが動産甲をAに返還した後であっても、Cは、Aに対して、CがBに支払った代価の弁償を請求することができる。
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正しい
正しい。194条の代価弁償請求は被害者・遺失者の側からの回復請求の対価であり、Cが返還した後は代価の弁償を請求できない(最判平6.9.13)。
解説で第194条を参照している問
問題で確認する
第194条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。